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Carry me back to Old Virginny

1974~1975年にわたるアメリカ・バージニア州R-MWCへの留学記(手紙)です。

Honor System・試験終了!・Christmas dinner

1974-12-19 | RMWCの日々

お久しぶりです。  Happy, Happy, HAPPY!!な気分♪

最後のテストが昨日で終わったのでありま~す!!これからは楽しい楽しいクリスマス休暇。なにが楽しいといって、もう「読み終わらねばならない」本が無い、ということくらい開放感を感じることはありません。もうEmersonやWhitmanなんかに追いまくられることはないのです(註:at leastこれからの3週間は)

いろいろ書きたいことがたまっているのですが、まず試験のことについてまくし立てましょう。
この大学はexamにHonor Systemという制度を使っています。

【honor systemの説明本】  クリックで拡大
   

Dec.14--20の1週間は試験期間で、日曜日を除いて毎日2sessions試験時間があるのです(朝9:00-12:00と午後2:15--5:15;3時間の時間が与えられるの!) 学生はこの期間中、自分の好きな時間を選んで試験を受けることができるの。私は文化のテストを月曜の9時から、文学のテストを水曜日の2:15からの時間に受けました。 鐘のなる15分前にSmith AuditoriumのBanquet Hallに行き、グリーンカードを渡して封筒に入ったテスト問題を受け取ると、あとはどの教室へ行っても自由なのです。 図書館と寮にだけは入ってはいけないのですが、その他どこの教室でも好きなところを選んでペーパーを書けるのです。 3時間も余裕があるので、その間、教室を出てSkellerへいって息抜きしたり、眠ったり(?)、煙草を吸ったり、まったく自由なの。もちろん試験監督なんかどこにもいません。学生はペーパーを書き終わったら、封筒の中に答案を書いたblue bookを入れて封をし、recorder's officeに持ってゆき、係りの人に手渡してオワリ、というわけ。この間、決してcheatしない、ということを前もって誓った紙にサインさせられます。全面的に学生を信頼している感じで(実際今までに破られたことはないそうです)とても気持ちがいいわね。試験時間中カンニングをしないだけでなく、この期間中は、食事の時も寮内でも試験の内容を話題にしてはならないことになっています。時間がまちまちだから、まだ受けていない人に問題が伝わってしまうといけないからです。なにが試験にあったか、だけでなく、何が「無かったか」も言ってはならないし、難しかったとか易しかったとかも言っちゃいけないの。学生はきちんと守っているようでした。 3時間というと、恐ろしく長いようだけど、私にとっては短くて、3時間休む間もなく必死で書きつづけました。 ベルが鳴るまで教室にいたのは2、3人しかいませんでした(人によっては20分で終えちゃった、なんて人もいるのよ・・・もっとも科目は違うけど)  Am.Civのほうはかなり支離滅裂でひどかったのですが、文学のコースはまぁまぁという感じ。結果は気にしません。

昨日は午後のテストを終わって、もう火曜日にすべて終えていたJenniferと、ビザを食べに行き、Boonsboroで映画("Mixed Company"というコメディ)を観ました。水曜日の夜なんて、映画に行く人も無いだろう、と2人で話していたら、本当に!映画館に入ると、観客は我々2人だけでした!!もう映画は始まっていたのですが・・・まったく電気の無駄もはなはだしいわね。映画が終わるまでに入ってきたのは1組のカップルだけ。最後まで観客は我々4人だけでした。

Jenniferは今朝5:30に車で家へ向かいました。彼女の車には他に6人も同乗したそうです)Jenniferというえば、Guess what!?--彼女は今や私のルームメイトです。

【Jennifer Stiles as she really is.(Jenniferが裏書きしたコメント】
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前の手紙で、彼女が私の部屋に仮住まいをした事は書いたと思いますが、その後1度部屋に戻ったのに、再びゴキブリが出たのです。私としては、ゴキブリくらい殺しちゃえばどうでもいいのに・・・と思ったのですが、彼女は過度に神経質になっていて、真っ青になってまた私の部屋に舞い戻ってきてしまいました。2人で話し合った結果ーーーというより、むしろ彼女の強引さに負けたという感じでーーー来学期からいっしょに住もうということになりました。彼女も一人部屋を持っていますが、私の部屋の半分ほどの広さなの。私の部屋はダブルサイズなのです。1人部屋のほうが気楽でいいとは思ったのですが、考えてみればルームメイトがいたほうが会話も上達するし、Jenniferならまったく気が置けないので・・・と思い、承認しました。それがちょうど試験1週間前。わたしとしては、勉強しなくては・・・と思って気が気ではなかったのに、Jenniferときたら、その日からさっそく引っ越しにかかってしまったの。我々はベッドを2段ベッドに改造しました。私が上段なの!恐ろしく高いのよ。上り下りが大変です。部屋の配置は次のとおりです。

