
山に囲まれた田舎の街でくらす春日君は、
ボードレールの「悪の華」を愛読することで、「自分はまわりのやつらとは違うんだ」という思いを抱いている。
ある日、放課後の誰もいない教室で、クラスのマドンナである佐伯さんの体操服が落ちているのを見つけ、抱きしめ思わずその匂いをかいでしまう。
物音にあわて、体操服をカバンに入れて持って帰ってしまう春日君。
その一部始終をみていたのが、クラスで問題児とされている女子、仲村さん。
まわりの人たちを「クソムシ」と罵り、いつも不機嫌でクラスで浮いた存在の仲村さんと、優等生でお嬢さん育ちの佐伯さん。
それぞれがアイデンティティの空白に悩み、ゆれる、あれる。
なんだかわからないけれど、まわりのいろんなことに腹が立ったり。
自分だけは、まわりのやつらとはちがうんだ!という思い込みとか。
そのぐちゃぐちゃでちぐはぐで。でも真剣で。
思春期特有の、いわゆる中二病な感じがとってもうまく描けている作品だと思った。
個人的には、仲村さんと春日君と関わることで、アイデンティティの空白に気づいてゆく佐伯さんが好きかな。
この映画、原作を知らずに観たら、
なんと、押見修造さんのマンガが原作だった。
押見修造といえば、少し前に読んで衝撃を受けた『血の轍』の人やん!!
そうか、そうなのか。
どうやら私は、押見修造さんの世界が好きらしい。
さっそく、他の作品も読むとしよう。
ふふふ、こういうのを見つけた時が、たまらんのよねぇ。ちっちゃな幸せ♡