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→♂♀←_no.09_2021:青春ノ帝国

2021-02-09 21:46:22 | 今月のお薦め_XX.20XX
青春ノ帝国 石川 宏千花 あすなろ書房


「久和先生と奈良君」の途中で、

髪型の件の後も峯田さんは変わらず、いつものように佐紀へ声をかける。(話題を逸らす意味合いもあった気がするが)再度本の感想を求められ、そもそも一方的に押し付けられた印象もあった佐紀は、あの本を読まないと言って、そのまま一緒に帰ろうとすることに対し、峯田さんは、人から馬鹿にされることには敏感で臆病なくせに、人を馬鹿にするのは平気な人と評し、本心がすすけている、馬鹿にしないで、と言い残し一人で帰って行く。取り残され、くすくすと笑われたときなんかとは比べものならない心の痛みを感じる佐紀。弟を迎えに行く塾の日だったので家に帰らず、同じ本を図書館でさがし、時間が来るまで読む。

といった件りがあって、以降、丁寧に綴られる佐紀の気持ち、気の持ち方の変化の様子を読みながら「百瀬さん」の終盤(、然るに「わたしたち」の手前)で佐紀と峯田さんの仲直りを読めて本当に嬉しい気持ちになれた。

本レビューでは、本心がすすけている、馬鹿にしないで、と言い残し一人で帰って行った峯田さんの気持ちを(当然、峯田さん本人や作者と比べものならない浅慮になってしまうが、私なりに)推し量ってみたい。

本を薦めた側にとって、最も辛いのは、薦めた本が悪くとらえられることだろう。
極端に言えば、(本の印象が良かったのに薦めた人が悪く思われるなんて滅多に起こらないかもだが)自分のことは悪く思われるようなことがあっても薦めた本には良い印象を持ってほしい、即ち薦めた己の評価などどうでもよく、本の中身について(共感、)理解してもらうことが最大の望みのはずだ。

(つづく)

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