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『御子柴くんの甘味と捜査』あらすじ・感想!長野スイーツがそそる

若竹七海著『御子柴くんの甘味と捜査』あらすじ・ネタバレ感想。
小説『プレゼント』に登場した御子柴くんが主人公の極上ミステリと長野県の魅力的なスイーツにそそられる。


『御子柴くんの甘味と捜査』

著者:若竹七海
発行:中央公論新社(中公文庫)
信州りんごチップスの画像 tataraworks
※信州りんごチップス



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『御子柴くんの甘味と捜査』あらすじ・ネタバレ感想




『御子柴くんの甘味と捜査』登場人物 

●御子柴 将(みこしば・すすむ)
 東京生まれの東京育ち、実家は調布市
 大学で山岳部に所属し山にハマる
 警察で山岳救助を目指す
 長野県警の試験に合格
 膝を痛めたため刑事になる
 長野県警から警視庁捜査共助課へ出向中

●玉森 剛(たまもり・つよし)
 警視庁捜査一課主任であだ名は「モヤシ」
 かなりの甘党
 御子柴のことを「長野」と呼ぶ

●竹花一樹(たけはな・かずき)
 御子柴の一つ下で巡査部長
 本格的に居合い術を学んでいる
 時代小説の愛読者
 捜査共助課の出向者をお留守居役と呼ぶ

●小林警部補
 御子柴の元上司
 御子柴から電話で事件の詳細を聞く
 「なーんか変なこと思いついちゃった」



『御子柴くんの甘味と捜査』のあらすじ 

犯罪者に警察の管轄など関係ない。
日々、いろいろな県の出身者がいろいろな場所で犯罪を犯し、それはだいたい東京をかすっている。
その為、警視庁内の[捜査共助課]には、地方の県警本部から連絡調整役の捜査官が派遣され常駐しているのだ。


御子柴将は長野県警から出向している。
東京生まれの東京育ちだが、大学の山岳部で山にハマり、山岳救助隊を目指して長野県警を受けたら合格した。
しかし、膝を怪我した為に山岳救助隊を諦め刑事になった。
所轄の捜査員として働き、30を過ぎてそろそろ見合いでも、と思っていた矢先、署長に呼ばれ東京行きを打診された。
てっきり出張だと思った御子柴は快諾。
数日後、県警本部から警視庁捜査共助課へ出向の辞令を受けた。


御子柴の仕事は、長野県と東京都に関わる調整だ。
ただでさえ面倒なのだが、さらに面倒なのが顔も見たことがないお偉いさんから、東京でしか買えない物を送れと指示されることだ。
反対に東京の人から長野県のスイーツなどをねだられることもしばしば。
相手がお偉いさんでは、捜査で忙しくそんな物を買う暇はない、とも言えない。
御子柴は捜査をしつつもお偉い方々のご希望に添うよう、調布に住む親に小遣いを渡してスイーツを買ってきてもらうのだ。

◆続編『御子柴くんと遠距離バディ』はこちら



『御子柴くんの甘味と捜査』ネタバレ感想 

東京での御子柴の上司・玉森は「モヤシ」とあだ名が付くほど細っこい。
だが、このオッサン、尋常ではない甘党で、72時間の張り込み中に38個のあんパンを食べたと伝説になっている。
御子柴との張り込み中もジャムだけを何瓶も食べている。
他にも御子柴が捜査で長野、東京を行ったり来たりしてヘトヘトになりながらも手に入れたお土産を全部食べてしまうわ、山狩り中にあんドーナツを何袋も食べるわ。
読んでいるだけで、もう二度とジャムもあんドーナツも見たくない気分になる。


玉森は少々ウザイ性格をしている。
御子柴のことをちょっと馬鹿にしているのかなと思えるような、あえての「長野」呼びは苛つくけれど、どこか憎めない。
御子柴が原古という組対の室長の闇に迫り逆に痛めつけられそうになった時、かばってくれたのは玉森だ。
一番見放しそうな雰囲気なのに、ちゃんと上司として頼りになる人だった。


刑事ドラマが大好きな私だが、[捜査共助課]という部署がメインで取り上げられているのを見たことがない。
御子柴を通して大変な仕事だな、と思った。
あっちを立てればこっちが立たず、みたいなことにならないように調整しなければならない。
コミュニケーション力、調整力、だんどり力、交渉力など人間関係におけるスキルが必要で、凄く気を遣う仕事だと思う。
御子柴は政治は苦手だと言いつつ頑張るけれど、長野県警では「頼むと東京のお菓子とか送ってくれる御子柴さん」として名が知られている。
あんまり苦労を分かってもらえず、お土産を買う人としか思われていないところが残念すぎる。


『御子柴くんの甘味と捜査』に登場する犯人達もかなり個性的だ。
重婚しまくっている奴とか、取り押さえたらスッポンポンだったりで笑える。
そんな滑稽さとは反対に、犯罪そのものはわりとエグい。
1話目【哀愁のくるみ餅事件】では、ニートの息子2人が、出て行った父親を探して殺そうと計画する。
親に寄生して感謝もせず、殺してお金だけ奪おうと考える身勝手な子供達。
親殺しを実行する為に外出しても、働く為に外に出ようとは考えないその性根。
本当に嫌だ!


『御子柴くんの甘味と捜査』は5話で構成されている。

 【哀愁のくるみ餅事件】
 【根こそぎの酒饅頭事件】
 【不審なプリン事件】
 【忘れじの信州味噌ピッツァ事件】
 【謀略のあめせんべい事件】

各話に信州のおいしいお菓子が出てくる。
とは言え、スイーツがきっかけで事件が起きたりもしなければ、スイーツのおかげで事件が解決できたりもしない。
ただ、長野県のお土産と言えば「りんごパイ」くらいしかすぐには思い浮かべることができなかった私は、作中紹介される数々のお菓子を全部食べたくなった。
あまり長野県のことを知らなかったけれど、もの凄くお菓子につられた。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

コメント一覧

tataraworks-lynx50
ヌマンタ様、コメントありがとうございます。
コロンボ、もっさりしたオジサンなのに頭はキレッキレに冴えてる所が面白いですよね。
ちなみに私にとっての敵は政治家ですかね┐(´д`;)┌
ヌマンタ
私はミステリー好きなのですが、子供の頃警察を敵だと思って育ったので、警察ドラマはちょっと苦手。でも、何故か海外の警察ものは案外と好き。MPはちょっと・・・ダメですが、多分に刑事コロンボの影響はありますね。

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