『彼女たちのアボリジナルアート オーストラリア現代美術』アーティゾン美術館 2025.7.3 2025.6.24[TUE]―9.21[SUN]
歯科受診後に、美術館に寄るのが楽しみになっている。現代美術館の展示に興味があるが、現美は駅から結構歩く。この暑さではつらいということで、地下通路で直前まで行くことができる、アーティゾン美術館に決定。
今回はアボリジナルアート。複数の女性アボリジナル作家に焦点を当てた日本初の企画展。―アボリジナルアートに脈々と流れる伝統文化の息遣い、イギリスの植民地時代を経ての脱植民地化の実践、それらがいかに創造性と交叉して、複層的で多面的な現代のアボリジナルアートを形成しているかを考察。―
今回は7名と一組の女性作家の作品で作品数も多い。会場に入ると、マラウィリィの作品。部族の図像は男性だけしか使えないものだったが、マラウィリィは夫から許可を得て、作品に生かすことができたと。とても素敵な作品だが、このコーナーは撮影不可で残念。他は撮影可。
ジュディ・ワトソンの『記憶の深淵』の青が印象的。イングワリィの60過ぎから始めたというバチックがきれい。78歳ごろから絵画制作を始めたと。床にキャンバスを置き、座って絵を描いておられる。他の作家の方もだが、点や線に文化的な意味がある。
イワニ・スケースのガラス作品。外から見るのと、コーナーに入って見るのでは色が違う。核実験によるガラスの結晶化の影響を作品にしているとのこと。
いろんな素材を使った作品、石炭、ボッサムスキンなどなど。映像作品も楽しい。アートとしての魅力に、どの作家の作品にも、政治的、文化的な意味が色濃く込められている。
並行して、『石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト』が開催されている。見慣れた作品群に今回は桑山忠明氏の作品が新所蔵。印象的な赤。ザオ・ウーキーの一室あり。ザオ・ウーキーの青はいつ見ても好きだなあと思う。