シリアで使用されたという化学兵器の原料となる化学物質の容器がある倉庫が発見されている。サウジアラビアやヨーロッパのいくつかの国々が製造したものだという。
またその化学兵器を発射した地域が、反政府勢力側が支配する地域から発射されたという、衛星写真や証言を含む確たる証拠がある、と情報大臣が指摘している。
これについては、現在国連の調査団がシリアに入国しているが、何者かに攻撃されたりしたことで、撤退が取りざたされているし、誰が化学兵器を使用したか、という点は判断できていない。
ところが、アメリカ等欧米諸国では、シリア政府が化学兵器を使用した、という断定的態度に終始している。以下はウォールストリート・ジャーナル紙のサイトからの抜粋である。
「同高官は「基地の使用は必要ない。領空侵犯も防空の必要もない」と話した。さらに、攻撃の目標はアサド大統領が再び化学兵器を使用する能力を『阻止、低下させる』ことだと付け加えた」・・・これは誰が化学兵器を使用したかが分かっていない段階であるにもかかわらず、アメリカがシリア政府側を攻撃する、という意図を持っていることが示されている。
「ケリー長官は、国連軍の派遣が必要かどうかには疑問を呈した。同長官や国連当局者らは調査団は化学兵器による攻撃があったかどうかをはっきりさせるのが任務であり、それを誰がやったかを調べることではない、と語った」・・・・このように、ケリー長官は、「化学兵器を誰が使用したか」は調査団は調べなくていい、と言って、一番肝心な論点を無視してまで、シリア政府を攻撃したい、という意図を示している。
「また、化学兵器使用から時間がたち、その後に政府軍の砲撃もあったことから、同兵器使用の証拠を調査団が集めることはできないだろうとも伝えたという」・・・国連調査団が調べる必要は無いということを強調したいばかりに、調べても何も出てこないだろう、と言っているに等しい。
更にアメリカは、シリア政府が化学兵器使用の証拠を隠滅した、と非難しているが、これは結局、アメリカも化学兵器をシリア政府が使用した、という証拠は握っていない、ということを示している。証拠が無いのに犯人と断定することが許されるはずも無いことは小学生でも知っている。何かあれば、誰でも、「証拠はあるのか?」と尋ねることは当然であるが、アメリカはその証拠を提示できていない段階で、シリア政府を下手人と断定している過ちを犯している。
これは10年前のイラク侵攻時の欧米諸国が使用したレトリックと同じである。イラクに大量破壊兵器が存在していると言って、その証拠も提示できていない段階でイラクを攻撃し、入ってみて調べてみたら、やはりイラク政府が言っていたようにありませんでした、となった、お粗末な経緯があった。
要するに、アメリカは例によっていつもの、偽旗作戦、つまり自作自演作戦を行って、アメリカ側の反政府テロリストが実行した化学兵器使用を、アサド政権の仕業と断定しそれを国際社会に向けて喧伝し、大げさに、このような蛮行を黙ってみているわけには行かないと正義面で語り、もって、シリアに対する軍事行動を行う、と言って、軍事行動の正当化を諮っているのである。
シリア政府が使用したとすれば、何のために子供や女性の犠牲者が多くでるような攻撃をしたのか?という疑問が出てくるだろう。しかも、アメリカが限界線と呼んだ化学兵器を使用することで、シリア政府はアメリカに軍事的攻撃をされたがっている、「マゾ」政権なのか?という疑問も出てくる。しかし、これを反政府側テロリストが実行した、と考えれば、全てのつじつまは合うのである。彼らは外国人傭兵であり、シリア人ではないから、いくらシリア人が死んでも、たとえそれが子供や女性でも一向に痛痒を感じない者たちであり、化学兵器使用がシリア政府の仕業となれば、アメリカが軍事的に自分達の闘っている敵であるアサド政権をミサイル等で叩いてくれるからだ。
ただし、本当にアメリカがシリア攻撃に踏み切るかどうかは、これまた分からない。最終判断はオバマ大統領に委ねられている事柄だ。そしてオバマ大統領は実際に起きたことは十分承知しているはずだから、その認識の下、今後いかなる対応にでるか、我々は見守るしかないだろう。