【2人の部屋】
  

先週の水曜日は、Christmas Dinnerでした。全員が正装して、Dining hallは真っ暗にしてテーブルにろうそくをともし、ご馳走をいただきました。そのあと、皆で立って、クリスマス・キャロルを歌ったの。私は着物を着ました。時間がなくて15分ほどで着たのだけど、なかなかうまく着られました。他の女の子たちはほとんどがロングドレスでしたが、ミニもあり、パンタロンもあり、様々でした。寮に戻ってきてからも、みんな興奮していて、この日は勉強どころではありませんでした。私はJenniferに着物を着せてあげました。自分で着るよりずっと易しいわね。Jenniferが着物姿で寮内を歩いたので、大騒ぎになり、そのあとLynn, Donna, Karen, Stephanieにも順順に着せてあげたの。一人一人写真をとったので、できたら送ります。みんな大喜びしていました。 Stephanieなどは襦袢姿がとくに気に入っちゃって、襦袢姿の写真までとりました。アメリカではinformal letterの結句にLoveと書くのが習慣のようですが、私が「愛」という漢字を教えてあげたら、みんなそれを書くようになりました。ちょっとした日本文化の伝播だと思わない?

【左からStephanie, Donna, Karen(2枚)】 クリックで拡大
    

ここ1、2週間はポストにクリスマス・カードが氾濫しています。チコタンが送ってくれたクリスマス用カード(日本風の)全部使い果たしました。主に教授とか年輩の人に出しました。学生には手作りのをあげました。

またすぐ2便を出します。  Merry Christmas!!!!


屋根裏部屋の怪・Page家にて

1974-12-09 | RMWCの日々

お元気ですか?この前手紙を書いて以来、いろんなことがありました。

まず変なことですが、例のJenniferの部屋にゴキブリが出たのであります。別に彼女が不潔にしていたわけではなく、彼女の部屋は、掃除用具置き場の隣りにあったので、そこから出たらしいのです。4匹も幼虫みたいのが出て、ただでさえ神経質な彼女はノイローゼ気味になってしまいました。部屋中の家具を移動して殺虫剤をまいたので、いる部屋がなくなったので、彼女は私の部屋に越してきたの。私の部屋はシングルだけど、ダブル分の広さが充分あるので、マットを運んできて仮のベッドを作り、住み込みました。彼女は私の部屋が気に入っちゃって、それ以来ずっと一緒です。私としては、彼女とおしゃべりするのは楽しいし、ずっとルームメイトが欲しかったので嬉しいけど、勉強の面ではちょっと・・・という感じ。なにしろ今はテスト前なので、1人の部屋で静かに勉強できないのが苦痛ではありますが・・・

夜はベッドに入っていろんな話しをします。ちょっとした文化交流といったところ。私は日本のいろいろな文化の違いなどを彼女に話し、彼女は私にいろいろなslangや日常用語や宗教についてなど(たまにスペイン語も)を教えてくれます。それから、Jenniferに聞いたのですが、ショッキングなことに、この大学では2年前に殺人事件があったそうです。学生の一人が大学の東のはずれにあるPlesser Buildingという音楽堂の裏で殺されたそうです。犯人は頭のおかしな黒人青年で、すぐにつかまって精神病院に入れられたんですって。その学生は夜遅くに一人でそんな暗がりに行ったので、彼女自身の責任だ、と誰もが言いますが、それにしてもショックでした。Jenniferはその時はまだ入学していなかったのですが、殺人のあったたまたま翌日にこの大学に下見にきたそうで、その時はまだ犯人がわかっていなかったのですって。学内にいるかもしれないということで、下見もそこそこに逃げ帰ったそうです。

ーーーーーその話しを聞いたのは、この前の土曜日だったのですが、今日、私とJenniferは余分の戸棚がないかどうかを探しに、二人で寮のattic(屋根裏部屋)へ行ったのです。ひろーい屋根裏部屋で、よぶんな家具がいろいろ置いてあるの。2人で戸棚のいいのがないかと探しているうちに、我々は男の人が横たわっているのを発見したの!!最初に見つけたのはJenniferで、私は彼女の指差す方を見ると、他の家具に隠れて両足だけ見えました。それがうつぶせになっているのよ。その時の恐怖!想像できますか?2人とも、てっきり彼が死んでいるのだと思い込んで、転がるようにして1階に駆け下りてゆき、ホールでおしゃべりしていたhousekeeperの人たちに話すと、彼女たちが調べにあがってゆきました。ホールのソファーにしがみつきながら私とJenniferは、今にもパトカーのサイレンが鳴るのではないか・・・と思っていたのですが、housekeeperの人たちが大笑いしながら戻ってきて、彼はこの寮で働いている黒人の1人で、今朝あまり早く起きたので眠いから屋根裏で寝ていたのですって。この話はあっという間に広まって、みんなに大笑いされました。殺人の話しを聞いた後だったので、とくにimaginativeになっていたのでしょう。

