きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

姿や形

2019年04月16日 | 先生に質問
(T-C小4年)

≪質 問≫
タバコには、なぜいろんな形があるのですか?

≪お返事≫
お菓子も、たとえなかみが同じだとしても、袋のデザインがちがったり、おまけつきだったり、バナナ味やイチゴ味というように少し味付けが違っていると、買ってみたくなりませんか? 
また、国がちがえば、人々のきょうみの持ちかたやこのみもちがいます。
つまり、いろいろな形にしているのは、買う人を増やすためのくふうのひとつなのです。


MEMO---------------------------
小学校での喫煙防止教室「タバコの本当のはなし」では、紙巻タバコや加熱式タバコ、ニコチン入り電子タバコに葉巻やパイプやキセル、アラブには水タバコ、インドには噛みタバコなんていうのもあって、江戸時代には嗅ぎタバコっていうのもあったんだよ・・・でも、姿かたち、呼び名は違っても、みーんな同じタバコだよと教えています。



私たち世代には、タバコを吸わない人にも、赤い箱は×××、黄色は×××、青は×××のように、タバコのブランドイメージがいつのまにか植えつけられています。

ブランドの名前にちなんで、らくだのキャラクターを作って、親しみやすさを売りにしているものもあったりします。

タバコの規制に関する世界保健機関枠組み条約(Framework Convention on Tobacco Control:
FCTC)は、タバコの消費を減らす目的で、国際的協力をしていくために制定された条約です。

これにより、マイルドやライトといった、いかにも毒性が低いといった命名が禁止され(第13条)、名前が変更された銘柄があります。

また条約には、「パッケージの半分以上の面積を使い、画像も用いて、わかりやすく健康被害について警告しましょう(第11条)」とも定められています。

しかし日本は、この条約に批准(国家による最終的確認と確定的同意)しているにもかかわらず、ご存知のように、画像はなく、細かくて読みにくく、かつ、わかりにくい言葉使いでしか書かれていません。


このように、タバコのパッケージの警告表示については日本は遅れているというか、約束違反じゃん!と思うような状況なわけですが、他の国ではすでに次の段階にまで進んでいます。
それが、タバコの「プレーンパッケージ化(第13条)」です。

ブランドに関係なく、すべて(魅力的でない)茶色に近いくすんだオリーブ色にタバコの箱の色を統一するという対策です。
もちろん、すでに使われている生々しいタバコ病の画像つきでの「タバコを吸うと死ぬぞ」などといったストレートな文言は健在のままです。

プレーンパッケージ化は2011年にオーストラリアで始まり、2016年からはイギリスとアイルランドでも実施され、続々と世界中の多くの国が実施、検討しています。(*)

ますます日本は、世界水準から引き離されて、タバコについては成績が悪い国の代表になっています。

国の代表であると言っている人たちに聞きたいです。

子どもたちに対して、この現状をどんなふうに言い訳すればいいのでしょうか? 教えてください。


(*)
http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B1-%E3%82%B8%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%8B%95%E5%90%91.pdf
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