きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

認知症施策

2024年09月03日 | ヘルスリテラシー
今朝、病院での出来事。

車椅子でご来院の高齢女性を、付き添ってこられていたご家族に代わって、ご案内したときのことです。
その患者さんは病気が進行して、体力・気力がだいぶ落ちてしまっている様子で、あまり体調は良くないようでした。

順番がきて採血室に入る際、患者さんの夫と思われる方が、「たくさん血採っちゃってやって!(頭をくるくる指さしながら)これだからさ!」とおっしゃるので、ビックリしてしまいました。

つまり、「こいつ、頭が変になっちゃってるから、たくさん血を抜いて、もっと弱らせてしまってくれ」みたいな意味でおっしゃっているのでした。

冗談にしたって、かなりキツイ・・・


ご自身も高齢である夫君は、介護で心身ともに疲れてしまっているのかもしれません。

それで思わず、憎まれ口をたたいてしまったのかもしれません。

でも、ちょっと聞き捨てならないなあ・・・と心配になりました。

私の両親も数年前、老々介護で共倒れは時間の問題・・・という状況になりました。
認知機能が低下気味で忘れっぽくなったり、怒りっぽくなった母に対して、父がイラついたり、父自身も精神的に不安定になることが多くなっていました。

核家族化の進んだ高齢化社会では、こういう状況は決して珍しいことではありません。

実際に、介護疲れで、殺人や無理心中などといった事件も世間では起こっています。

病気になって体が言うことをきかなくなるだけでなく、認知機能が低下して、コミュニケーションがうまくとれないとなると、精神的ストレスが大きくなり、よけいに状況は悪化します。


今日のニュースから・・・
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認知症施策推進基本計画の重点目標
①新しい認知症観の理解促進
②認知症の人の意思尊重の促進
③周囲と支え合い、地域で安心して暮らせる環境の整備
④認知症をめぐる新たな知見や技術の活用
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情操教育

2024年08月30日 | 音楽処方
ある小学校の養護の先生から、10月に予定されている喫煙・がん予防教室の際に、チェロを弾いてほしいとリクエストされています。

コロナ禍以降、リモート授業を行っている学校です。
一度チェロの演奏を披露したことがあり、今年も弾いてほしいと言ってくださっているのです。

せっかくのリクエストなので、子供たちが知っている曲がいいと思い、先生に選曲をお願いしていたところ、アニメ「天空の城ラピュタ」の「君をのせて」を選んでくださいました。
音楽の授業で歌っているそうです。
私が子供の頃は、学校の音楽の授業で習う曲は、いわゆる文部省唱歌やクラッシックで有名な曲がほとんどでした。

ポップス系は「翼をください」と「およげたいやきくん」くらいでしたね。

聞くところによると、シューベルトやシューマンの生まれ故郷でも、子供たちが古き良き歌を学ぶ機会が無くなってしまっているようです。

小学校の音楽の時間に鑑賞して、最も衝撃的だったのは、シューベルトの「魔王」。
同世代の人に聞くと、「その曲ならよく覚えている!」という人が多いです。

この曲のおかげで、ドイツ語でお父さんのことを「Vater」というのだと知りました。
ピアノの前奏もすごくキャッチーで、耳コピして音楽室のピアノでよく弾いていました。

改めて聴いてみると、名歌手フィッシャー・ディースカウは、父親、子供、魔王の声を見事に歌い分けています。
子供の頃、高熱を出すと、きまって同じような悪い夢を見たことが思い出されます。
素晴らしいとしか言いようがありません。
多感な子供時代に、このような素晴らしい音楽に接することができたことは幸せでした。



