ただいまー!シンガポールから帰ってきましたよ。
さて、海外での国産TCGの勢いを、実地でレポートしてこよう!という今回の企画。
多分、いや、間違いなく、1回の記事で書ききれる記事ではありませんが、カードゲームファンなら、絶対に楽しんで頂けると思える話がいっぱいです!
長くなるかも知れませんが、ぜひお付き合いくだせぇ!大丈夫、本当に何にもしないから!(どこへ連れ込むつもりだ)
とは言っても、「どんな話になるねん?」と、さっぱりわからないままスタートするのも失礼な話。
ですので、これから書く予定を先に、まとめておきましょうか。
■当シリーズの話の流れ(予定)
○シンガポールってどんな国よ?世界に日本の漫画・アニメがなぜ受けるのか?
○AFA2009(アニメフェイティバルアジア)レポートその1・各メーカーブース・イベントレポート。
○AFA2009(アニメフェイティバルアジア)レポートその2現地のオタクはどんな人々?トークショウ・ライブレポート
○シンガポール・カードショップ巡りその1
池っち店長最大の危機!デッキを持たずに入国して、現地のプレイヤーに勝てるのかっ?!
○シンガポール・カードショップ巡りその2ヴァイスシュヴァルツ店多発の予感!
○シンガポールの夜を冒険。
大体こんなカンジで書いていきたいと思います。
・・・え?ちょっと長いんじゃないかって?
「お前実は、裏日記の“バンコク旅行記”も途中で投げ出してるじゃないか」
って?!
2002年7月25日(木)
不定期連載大河ぺっぽこロマン日記 池っち店長タイ旅行記
第1話・失恋旅行「ジュースがうまい」
http://www.stannet.ne.jp/fb/ura/nikki/tenntyou02.html
・・・うむ。申し訳ない。思えばバンコク旅行もすでに、20年近く前のことになってしまったのぅ・・・
アレも一応、死ぬ前には書きあげたいと思ってはいるのですよ。たとえば、裏日記を本にして出版するとしたら、書き下ろしで追加するかなあ、とか。
今でも時々、直接会った方から「バンコク旅行記の続きは書かないんですか?」と聞かれます。僕も今日、読み返してみて、
「何が連載大河日記だ!続きを書かんかアホ!」
と自分で思いました。申し訳ないとは思っておりまする。
○シンガポールってどんな国?
熱い。南国であります。ぶっちゃけ、赤道直下。
ではとんでもなく遠い国か?というと、そんなこたぁない。沖縄からぐいーっと斜め左下に降りたところで、飛行機で6時間。かなり近い国。
そして!これは最初に言っておきたい。
テラ、先進国。(知ってる人にとっては当たり前)
シンガポール国際空港
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/8c/4c5df494f68ca3697b8d03ee8c60799f.jpg)
ホテルからみた街並み。カラフルなビルが多い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/20/799ebe78a1e58aafb0acfa4edfef050a.jpg)
ウォーチャードストリート。年中ライトアップしてる!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/95/0f8d11452634e6ba9403a03693a3aba3.jpg)
イオンモールシンガポール!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/8d/718847c0b86df4a235a08752fe10eb06.jpg)
ジャングル的な緑の中に団地が。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/f2/87689f850d355d43bcba84e637473a00.jpg)
町並みは綺麗だわ、インターネットも高いレベルで整備されてるわ、犯罪率はなんと東京の2分の1らしい(全体としても日本を下回る)だわで、中心地の賑やかさ・安全性は、東京を超えているかもしれないぐらい。そりゃ外国人移民者も増えるって。
民主主義国家なんだけど、一党独裁政権が続いていて、政治権力が強力。
ゴミ一つ捨ててもすぐ逮捕、罰金を払わされる。
麻薬なんか、持っていただけで死刑! もありうるという、世界でもトップレベルの、「刑法の厳しい近代国家」。
マスコミも政治の足を引っ張らないので、政治のリーダーシップが遺憾なく発揮されているらしく、凄い勢いで経済が成長しています。(世界的な不況からも、いち早く脱出しつつあるらしい。)
ぶっちゃけ、びびりました。
失礼ながら、わしゃーてっきり、
「後進国故に日本の漫画、アニメに対して憧れがあるのであろう。んふんふ。」
とか思っていましたが・・・
自分の無知が恥ずかしい!
と言わざるを得ないでしょう!(シンガポールの風土、文化については、今後の記事でも触れていきます。かなり住みやすく、生活レベルの高い国に見えました。)
こんな凄い国で、なんで日本のキャラクターが人気やねん?オタク文化が入り込むねん?カードゲームが売れるねん?
それをこれからの記事で、じっくりねっちょりぐっちょりとお伝えしていきたいと思います。ぬぷぬぷ。
シンガポール共和国。
全部で63個の島から成る、都市国家。一番大きな(と言うよりほとんど本土)シンガポール島も長径40数キロ。(車で横断すると1時間半ぐらい)
国土はとても小さく、1965年にマレーシアから分離してできた、とても若い国。
基本的には熱帯ジャングルだけど、人口密度はなんと世界第二位!