さて、7日(土)にはPage家に夕食に招待されました。例の瑠璃子おばちゃまのお姉さんのお友達のご両親の家です。大学から車ですぐの所にあるのです。Mr.Pageが私に電話をくれて、うちの娘とあなたの親戚が仲良しなのだから、我々も仲良くならなくてはならない、と言って招いてくださったの。
Mr.PageとMrs.Pageと、Cabinという中学生の男の子がいました。彼等も日本にこの夏に行ったので、その時撮った写真と8ミリ映画をみせてくださったの。宮川さんやケイコちゃんの写真もたくさんあり、とても懐かしかったわ。8ミリで東京なんかも少し出てきたけど、不思議と「あぁ、外国だなぁ」という気がしました。みんなとてもいい方たちで、また26日に(娘さんが帰ってきた時に)招待してくださいました。娘さんがすでに手紙で知らせたらしく、お兄ちゃんの名前もよく出てきましたよ。”タケシによろしく”とのことでした。それから、私のベスト・フレンドも一緒だったと言っていたから、Mのことでしょう?お兄ちゃん、首尾よく彼女を誘い出せたようですね。案内もずいぶんはりきったそうですが、結果はいかに?

今週はいよいよ試験1週間前です。クリスマスも近いので、各寮にはおおきなpine tree(本物の)が立ち、綺麗なランプがついてクリスマス・ツリーになっていますし、いたるところにクリスマスの飾りつけがみられます。今度の水曜日はクリスマス・ディナーで全員正装するのですって。いよいよ(初めて!)着物をきる時が来ました!!!Help!?ブルーのドレスでもいいのだけど、やはり着物の方がいいでしょ。太っちゃったからドレスはいるかどうかわからないし。

また、今週いっぱい寮の中でおもしろい制度があるのです。みんなが誰かのChristmas Angelになるのです。それぞれのAngelは自分の相手に、毎日ちょっとしたキャンディーをこっそりあげたり、カードをあげたりするの。試験前で陰鬱な雰囲気な時期にはもってこいです。私はJuliaという子のAngelです。私のangelは誰だかわかりませんが、今日はスティックの形をしたキャンディーがポストに入っていました。

そうそう、昨日Mrs.Klousに電話をかけて、1月2~12日の間、彼女の家に泊まることにしました。彼女は例のごとくまくしたてたので(トホホ・・・)、料金1.40ドルもとられちゃいましたが、彼女流にオ~~~バ~~~に御礼を言いました。

あ、もう8時半PM!大変!勉強しなくちゃ・・・それでは、またね!


College Calendor

1974-12-03 | RMWCの日々

今日は久しぶりにお天気になりました。授業が始まって2日目にしてもうまた前のreading, readingの生活に戻ってしまいました。この休み中、全然本を読まなかったので、大変です。もう2週間で試験だというのに・・・

 Delaware行きでかなりお金を使ってしまいました。行きの旅費が19ドル、帰りはJenniferがドライブしましたが、ガソリン代を半分分け持って5ドル払いました。それからカラー写真のフィルムを2本買ったの(1本、1.90ドル)。それから、ついに誘惑に負けて(買わないつもりだったのですが)トランジスターラジオ(General Electric社ので)13ドルを買ってしまいました。小さくて軽くて、音質も良く、FM/AMです。今も机の上で鳴っています。

そういえば、Virginiaでは現金で買うとtaxを取られるのですが、Delawareでは無税で買えます。お金は無駄遣いの気があるので、これからは慎重にしないと、帰りの旅費がなくなってしまいそう。日本に置いておいた方が安心なので、まだ送ってくださらなくて結構です。2月か3月頃に残り(帰りの旅費)を送ってもらうようにします。

ところで、college calendarをもっと早くお知らせするべきだったでしょうが、遅ればせながら、今後の予定を書きますね。

December 2 monday Classes resume at 8:00am

13

friday First semester classes end at 6:00pm
14 saturday Midyear examination begin
20 friday Midyear examination end/Christmas vacation

