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流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

4連ロケットエンジン設計事例

2020年12月05日 | 宇宙航空産業機械

4連ロケットエンジンの設計事例です。

タービン駆動ターボポンプによって液体酸素と液体灯油燃料を5MPa以上に加圧してロケットエンジン燃焼室に供給し、高温の燃焼ガスを生成して秒速2000m以上の高速でノズルから噴射する型式の液体ロケットエンジン推力6トンを4基並べた、合計推力24トンのロケット推進装置になります。

次図の右側にある灯油の燃料タンクからは4本の配管にてターボポンプ燃料入口のオンオフ入口弁に灯油燃料が供給されます。

液体酸素は燃料タンクの更に右側にあり液体酸素供給配管は液体燃料タンクを突き抜けて配管されて、更にそれから4本に分岐した配管でターボポンプ液体酸素入口弁に供給されます。

液体燃料と液体酸素の両方が、ガスタービンで駆動される毎分1万回転以上の遠心ターボポンプによって圧力を高圧とされて、液体酸素は直接に燃焼室ノズルに供給され、液体燃料はエンジンスカート部の再生冷却用燃料入口から冷却層隙間を通ってエンジン内壁を冷却しながら熱エンタルピーエネルギーを加えた状態で燃焼室のノズルに供給されます。

高圧の液体酸素と液体燃料の一部は、ターボポンプガスタービン用の燃焼室で少し低温の燃焼ガスとなって軸流圧力複式タービンを回転させてポンプの駆動力を発生します。

ガスタービンを駆動させた燃焼ガスの排気は、そのまま大気中に排気されるガス発生器方式の液体ロケットエンジンです。

次図のように各ロケットエンジンにはそれの上部にある、なるべく軽量に設計した推力受け架台にて強烈な推力を受け止めてロケット構造部全体を押すことになります。

ロケットノズルからの噴射ガスの方向は調整される必要があるので、推力受け台のところにはジンバル機構という自在に2軸方向に回転できる機構が有り、その機構をサーボシリンダーが押すことで噴射方向の調整を行うことが出来ます。

このようなターボポンプ方式の液体ロケットエンジンを4台を接近して配置すると、各機器と配管が複雑に絡み合ったように見えて、非常にメカメカしい機械となっています。

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