《善意は悪意を凌駕する》 此れだけは言い残しておきたい 〜桐島 絶対権力は絶対腐敗するってよ〜

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北海道新聞 社説 2020年5月2日 検察官定年延長 審議は論外 即刻撤回を

2020-05-10 19:13:19 | 日記


 新型コロナウィルス対策に全力を注ぐべき時に、検察
の独立性を揺るがす法案を国会で審議するなど論外だ。
 検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる検察庁
法改正案が先月、審議入りした。
 63歳以上の検察官は高検検事長や地検検事正など
幹部ポストに就けないとする「役職定年制」を設けた一方
内閣が判断すれば役職を延長できる規定を盛り込んだ。
 まさしく時の政権が検察人事に介入できる法案である。
そもそも政府は立法すべき具体的事実を示していない。
1月に閣議決定した黒川弘務東京高検検事長の定年延長を
後付けで正当化するものではないのか。
 検事長の定年延長は例がなく、安倍晋三政権が首相官邸
に近い黒川氏を検事総長に就かせるための布石との疑念は
なお拭えない。
 コロナ禍に乗じて成立させることは許されない。政府が
撤回するか、国会で廃案にするべきだ。
 検察の捜査は、嫌疑があれば首相ら政権中枢にも及ぶ。
そのため政治からの独立性が欠かせない。
 だからこそ、これまでは一般法の国家公務員法とは別に、
特別法の検察庁法で検察官の定年などを定め、裁判官に
近い独立した身分保障がなされてきた。
 改正案はそうしたこれまでの法の趣旨を根底から覆すものだ。
 人事院は従来、国家公務員法の定年延長規定は検察官
には適用されていないとの見解を示してきたが、黒川氏の
定年延長は突如、国家公務員法を適用して決まった。
 政府は矛盾を指摘されると、事後的に法の解釈変更を発表
した。森雅子法相の答弁は二転三転し、解釈変更で適用対象
を変えることを当然視する認識まで示した。
 これでも法治国家と言えるのか。安倍政権は集団的自衛
権を巡る憲法解釈を変更したことをはじめ、法の恣意(しい)
的解釈が目に余る。
 検察庁法改正案は、国家公務員の定年を60歳から65歳
に延長する国家公務員法改正案と一緒に、まとめて国会に
提出された。
 民間企業での定年延長はまだ2割程度だ。法案では60歳
超の公務員給与をそれ以前の7割としたが、大半の企業は退職
後に給与を大幅に引き下げ、再雇用している。
 コロナ禍で雇用を維持するだけで精いっぱいの企業も多い。
 公務員優遇の批判は免れまい。
 少子高齢化で人材難の中、高齢者の労働環境整備は大事だ。
しかし検察官の定年延長と抱き合わせで拙速にやるべきもので
はない。

馬鹿が火事場泥棒おっ始めてる 検察官定年延長法案

2020-05-10 18:54:47 | 日記
少し前の信濃毎日新聞社説

内閣と検察 人事介入の余地をなくせ

検察庁法改定案の審議が国会で始まった。

 安倍晋三政権は、一般の国家公務員の定年を65歳に引き上げる改正案と併せ提出した。検察官の定年も、現行の63歳から65歳に改める。

 問題は、次長検事や検事長らは63歳で役職を解くと定める一方、内閣の判断で延長、再延長できるとも規定したことだ。恣意(しい)的な人事介入の余地が残る。

 不要不急だ、コロナ禍で十分に議論できない―との声が上がる。時間うんぬんの前に、国会に諮る土台が整っていない。

 検察官の定年問題が浮上したのは1月末だった。安倍政権は、国家公務員法(国公法)の条文を適用し、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を閣議で決めた。次の検事総長に据える思惑があったとみられている。

 検察官は起訴権限を持ち、政治家の不正も捜査する。政府は特殊な職責を考慮し、独立性を保つ観点からも、検察官の任免は国公法の影響を受けない、との法解釈を堅持してきた。

 野党から閣議決定の違法性を追及されると、首相は「法解釈を変更した」と強弁した。

 必要な手続きを踏んだのか。その後、森雅子法相や人事院幹部は国会答弁を撤回、修正している。法務省は根拠となる資料を明示しないまま、口頭で手続きの正当性を主張した。迷走ぶりを見る限り極めて疑わしい。

 昨年秋にまとまった検察庁法改定原案に、定年を引き上げる条文はなかった。12月以降、急きょ加えられた。黒川氏の定年延長が検討された時期と重なる。野党議員が「つじつま合わせだ」と批判するのも無理はない。

 安倍政権は森友・加計問題、桜を見る会、カジノ汚職、元閣僚の公選法違反容疑など数々の疑惑にまみれながら、説明責任を果たそうとしない。首相は「政治的な意図を持って(検察)人事に介入することはあり得ない」と反論するが、信頼できない。

 定年延長が明記された今回の改定案が成立すれば、法解釈を巡る争点はなくなる。それが狙いではないか。成立前に従来の法解釈を変えた違法性は拭えない。

 一般の国家公務員とともに、検察官が65歳まで働けるようにする議論はあっていい。まず、黒川氏の定年延長と独断による法解釈変更を取り消し、改めて是非を国会に問うのが筋だろう。

 内閣が検察上層部の処遇を左右する規定を削除しなければならないのは、言うまでもない。

(4月20日)