汐留ミュージアムの「ルオーとフォーブの陶芸家たち展」を初日に観てきた。・・(作品画像はWEBより借用)

フォービズム(野獣派)とは何か。1900年代初頭のフランスで、原色を基調とした鮮やかな色彩の絵画を展開したマチスやマルケ、ブラマンク、ルオーなど一群の作家たちを評した言葉である。彼らは新しい表現を模索する中で陶器制作にも関心を持つのであるが、これらの画家たちに協力したのが陶芸家メテであった。

私のコレクションの原点はルオーであり、これまでもルオーの陶磁器については観る機会はあったが、メテについては初めてであった。日本ではメテの陶磁器についての紹介は余りなかったこともあり、見応えある展覧会であった。特に施釉陶器の青が素晴らしい。
ルオーはこの陶器での表現に強い関心を持ったと見え、一時期メテとの協同制作に熱中した。「花瓶、水浴の女たち」の青を基調としながらも茶褐色や深いグリーンが使われた作品など、キャンバスの絵画世界を観るようだ。ルオーは貧しくも懸命に生きる人々をテーマにした作品を多く残しているが、大皿「ソリダルテ(連帯)通り」はまさにそういう情景を描いた作品であり、心を打つ。
いずれも陶器をキャンバスのように使っての絵画表現であり、そこにはルオーの世界が広がっている。