人々の暮らしは平均的に豊かで、医療サービスは世界最高レベルと言われるうえ、安い。
それも、建国してからの、急激な発展によります。
さて、ちょいと話が変わりますが、数十年前から、世界各国で、以下のような事柄が起こっていました。
テレビが普及した。
↓
テレビ局がポコポコできた。
↓
番組が足りない。
↓
外国から番組を買う。
↓
極端に安いのは、日本のアニメ作品。
↓
空いた時間に、日本のアニメを放映しまくる。
↓
いくつか大ヒットする。スペインでドラえもんのレコードがヒットチャート一位とか、フランスで聖闘士星矢が大ブームとか、フィリピンでボルテスVが国民的ヒーローとか・・・
↓
それを見て育った子供が、今現在30代~40代。その国を動かす世代になった。
↓
日本のキャラクターが好き(あるいは抵抗を感じない)ので、それをビジネスにする人が出てくる。
↓
その文化風土(日本のキャラクターが当たり前のように生活に溶け込んでいる)の中で育った世代が若者になり、萌えを理解し、求めている。←今ここ。
一例をあげましょう。
20年ほど昔、フランスで、とあるSFマニアが集う大きなイベントがありました。
日本の漫画家、永○豪が見に行ってみると、自分の作品、“グレンダイザー”の商品、グッズがやたらと目につきます。
「なんで?」
と現地の若者に聞いてみると、
「知らないのかい?僕達はみんな、“ゴルドラック”(グレンダイザーの現地名)を見て育ったんだ。視聴率はよく90%(!)を超えていたって話だからね。僕達にとって最高のヒーローなのさ。」
と答える。
「僕、その作者なんだけど・・・」
と答えると、
「なんでそんなVIP(重要人物)が、護衛も無しにうろついているんだ!?」
と大パニック。
ゴルドラックのブームはフランスやイタリアでは、
「子供達が影響を受けすぎている!」
と社会問題となったり、各方面の文化人が、その文化的意味合いを真面目に論文にしたり、主題歌のレコードの販売数が100万枚を超えたり、とんでもない事になっていたのでした。
日本のアニメ、漫画が、どれだけ他国に影響を与えているか、知らないのは日本だけ(原作者すら知らない)、という状況が、実は何十年も前から起こっていた、という話。
(この話は僕が十年以上前にどこかで読んだ話なので、正確ではないかも知れないが、“ゴルドラック”が幾つかの国で伝説の作品となっているのは事実。別の作品、国でも、同じような話はいくらでもあるらしい。)
で、ここ10年ぐらいで、“千と千尋の神隠し”が金熊賞を取ったとかで話題が高まり、普通のニュースとかでも話題になるレベルになったわけです。
実際のところ、宗教と一緒で、文化というものは、他国と自国を結びつける、強力な武器になりえます。
アメリカなんか、ハリウッドやディズニーを、明らかにアメリカ文化(イコール、アメリカ商品、アメリカのブランド)を売りつける手段として昔から活用しています。
ディズニーランドだけでも、世界各国からどれだけアメリカにお金を流し込んでいるやら、見当もつきません。ものすごい「輸出産業」ですよね。
その国が豊かになるかどうかは、他国に売るものがどれだけあるか、どれだけ富を余所から収集できるかにかかっています。
日本は石油や鉱物といった、“資源”を他国に売って儲けている国ではありません。
基本的には技術立国で、他国より優れた工業製品を「輸出」する事で、お金を儲けてきました。
しかしその立場が韓国や中国に脅かされている今、テレビゲームに続いてアニメ、漫画といった、「コンテンツ」による収益が、より重要視されているのは間違いないでしょう。
アニメ、漫画キャラクターを生かした商材としては、まずはテレビゲームやビデオソフトが考えられます。
しかしこれらには、海賊版や違法アップロードなどの問題がつきまといます。発生して何十年も経っていますが、根本的には解決されないまま。
ですが、カードゲームは違います!偽物が出回っても、公式で使えないばかりか、
「そもそもニセモノにはコレクションカードとしての価値が無い」
のですから!
(偽物と見抜けないクオリティのカードが開発されれば話は別ですが、種類がバンバン出るので、追いかけてもコストが回収できないでしょう。)
そういう意味では、バンダイさんが“ガンプラ”を世界市場に向けて推しているのは正しい方向性かと。あれも、コピーできない商品ですからね。
さて、そのあたりを御理解いただいた上で、話をシンガポールへ戻しましょう。
ありがたいことにシンガポールでも、日本のキャラクター、ホビーは大人気。
(電車の中で若者がPSPをプレイしていたが、案の定モンスターハンターだった!)
で、そういったキャラクターを手軽に集めることのできる“TCG”が、いかに楽しく、長く続けられるものであるかは、
当ブログの読者のみなさんには、いまさら説明するまでもないこと!
ここから先はいよいよ、AFA2009のレポートを通し、いかに日本のオタク文化が、そしてカードゲームが、シンガポールの人々にいかに愛されているか、具体的にお伝えしていきましょう!
シンガポールでカードゲーム!その2 AFA(アニメフェスティバルアジア)2009レポート前編
に続きます。→http://blog.goo.ne.jp/tcg1234/e/54dd3b4d949f7f3bc2eeb7cd03583393
AFA会場
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/ea/2ee392490e8e68fcc3078029bec5532c.jpg)
バンダイブース
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/9a/83cfc75afe439ee5a5a217bf78e4bb59.jpg)
ブシロードトークライブ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/ed/7dca836a34ddb58fe45a9a3639a90acd.jpg)