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夏野菜を食べる

2024年08月27日 | ヘルスリテラシー
野菜不足に陥りがちな生活。

夏はもっぱら、色々な野菜をいっぺんにおいしく食べられるラタトゥイユを週末に作りおきすることが多いです。

スーパーやあぜ道に並んでいる色とりどりのつやつやした元気な野菜をみていると、料理する意欲がわいてきます。

材料はその時によって若干変わりますが、基本はナスやズッキーニとピーマンやパプリカ、そしてインゲンやアスパラガスなどにトマトを加えています。

私はつい煮込んでしまいがちなので、材料はそれぞれ大きめに切るようにします。
そうすると、煮込んでも形が保たれ、食べ応えがあり、便利なおかずの一品になります。

今回はコリンキーを使いました。
かぼちゃの仲間で、生のままサラダでも食べられますが、味があまりなくて、ラタトゥイユのような料理にも便利です。

夏は冬瓜もよく食べます。
先日は冷たい冬瓜スープを作りました。
       

どんな野菜も1年じゅう食べられるようにな時代ですが、やはり旬のものをいただくと、からだに良いエネルギーが満ちる気がします。


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自転車をこぐ人

2024年08月24日 | その他
毎朝、出勤途中ですれ違うおばあさんがいます。

こちらは車、あちらは自転車なので、すれ違う時間は一瞬。

ですが、シワが深く刻まれ、日に焼けて真っ黒なお顔がとても印象的な方なのです。

自転車の荷台には何を入れて運んでいるのか、大きなボックスが取りつけられており、おばあさんの痩せた小さなからだがよけいに強調されて見えます。

雨の日も風の日も、果敢に自転車をこいでいる様子から、彼女にとって「出勤」であることは間違いありません。

「あ、あのおばあちゃんだ。今日も元気だな」

「いったいどんな仕事をしているのだろう?」

すれ違うたびに、私は心の中でつぶやいています。

しっかりと前を見据えている目からはとても強い光が赤いビームとなって放たれており(そういう風に見える)、情熱を持って仕事をしている方なのだろうと勝手に想像しています。

あの年齢で、毎日自転車をこいで通っている彼女の職場は、いったいどんなところなのか、車をUターンさせて彼女の後をついていって、のぞいてみたい気がします。

すれ違うときはいつも同じ表情をしているので、もしも話しかけたら、どんな風にその表情が変化するのか、とても興味があります。

ひとり暮らしなんでしょうか?

家では犬か猫が留守番をしているのでしょうか?

一見とても健康そうですが、持病があったりするんでしょうか?

色々と興味はつきません。


そしてある朝、彼女とすれ違いながら、ふと思ったのです。

人生というのは、こんなふうに同じような毎日の繰り返しで、それが積み重ねられて形成されているものなのだなと。
当たり前のような、当たり前ではないような····







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送り火

2024年08月18日 | その他
夕立が去ったあと、近所で花火が上がりました。

遠くの空では、まだ時々稲光がし、思いがけず、花火と稲光との共演を楽しみました。

お盆の花火は、亡くなった方々が無事帰るためのお送り火にもなるのですよね。


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人となり

2024年08月15日 | ヘルスリテラシー
突然ですが、あなたは旅行を計画するとき、AとBのうち、どちらの思いのほうが優先されますか?

A)世界遺産に登録されているようなすばらしい景勝地を観たい!
B)伝統工芸や人々と触れ合える旅がしたい!

医者にも色々な人がいますが、外科系の医師はA、内科系の医師はBを選ぶ人が多いかもしれません。
もちろん人それぞれで、一概にはいえませんが・・・

私は内科医で、だんぜんBタイプです。

ちょっと乱暴な言い方になりますが、外科医は「病変」を診て治療に取り組み、内科医は「病人」を診ているという言い方をすることがあります。
そのことを旅の目的に例えると、景勝地観光好きか、人や現地の生活に興味があるかに分けられるというわけです。


患者さんの「人となり」を知らないままに、単に病気だけを治療しようとすると、病変は無くなったけれど、患者さんは幸せになっていない、むしろ治療前よりも不幸せな状況に・・・なんていうことが、実は少なからず起こりえます。

「人となり」とは、キャラクター、性格、気質、人格などと言い換えることができますが、がんや根治困難な慢性病を患った場合や、高齢の方の病気の治療に関わる医療現場にいると、その方がこれまでどんな人生を送って来たのか、人生においてどんなことを大切に思っているのか、どんな人生観を持ちながら生活しているのかなど、その人の広い人間性を考慮して、倫理的配慮が重要になるといった場面に多く遭遇し、議論になることがあります。

いえ、むしろ、そういうことを議論しようとする視点を持つこと、議論できる場があることが重要なのです。

「人となり」というのは基本的に他者からの視点で判断されるものとされていますが、自分の性格やどんなことを大切に思っているのか、どんな人生を送りたいと常々思っているかなど、自分自身について時々考えてみると、大きな決断をしなければいけないような時に答えを得るヒントになるかもしれません。
簡単なことじゃありませんけどね・・・











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踊ってきました

2024年08月14日 | その他
昨夜行われた盆踊り。
なんと生演奏でした!

