流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

ラジアルガスタービン羽根の耐熱鋼素材5軸加工完成状態

2020年12月06日 | 流体機械設計

設計したラジアルガスタービン羽根の耐熱鋼素材からの5軸加工による完成状態写真です。

ラジアルガスタービン羽根の直径は60mm程度の大変に小型のガスタービンランナになります。

このタービンランナの設計回転数は毎分8万回転となり、流入ガスの最高温度は900℃、そして設計出力は20KW程度です。

耐熱鋼からの削り出しにて加工を行うことから、普通鋼に比べて耐熱鋼の削り難さにて加工時間は長くかかり、ブレード加工表面にもわずかに切削痕が見られますが、流体形状の加工精度は非常に高くなります。

このようなラジアルガスタービン羽根をロストワックス鋳造などで製作することに比べれば、耐熱鋼からの5軸加工削り出しは大変に完成までの時間が短くなり、性能実験を行う試作機での製作方法としては最適です。

上の写真は、加工完成したラジアルガスタービン羽根を動バランス調整用の仮の軸に取り付けている状態です。

毎分8万回転という高速にて回転させるタービン羽根ではアンバランスによる振動を避けるために、バランシングマシンによるバランス調整作業は必須となります。

動バランス調整を行っていれば、回転部固有振動数による1次危険速度も解析計算値に近いものとなり、共振破壊を防ぐことが出来ます。

この記事についてブログを書く
« 4連ロケットエンジン設計事例 | トップ | ロボ掃除機の構想設計図 »