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20代にしてウイスキーにハマってしまった筆者によるブログ。
Twitter:@Ruud_whisky

グレーンウイスキーの効用

2017-07-16 21:33:40 | Whisky Comparison

その昔、日本では(某社を中心に)グレーンはモルトの「薄め液」
という認識がありました。

果たしてグレーンがブレンデッドを構成する上で
どんな存在なのか、検証してみます。

我が家にはサントリーの知多、ニッカのカフェグレーンと
両ブランドの代表的なグレーンがありますので、
それぞれ山崎12年、竹鶴17年を1:2でブレンド。
同じモルトをエタノールの水割り(43%)とブレンドし
味の比較をしてみます。

エタノールはAmazonで買って、純水で約1:2で割っています



まずは山崎×知多と山崎×エタノールの比較。

知多ブレンドは知多らしい花の香りに山崎のシェリーが濃密。
芳醇な甘やかさが、程よくオイリーな口当たりと相まって
余韻まで非常に伸びやかで、風味が長続きしています。
加水すると一気にバニラ香とシェリーが主張。
風味から余韻までが少し前傾し、微かに渋みが顔を出す。

エタノール側は山崎のシェリーがしっかり残る。
山崎の強い風味もあってアルコール臭さはなく、
りんごのような酸味を伴った軽快さ、鋭さを伴っています。
こちらは加水すると増幅というより減衰。
まさに水割りしたように、いきなり香りが薄れる。
風味にエグ味が出てしまい、全体的に平たい味わいに。

加水前は一長一短でしたが、加水すると一気に差がつきました。

続いてニッカをいただきます。
強烈な香味。樽の香りと果実香。
カフェグレーンのガッツリした甘みが濃厚な竹鶴の深みと相まって、
重層感を織り成してくれています。
華やかでパワフルなフルボディながら、息を抜く時の穏やかな余韻。
竹鶴の良さをさらに増幅させるようなグレーンの香味ですね。
加水すると無花果のような深みのある果実が顔を出し、
一方モルトを柔らかく感じられ、綺麗なまとまりに。

一方のエタノールブレンド。
ウッディな樽香や深い果実香が全面に表れますが、
グレーンとのブレンドのような強烈さはないですね。
口に含むと甘みが前に出ますが、グレーンと比較すると単純。
余韻は潔いですが、グレーンとのブレンドが、やはり平坦。
加水すると山崎のとき以上につまらないブレンドに。
というかエグさが全てに先行してしまい、正直モルトの無駄に。

昔のジャパニーズウイスキーはこんな感じだったのでしょうか?
ならば今の時代のお酒を楽しめる我々は幸せ者ですね。
モルトを活かすグレーンの存在はやはり必要不可欠ですね。
次回はグレーンの銘柄毎での風味の違いがブレンドにどの程度
影響するのか検証してみたいですね。

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