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●シリア情報大臣:アメリカ支援のテロリストが化学兵器使用の証拠あり
http://sana.sy/eng/21/2013/08/24/498973.htm
【8月24日 SANA】
シリアの情報大臣のオムラン・アル・ゾウビは、シリアはどのようなものであれ、そしてダマスカス郊外のゴウタ地区であれどこであれ、化学兵器を使用したことは一切無い、と繰り返し語った。そしてシリアは化学兵器を所有していても決して使用しないであろうと語り、このような兵器は衛星写真や証言を含めて、テロリスト・グループが使用したという証拠を持っている、と語った。
24日のマヤディーン・テレビでのインタビューで、情報大臣はシリアとその友邦はこの問題となっている化学兵器を運んだ飛行物体は、テロリストが支配していた場所から発射されたという論争の余地の無い証拠を掴んでいると語り、したがって、テロリストがこういった行為と、その結果に対して全面的な責任があると語った。
大臣はシリア軍はジョバール地区で、サウジアラビアといくつかのヨーロッパの国で製造された化学物質の大型容器がある倉庫を発見したと指摘した。そこでは、テロリストらが化学物質に誤って触れてしまった際に自分達を守る医薬品や、化学物質を製造する機材もあったと語った。大臣は、サウジアラビアやトルコ、ヨーロッパのいくつかの国々が製造した化学物質のある倉庫が発見されたのは、これが最初ではないと語った。
アル・ゾウビ大臣は、ジョバールを含むいかなる地区であれ、化学兵器が使用されたとしたら、それはテロリスト・グループが使用したものであり、また彼らと共に行動している外国人らである、と語った。またこの外国人らはこういったテロリスト・グループの本当の基盤となっている者たちであり、彼らがどんな行為でも良心の呵責ないまま犯すことができる、と言うことを示している」と語った。
またその化学兵器を発射した地域が、反政府勢力側が支配する地域から発射されたという、衛星写真や証言を含む確たる証拠がある、と情報大臣が指摘している。
これについては、現在国連の調査団がシリアに入国しているが、何者かに攻撃されたりしたことで、撤退が取りざたされているし、誰が化学兵器を使用したか、という点は判断できていない。
ところが、アメリカ等欧米諸国では、シリア政府が化学兵器を使用した、という断定的態度に終始している。以下はウォールストリート・ジャーナル紙のサイトからの抜粋である。
「同高官は「基地の使用は必要ない。領空侵犯も防空の必要もない」と話した。さらに、攻撃の目標はアサド大統領が再び化学兵器を使用する能力を『阻止、低下させる』ことだと付け加えた」・・・これは誰が化学兵器を使用したかが分かっていない段階であるにもかかわらず、アメリカがシリア政府側を攻撃する、という意図を持っていることが示されている。
「ケリー長官は、国連軍の派遣が必要かどうかには疑問を呈した。同長官や国連当局者らは調査団は化学兵器による攻撃があったかどうかをはっきりさせるのが任務であり、それを誰がやったかを調べることではない、と語った」・・・・このように、ケリー長官は、「化学兵器を誰が使用したか」は調査団は調べなくていい、と言って、一番肝心な論点を無視してまで、シリア政府を攻撃したい、という意図を示している。
「また、化学兵器使用から時間がたち、その後に政府軍の砲撃もあったことから、同兵器使用の証拠を調査団が集めることはできないだろうとも伝えたという」・・・国連調査団が調べる必要は無いということを強調したいばかりに、調べても何も出てこないだろう、と言っているに等しい。