戦争で亡くなった方々の供養も行われました。     




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盆踊り

2024年08月13日 | その他
昨年は、台風が接近していて中止になってしまった盆踊り大会。

今年は開催されるようなので、仕事を終えたら浴衣に着かえて、同僚たちと会場となっている護国神社へ行く予定です。

お盆期間中も病院は休みではありませんが、来院する患者さんの数はいつもよりも少ないので、出勤していても、病院全体になんとなく休暇の雰囲気が漂っています。

研修医だった頃、お盆期間中は暇な時間をみつけて、書かずにため込んでしまっていた退院サマリーを書いていました。

退院サマリーとは、患者さんが入院するに至った経緯や、入院中の治療経過、病状についての考察、退院後の治療方針などを記録したものです。
サマリーは退院後も外来通院が必要だったり、紹介元の医療機関に戻ったりする場合に、患者さんに関わっている他の医療者と情報共有するために役立てられます。

昔は今のようにカルテが電子化されていなかったので、複写製の用紙に手書きし、最終的に指導医にチェックしてもらわなければなりませんでした。

今ではパソコンでコピー&ペーストができますし、だいぶ楽になりましたし、もちろん、退院と同時にサマリーを作成する習慣もつきました。
けれども、若くて未熟者だった頃は、死亡退院された患者さんサマリーはついつい書くのが後回しになってしまっていました。

ですからお盆は、「亡くなった方が安心して成仏できるように・・・という思いで、溜め込んだサマリーをゼロにするための期間」でもありました。

8月13日は2年前に亡くなった幼なじみのMちゃんの誕生日でもあります。
今夜は心穏やかに、けれども楽しく、盆踊りに参加したいなと思っています。



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訃報に際して

2024年08月07日 | 教育
大学時代の恩師の訃報が届きました。

1年生の時に物理学を教えていただいたK教授です。
とても穏やかで優しい雰囲気の先生でした。

K先生はホルン吹きでもあり、オーケストラ部の顧問も担当してくださり、学生らと一緒に演奏されることも多かったので、とても思い出深いです。

高校3年のときに、理科は物理、化学、生物、地学から2科目を選択する必要があり、私はなかばカッコつけて物理学と化学を選択したのですが、大学受験に際してとても苦労し、選択を後悔したことを覚えています。

受験勉強を一生懸命やったせいかどうか、医学部1年の時の物理学のテストはいつも満点近い点数をとっていたので、オーケストラ部で先生と顔を合わせても、機嫌よくいられました(笑)


先生の訃報に際して、お名前を検索してみましたら、偶然、私が在学中の頃に先生が書かれた論文を見つけました。

医学生に対する物理学の教育について書かれた論文です。

先生が、医学生に対する物理学教育についてどんなふうに考えていらっしゃったかが垣間見え、自分の心に留めておきたい文章を以下に引用させていただきます。

「ライフサイエンスのための物理教育とは、法則それ自身よりも(中略)日常身辺の現象、医学・生物学における現象を俎上にのせ(中略)物理学をなじみ易いものにしそして生体に対する物理的なものの見方を会得させることに重点をおいた教育を意味する」

「良医は何でもこなせるだけの度量が広くなくてはいけない。だから、物理学もこなせなくてはならない」

「法則、公式、定理の説明は、学生がなるほどと思い納得のいく解説をすることが重要になってくる。おなじ説明でも、学生のレベルによってはなるほどと思ったり、思わなかったりするので、学生のレベルを計って彼らに適した説明を選ばなければならない」

「丸暗記をすればすむような知識だけを教え込む類のありきたりの無味乾燥な議義は学生も教師も後味の悪いものでこれはさけなければならない」

「議義内容は、学生にとってはすべてが初めてのことなので学生の感動と興奮を引き起す議義が望ましい」

「解けない問題、条件の足らない問題、不備な問題が提出されると学生はしばしば思考を停止する。しかし、このような態度では何も得られない。学生は自ら問題を修正し、発展させて積極的に取り組んでほしいのである。(中略)問題は無視することによっては解かれない」

K先生のご冥福を心からお祈りいたします。



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ミントの香りとベリーショート

2024年07月12日 | ヘルスリテラシー
今週末から夏季休暇に入ります。

休暇中、心がかりなのが、ベランダの植物たち。

できるかぎりの対策はしておくつもりですが、猛暑と水枯れのせいで、かなりダメージを受け、なかには枯れてしまうものもあるかもしれません。

元気よく育っていたミントの葉を思いきって刈り取りました。
もさもさとしていたのが、かなりスッキリとして、ベリーショートのスタイルに。

ミントは強いので、またすぐに伸びてくるとおもいます。

切ったミントを、職場に持ってきて水を入れたコップに活けておいたら、デスク周りが良い香りで包まれています。

ちょうど昨日ヘアスタイルをベリーショートにしたばかりですが、ミントの香りで頭の中までスッキリしています。

ミントは水に差しておくと、比較的容易に根が付きます。

毎日ゴミ集めをしてくれているおじさんに、ミントをお裾分けし、コップの水を時々追加してもらうように頼んでおきました。
ベランダの鉢植えも、持ってくればよかった・・・