Second Semester

January 13 monday Second Semester classes begin at 8:00am
February 28 friday Spring recess begins at 6:00pm
March 10 monday Classes resume at 8:00am
12 Wednesday Founder's Day
April 25 friday Second Semester classes end at 6:00pm
29 tuesday Final examinations begin

May 3

saturday Last day for seniors' examinations

6

tuesday Final examinations end

11

sunday Commencement

16-18

friday-sunday Alumnae Reunion Weekend

4月半ばに学校が終わるのだから、日本に帰るのは6月はじめ頃になるかもね。1ヶ月くらいの旅行、お金が持つかどうかで決まるけど・・・いづれにしても西海岸までは陸路で大陸横断する予定。友達はバスより汽車のほうが楽だし、値段も同じくらいだから、汽車のほうがいいと言います。まだまだ先のことのようだけど、spring recessの頃までにはやはり計画と立てた方がいいとおもうので、年が明けたら、いろいろと考えてみるつもりです。西海岸まで車で行くなんて友達はいそうもないし、車で突っ切っちゃっては面白みがないと思うので、やはり汽車になりそうです。でもAunt Sallieは1人で旅行するのは反対だ、とおっしゃっています。まぁ、そのこともいずれ考えてみましょう。

ところで明日はいよいよ来学期の登録日です。前にも書いたように、Modern American Poetryと19th Century Literature to 1823をとります。P.E.コースは、バドミントンにしました。フェンシングでも良かったけど、バドミントンの方がおもしろそうなので。それから美術のコースはdesignをとりました。Paintingのコースもあったのですが、テクニックが高度らしいし、私は油絵やacrylic画法なんて、経験ないので、教授に相談したら、デザインのコースは初歩だから、ということで、それに決めたの。時間割は次のような予定です↓

  Mon. Tu. Wd. Th. Fri.
8:00-9:00 JAP JAP   JAP JAP
9:10-10:10 19th Lit.     19th Lit.  
10:20-11:20   Mod.Am.Poet     Mod.Am.Poet
11:30-12:30 JAP Badmington   JAP Badmington
1:00

LUNCH

1:50-4:10   Design     Design
6:00

DINNER

水曜日は何もないので助かります。それからAmerican Poetryのコースでやる詩人は、おそらく(去年のリストによると)Frost, Stevens, Pound, Eliot, Cummings, Ransom, Hart Crane, Roethke, Lowell…といった詩人です。Frost, Pound, Eliot以外はあまり耳慣れない詩人ばかりなのでびくびくしています。アメリカ近代詩人集とかいうようなので、こういう人たちの詩のセレクションの本がないかしら?もし適当なのがあったら送ってください。(なかったらいいです。もったいないから) それと一緒にEliotの「荒地」と、それから私の本棚にあるキーツ・シェリー・ワーズワースの刺繍(3人一冊になっている)も送ってくださいませんか?黒いブックケースにはいった赤い表紙の小さな本です。まだ1ヵ月半先ですから、もちろん船便にしてください。

話はまた変わりますが、Thanksgiving休暇の前に、私とHisamiともう1人女子留学生でSweet Brier Collegeに留学している人との3人は、Hisamiの友達の家に招かれて夕食を一緒にいただきました。ちょっとした日本人パーティーといったところ。そこではじめてSweet Briar Collegeにいる留学生とは会ったわけですが、驚いたことに彼女(Jinko Saitoと言います)は、津田の学生だったの!!まったく本当に世界は狭いと思わない?この広いアメリカの、こんなちっぽけな町で、津田からの学生に会うなんて!二人とも仰天しました。もっとも彼女は今年の春卒業したので2年先輩。アメ研で佐々木ゼミを取っていたそうです。彼女はロータリーのスカラシップを受けているそうで、この夏にやってきたそうです。もっとも高校時代にAFSで1年間こちらにいたことがあるんだって。でも彼女はSweet Briarが気に入らなくて、来学期からはもっと都会にある大学に移ってしまうそうです。その後もフランスにいってartの勉強をする予定なんだって。津田ではアメリカ研究を取っていたのに、ここSweet Briarでは美術のコースに転向しちゃったんだって。変なの。でも、彼女もHisamiも言っていたのだけど、アメリカでアメリカ文学や英文学のコースを取ることは(本気で卒業しようとしたら)至難の業に近いのです。外国人が日本で古典文学のコースを日本語で学ぶようなものだものね。Hisamiは日本では英文学専攻だったのですが、Lynchburg Collegeでは言語学を取ったそうで、この12月にはWith honorで卒業するんですって。すごいわね。 では、またね。