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樹林伸著〖ドクター・ホワイト〗感想。素肌に白衣の少女は現代のカスパー・ハウザーか?

樹林伸著〖ドクター・ホワイト〗あらすじ・ネタバレ感想。
濃霧の中から現れた素肌に白衣をまとっただけの少女。
彼女は現代のカスパー・ハウザーなのか?
白夜という名前以外何も分からない身元不明の少女は、どこかで監禁されていたらしく一般常識が著しく欠けている。
一方で医者も舌を巻くほどの医学知識があり天才的な診断能力を持ち……。


〖ドクター・ホワイト〗 

樹林伸 〖ドクター・ホワイト〗 本
著者:樹林 伸
発行:株式会社KADOKAWA
装画:遠田志保
装幀:大原由衣

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〖ドクター・ホワイト〗あらすじ・ネタバレ感想


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〖ドクター・ホワイト〗登場人物 

●白夜(びゃくや)→雪村白夜
 濃霧の中から現れた素性不明の少女
 将貴の母方の姓・雪村を名乗ることに
 高森総合病院でDCTのメンバーになる

●狩岡将貴(かりおか・まさき)
 東都新聞出版部の編集者で33歳
 霧がたちこめる公園で白夜を見つける
 白夜の身元引受人になり妹と3人で暮らす

●狩岡晴汝(かりおか・はるな)
 将貴の妹で大学の看護学部2年生
 脳の病で2年近く休学中、ほぼ家に居る

●高森麻里亜(たかもり・まりあ)
 将貴とは中学時代からの付き合い
 高森総合病院で内科部長を務める
 DCTの責任者
●高森 巌(たかもり・いわお)
 高森総合病院の院長で麻里亜の父
 1年ほど前から入退院を繰り返している
 DCTを立ち上げる
●高森静江(たかもり・しずえ)
 麻里亜の母親で天才的な診断医だった
 2年前に亡くなる
 死後、病院で誤診が増え経営難に陥った
●高森勇気(たかもり・ゆうき)
 麻里亜の兄だが4年前に失踪した
 白夜に関わりがある?

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●西島耕助(にしじま・こうすけ)
 高森総合病院の精神科の医師
 DCTメンバー
●仙道直樹(せんどう・なおき)
 高森総合病院の20代の脳神経外科医
 DCTメンバー
●夏樹拓美(なつき・たくみ)
 3つの病院を渡り歩いていた
 現在は高森総合病院の皮膚科担当医
 茶髪にピアスの遊び人で32歳
 DCTのメンバー

●真壁 仁(まかべ・ひとし)
 高森総合病院の副院長
 病院を建て直す為JMAと手を組む
 それゆえDCTを潰したい

●藤田真一(ふじた・しんいち)
 高森総合病院の外科部長

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●槙村宗一郎(まきむら・そういちろう)
 高森巌が頼りにしている医者
 港医大付属病院の内科部長

●三田村豪徳(みたむら・たけのり)
 将貴の上司で編集長

●奥村淳平(おくむら・じゅんぺい)
 将貴の大学時代の友人で所轄刑事
 白夜の白衣に仕込まれたGPSを調べる

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●藤島大器(ふじしま・だいき)
 ファンドグループJMA代表で30代
 病院建て直しに真壁が手を組んだ
 医療チームを連れ高森総合病院に乗り込む
●神足学人(こうたり・がくと)
 JMAの医者
 DCTの夏樹とは大学の同期だった
●不破 尊(ふわ・たける)
 JMAのリーダー
●倉田真奈美(くらた・まなみ)
 アメリカでとび級を繰り返す
 19歳でワシントンメディカルセンター卒業
 JMAのメンバー

※患者は端折りました

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〖ドクター・ホワイト〗あらすじ 

狩岡将貴はフェイスブックで週3日のランニングを宣言した手前、二日酔いながら朝早くに走りに出掛ける。
その日は深く濃い霧が辺りを包んでいた。
公園で一休みしていると霧の中からぼんやりと人影が浮かび、それは将貴の方へ向かって来る。
裸足であり、しかも白衣のほか何も身につけていない少女のようだ。
もしや暴行されたのではと考え、どう声をかけるべきか考えあぐねていると少女が崩れるように倒れた。


本当なら警察を呼ぶべきだが、将貴は中1の頃から付き合いがある医者・高森麻里亜を頼ることにし、少女を高森総合病院へ運ぶ。
病院で目覚めた少女は何を聞いても答えず、ただ病室を観察するような目つきで見回している。
将貴も話を聞こうとするが、少女はそっぱを向いたままだ。
仕方なく名刺を渡そうと、少女の前に身を乗り出して顔を近づけた。
「ヘリコバクター・ピロリ」
と、少女がはじめて言葉を発した。


