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パラメディカルのための解剖学メモ

レオナルド・ダ・ヴィンチの解剖図

2006-01-28 | 美術と解剖学
レオナルド・ダ・ヴィンチは、イタリア・ルネサンスの万能の天才。彼が多くの解剖図を描き医学的にも非常に優れていた事も充分認められている。最も有名な図がこれであろう。この顔は当時の自分自身に似せているとも言われている。

さて、これが何を表わしているのか?
元々の出典は紀元前1世紀のギリシャのVitruviusによる『建築論』第3章第1節の人体比例の部分を参考にして描かれたものである。

人体は、自然によって次のように作られている。
「顔については、顎から額の上端すなわち髪の生え際までの長さは身長の 1/10、
また手首から中指の先までの開いた手の長さと同じである。
頭については、顎から頭のてっぺんまでの長さが身長の 1/8
 首と肩の胸の上から額の上端までが 1/6
 胸の中央から額の上端までが 1/4
脚の長さは、身長の 1/6
胸の幅は、身長の 1/4
他の部分もそれぞれの比例がある。
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また、人体の中心は臍である。
両手両足を伸ばし仰向けに寝転び、コンパスで臍を中心に円を描くと、両手両足の先端がその円に内接する。
同様に四方形も描ける。
足の裏から頭のてっぺんまでの長さは、両手を広げた長さと同じで、完全な正方形ができるのである。-----」

以上のような事をダ・ヴィンチは図示して見せたのである。
(ただし、内臓に関しては古代ギリシャのガレノス流で、実際に解剖したとはとても言えない図が残されている。悪しからず~)