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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

燃料噴射インジェクターからの噴射膜の流れ解析

2018年02月08日 | 液体ロケット流体システム設計

燃料噴射インジェクターからの噴射膜の流れ解析を自由表面流れ解析計算で行ってみました。

ノズルスリット部から旋回を与えて噴射された燃料は膜を形成しながら燃焼器空間へ投入されます。

これは、ロケットエンジンの燃焼器への燃料噴射ピントル型インジェクターの噴射状態解析につながる解析例です。

<今日の流れ>

今日の作業は、開発設計結果のデータをまとめる作業が中心となりそうです。

<今日のロケットターボポンプ設計計算>

昨日は、推力5トンロケットエンジンに使うターボポンプの液体酸素ポンプと灯油ポンプの毎分の体積流量が計算で出ましたので、今日はそれらポンプが出す必要のある圧力=揚程(ヘッド)を計算してみたいと思います。

この推力5トンロケットエンジンの燃焼室に必要な圧力は、これまでに6.85MPaとして燃焼温度や噴射速度を決めていますので、ポンプから燃焼室に供給する場合のポンプ吐出圧力は、燃焼室までの配管損失圧とインジェクターでのノズル損失圧を含めて7MPaとして計算します。

この7MPaというポンプ必要吐出圧は、もし水を揚程する場合のm水ヘッドに換算するなら約700mを揚程出来る圧力となります。

水ではない液体酸素の場合は比重が水より少し重く異なるので、その吐出圧7MPaは、mヘッドに換算すると約614mぐらいです。

灯油の場合に吐出圧をmヘッドに換算すると約875mとなり、つまり水より密度が低いとmヘッドは水より大きい値となります。

以上までで、液体酸素ポンプと灯油ポンプの設計仕様の一番重要値である、ポンプ設計ヘッドmと、ポンプ体積流量m^3/分 が求まりました。

明日は、これらポンプの最適な回転数を決める計算に入ります。

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