少女はそれからヘリコバクター・ピロリに関して話し出したが、個人的な質問にはやはり答えようとしない。
それでも名前を知ることができた。
白夜と名乗った少女は一般常識が極めて乏しかったが、医学に関する知識は本物の医者以上だった。
将貴は白夜を現代のカスパー・ハウザーだと考え始める。


白夜は、将貴の親戚・雪村白夜として狩岡家で将貴の妹・晴汝と3人で住むことになる。
家に着き車を降りた白夜は靴を脱ぎ捨て、裸足になって庭へ駆けて行く。
白夜から彼女がいつも着ている白衣を汚れるからと預かった将貴は、白衣にGPSが縫い込まれていることに気づく。
将貴の妹・晴汝は脳に爆弾を抱え、この2年ほど大学を休学していた。
家に入るとその晴汝が立てなくなっている。
血の気が引いた将貴は慌てて晴汝と白夜を連れ、高森総合病院へ向かう。
高森総合病院では、晴汝の手術しようとするのだが白夜は誤診を指摘する。


白夜の話を聞いた高森巌院長は、ずっと考えていた『診断協議チーム』を発足させ、白夜をその一員として加わるよう誘う。
白夜は快諾し、将貴は白夜の後見人も兼ねてチームを取材する許可をもらう。
戸惑う麻里亜をよそに話はとんとん拍子に進み、高森総合病院には診断協議チーム【DCT】が発足する。
だが、副院長の真壁仁は病院再建の為、あるファンドと手を組み……。

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〖ドクター・ホワイト〗ネタバレ感想 

物語の肝は、医者にとって最も重要なのは“診断能力”だということだろう。
いくら手術の腕が良くても、そもそも謝った診断をしていたら話にならない。
高森総合病院が経営難に陥ったのも、天才的な診断医だった高森静江が亡くなり誤診が増えた為だ。
マスコミに叩かれた病院を患者は避ける。


さて、将貴は白夜を現代のカスパー・ハウザーだと考える。
カスパー・ハウザーとは、謎に包まれたまま暗殺されたドイツの孤児だ。
発見時、2通の手紙を持っており、それによると誕生日は1812年4月30日だとされているが本当のところは不明だ。
なんせ本人がろくに喋れもしない為、手紙の通りならば16歳だろうとされた。
そのカスパーはどうやら地下牢のような所でずっと監禁されていたらしく、鏡像を掴もうとするなど世間一般の常識が身についていなかった。


白夜もカスパーらしく、靴を履くより裸足を好み、女性としての羞恥心が乏しい。
初っ端に将貴とは裸に白衣一枚まとった姿で対面しているが、将貴に見られたことを思い出して恥ずかしがる様子はない。
一応、裸でいてはいけないくらいの教育はされたのか、狩岡家では衣服を身につけているが感覚的にはほぼ5歳児だ。
当然、人をいたわるとか空気を読むとかできようはずもなく、初対面の高森巌に向かって癌で先が無いことを口にする。
あまりにあっさり死ぬと言われるときょとんとするしかない。


カスパー・ハウザーは、過去の自分の話をするようになるが結局暗殺される。
それゆえ多くのことは分かっていない。
白夜も放っておけば殺されそうになった為、勇気が連れ出した。
白夜はDCTのメンバーとして大活躍だが、あまり活躍しすぎると将貴や晴汝、白夜に関わっている人達のことをかぎつけられ狙われそうだ。


それにしても、思いもよらない病気が出てきて勉強になったな。
テレビでピロリ菌という言葉は聞いたことがあるし、LG21を胃に良いと思ってしばしば食べたりしている。
ヘリコバクター・ピロリ…思った以上に厄介なものだった。


そして、狂犬病……。
コロナのせいで感染症に敏感になったし、予防知識も増えた。
エボラ出血熱なんてザイール型ならば致死率90%という恐ろしさだ。
でも、狂犬病が発症すると100%助からないとは知らなかった。
〖ドクター・ホワイト〗の中でも、一般人は狂犬病が助からないことを知らない人の方が多いと書かれているが、私もそんなに絶望的な病だと思いもしなかった。


小説の中ではコウモリが狂犬病の原因になっていた。
そう言えばコロナウイルスもコウモリだ。
うっかりコウモリの住処になんぞ近づくことはないだろうが、海外旅行に行った際はコウモリが近くにいるかもしれない。
クワバラクワバラ(((゜Д゜;)))

以上、〖ドクター・ホワイト〗感想でした。

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ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

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