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御守り

2024年07月08日 | 禁煙治療
御守り持っていますか?というキャッチコピーの広告を都内地下鉄の電車内で見つけました。
なにかと思ったら、外国人観光客向けのお役立ちスマホアプリでした。

新幹線や特急列車に乗るためには、普通乗車券と特急券が必要だというのは、外国人にとってはすごくわかりづらいらしいです。

新幹線用改札を出る時は、特急券だけが回収されて普通乗車券が戻ってきますが、乗りなれていない日本人でさえ戸惑うシステム。
それを、外国人観光客にすぐに理解してもらうのは無理ですね。

御守りと言えば、「ヒイラギにイワシの頭」。
昔は節分のときに軒先に飾る習慣がありました。

週末に美術館で面白い掛け軸を鑑賞しました。
ヒイラギに突き刺されたイワシの頭の臭いを鬼が嫌がるという説があるそうです。

以前、外来で処方したニコチンシールを使って禁煙に成功した患者さんが、「シールはイワシの頭みたいなもんさ!結局は、自分の意志さえ強ければ禁煙できるんだ!」と豪語していたのを思い出しました。

とにかくタバコを吸わずにいてもらうことが最も大切なことなので、私はあえて「禁煙がうまくいったのはニコチンシールと私の適切なアドバイスのおかげですよ」と言いたいのをぐっとがまんして、「禁煙できてよかったですね~!」とだけ言っておきました。








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選択肢の提示

2024年07月02日 | ヘルスリテラシー
定期健診などで異常が見つかり、医師から詳しい検査や、ある治療法をすすめられたとします。

その際、「選択肢はひとつのみ」ということは避けられなければいけません。
必ず、二つ以上の選択肢が提示されるべきです。

医療現場に限ったはなしではありません。

たとえ勧める側が「これ以外ありえない」「ぜったいお薦め!」と思っていたとしても、一刻を争う医療現場での超緊急事態のような場合をのぞけば、それ以外の選択肢もきちんと提示したうえで、それぞれの長所短所を比較しながら、提供する側と提供される側が協力的に話し合いをし、合意の上で最終決定をするというのが理想です。

医療現場ではそのような意思決定の仕方を「シェアード・ディシジョン・メイキング Shared Decision Making:SDM (共有/共同意思決定)」と言っています。

ここで大切なのは、「一緒に考える」ということです。
たとえ選択肢を複数提示していたとしても、一緒に考えようとはせず、「どれにするの?自分で決めてくれ!」というのは、不親切ですし、信頼に値しません。

ショッピングの際も、店員さんがSDMの方法で助言・対応してくれると、「良い買い物をしたなあ!」という気持ちになれるはずです。








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長時間フライト中の飲酒

2024年06月25日 | ヘルスリテラシー
前回の「長時間フライトの必需品」の話が好評だったので、また飛行機にまつわるお話を。

以前、欧州行きの飛行機に乗った時、元気なご高齢の女性と隣り合わせになったことがあります。

夫に先立たれて以来、一人でツアーに参加して旅行を楽しんでいるという彼女は、ストッキングで作ったバンドを、椅子のマガジン入れに引っ掛けて、フットレストに利用していました。
なるほど便利だなあと思いましたので、私も真似させてもらって、長時間フライトの準備品として携帯していたことがあります。

その方が、食事時間になると、何杯もお酒を注文して飲み干していて、ビックリさせられました。
「飲むとよく眠れるのよ」と、食事が終わるやいなや爆睡していました。


飛行機内でお酒を飲むと、普段よりも酔いやすいということを経験上ご存じの方は多いでしょう。
高度飛行中の機内は気圧が低いので、アルコールが血液内に移行しやすく、いっぽうで血液中の酸素濃度は低下しやすいので、心拍数が速くなり、酔いが早くまわるのです。

けれども、心拍数が速くなるということは、それだけ心臓に負担をかけることにもなります。

飲酒(ビール2缶やワイングラス2杯相当)をしてから、飛行機の機内気圧の環境で寝るという実験をしたところ、健常者でも動脈血中の酸素飽和度の低下と心拍数の増加が長時間(およそ200分間)認められたというドイツからの研究報告があります。