更にアメリカは、シリア政府が化学兵器使用の証拠を隠滅した、と非難しているが、これは結局、アメリカも化学兵器をシリア政府が使用した、という証拠は握っていない、ということを示している。証拠が無いのに犯人と断定することが許されるはずも無いことは小学生でも知っている。何かあれば、誰でも、「証拠はあるのか?」と尋ねることは当然であるが、アメリカはその証拠を提示できていない段階で、シリア政府を下手人と断定している過ちを犯している。
これは10年前のイラク侵攻時の欧米諸国が使用したレトリックと同じである。イラクに大量破壊兵器が存在していると言って、その証拠も提示できていない段階でイラクを攻撃し、入ってみて調べてみたら、やはりイラク政府が言っていたようにありませんでした、となった、お粗末な経緯があった。
要するに、アメリカは例によっていつもの、偽旗作戦、つまり自作自演作戦を行って、アメリカ側の反政府テロリストが実行した化学兵器使用を、アサド政権の仕業と断定しそれを国際社会に向けて喧伝し、大げさに、このような蛮行を黙ってみているわけには行かないと正義面で語り、もって、シリアに対する軍事行動を行う、と言って、軍事行動の正当化を諮っているのである。
シリア政府が使用したとすれば、何のために子供や女性の犠牲者が多くでるような攻撃をしたのか?という疑問が出てくるだろう。しかも、アメリカが限界線と呼んだ化学兵器を使用することで、シリア政府はアメリカに軍事的攻撃をされたがっている、「マゾ」政権なのか?という疑問も出てくる。しかし、これを反政府側テロリストが実行した、と考えれば、全てのつじつまは合うのである。彼らは外国人傭兵であり、シリア人ではないから、いくらシリア人が死んでも、たとえそれが子供や女性でも一向に痛痒を感じない者たちであり、化学兵器使用がシリア政府の仕業となれば、アメリカが軍事的に自分達の闘っている敵であるアサド政権をミサイル等で叩いてくれるからだ。
ただし、本当にアメリカがシリア攻撃に踏み切るかどうかは、これまた分からない。最終判断はオバマ大統領に委ねられている事柄だ。そしてオバマ大統領は実際に起きたことは十分承知しているはずだから、その認識の下、今後いかなる対応にでるか、我々は見守るしかないだろう。
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●シリア情報大臣:アメリカ支援のテロリストが化学兵器使用の証拠あり
http://sana.sy/eng/21/2013/08/24/498973.htm
【8月24日 SANA】
シリアの情報大臣のオムラン・アル・ゾウビは、シリアはどのようなものであれ、そしてダマスカス郊外のゴウタ地区であれどこであれ、化学兵器を使用したことは一切無い、と繰り返し語った。そしてシリアは化学兵器を所有していても決して使用しないであろうと語り、このような兵器は衛星写真や証言を含めて、テロリスト・グループが使用したという証拠を持っている、と語った。
24日のマヤディーン・テレビでのインタビューで、情報大臣はシリアとその友邦はこの問題となっている化学兵器を運んだ飛行物体は、テロリストが支配していた場所から発射されたという論争の余地の無い証拠を掴んでいると語り、したがって、テロリストがこういった行為と、その結果に対して全面的な責任があると語った。
大臣はシリア軍はジョバール地区で、サウジアラビアといくつかのヨーロッパの国で製造された化学物質の大型容器がある倉庫を発見したと指摘した。そこでは、テロリストらが化学物質に誤って触れてしまった際に自分達を守る医薬品や、化学物質を製造する機材もあったと語った。大臣は、サウジアラビアやトルコ、ヨーロッパのいくつかの国々が製造した化学物質のある倉庫が発見されたのは、これが最初ではないと語った。
アル・ゾウビ大臣は、ジョバールを含むいかなる地区であれ、化学兵器が使用されたとしたら、それはテロリスト・グループが使用したものであり、また彼らと共に行動している外国人らである、と語った。またこの外国人らはこういったテロリスト・グループの本当の基盤となっている者たちであり、彼らがどんな行為でも良心の呵責ないまま犯すことができる、と言うことを示している」と語った。