つまり、飛行機内で飲むお酒は、危険を伴うものであると認識したほうががよいということです。
心臓や肺の持病のある方は、病気を悪化させ、寝ている間に突然死なんていうこともありえます。

たとえ心臓疾患や肺疾患を正式に医師に診断されていなくても、ある程度年齢が高い方や、喫煙既往のある方などは、潜在的にそのような状態になっている可能性が高いので、フライト中にお酒を飲むのはやめておいたほうが無難でしょう。

せめてお酒は地上で楽しみましょう。










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長時間フライトの必需品

2024年06月20日 | ヘルスリテラシー
コロナウィルスやインフルエンザウィルスによる感染者はいなくなったわけではありませんし、いわゆる夏風邪ウィルスによる感染症に気を付けなければいけませんし、人食いバクテリアなどと呼ばれる連鎖球菌感染症などはニュースにもなっています。

基本的には手洗いやうがいを日常習慣にし、日頃から寝不足を防ぎ、しっかりと栄養を摂り、暑さ対策、冷えすぎ対策などの温度変化への対応をめんどくさがらずににきちんと行うなどして、自分の体調管理をすれば予防できます。

パンデミック後、円安の影響もあり、たくさんの海外からの観光客が来日していますね。

夏休みは久しぶりに海外旅行をしようと計画している方も多いかもしれませんね。

飛行機の中は、サハラ砂漠並みに空気が乾燥しています。
のどや鼻の粘膜は、乾燥すると、ウィルスなどの外敵からの防御力が格段に落ちてしまいますから、注意が必要です。

のどを守るには、マスクが有効です。

ワクチン接種が行われる前のデータではありますが、マスクをしない場合、飛行機に乗っている時間が長いほど、コロナ感染率が高くなっていたという研究報告もあります。
これからも、飛行機に乗るときは、マスクをしていたほうが安心ですね。
ノドを冷やさないように、バンダナやスカーフも鞄に入れておくことを忘れずに。


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いしゃのきもち

2024年06月12日 | ヘルスリテラシー
バラは通常、接ぎ木で増やすらしいですが、挿し木も不可能ではないと何かで読んだことがあります。

いただいたバラの切り花を、試しに花が終わった後、元気な葉だけを残して先を切り、花瓶で育ててみました。

するとやがて、水につけた切り口のところがモコモコと膨らんできて、根が生えそうな気配が!
初根促進剤といった薬剤もあるらしいのですが、特に使っていません。

新芽が伸びてきた頃には、ちょびちょびと根も生えてきたので、期待を込めて土に植えてみました。

植えてからおよそ10日。

もともとの濃い緑の葉っぱは枯れ落ちてしまい、新芽も元気がなくなってきてしまいました。
時期尚早だったのでしょうか?


赤ちゃんのような根っこでは、土の中でまだ水分を吸い上げる力が弱いのかもしれないと思い、若干土は水浸し状態にし、暑さにもまだ弱いと思うので、日陰で管理もしていました。

植え付ける時に虫よけや肥料を土に混ぜましたが、生卵の殻をすぐにゴミ箱には捨てずに、お守りのように根元に置いてみたりもしていますが・・・


このところの私の心理状態は、非常にシビアな状況の重症患者を受け持っているときみたいな感じです。

時間単位で細かく血圧や脈拍、尿量などをチェックしながら、厳重に輸液や人工呼吸器などの管理をしなければいけないような状態の患者さんの治療は、非常に集中力と緊張を強いられます。

しかも治療の見通しがあまり明るくないともなれば、不安そうな様子のご家族を前に「いまだ予断を許さない状態です。最善を尽くしていますが、覚悟しておいたほうがいいかもしれません」といった説明をしなければならず、主治医はかなりの心理的ストレスを抱えることになります。

でも最もつらいのは患者さん本人ですし、逃げ出すわけにはいかないので、医療者は毎日必死で患者さんの治療にあたります。


今の職場では直接患者を受け持たない立場にありますが、昔何度も味わったそんなときのきもちを、弱っていくバラを見て久々に思い出し、心がざわざわしている今日この頃です。


そもそも、バラの切り花を根付かせようというのが無理な話で、失敗して当たり前!
そんなふうに考えることができれば、これほどストレスを感じなくていいのだろうと思いますが、そこは性格なんですねえ・・・

まあ、とにかくバラちゃんには、もう少しがんばってもらいたいので、毎日声をかけて元気づけています。

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