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→♂♀←_no.9_2014:黄金の幽霊船

2014-03-08 21:35:26 | 今月のお薦め_XX.20XX
黄金の幽霊船 笹本祐一 朝日新聞出版
ミニスカ宇宙海賊 2 黄金の幽霊船
笹本祐一
朝日新聞出版


 再読。改めて読んで→♂♀←したくなったわけでなく、じっくり読み直してから感想を書こうとおもっていたら、すっかり時間が経ってしまいました。
 モーレツ(アニメ)はチラッと観るだけでオモシロさが分かる素晴らしい出来であることは今更言うまでもないことですが、既に捕らえられていた心持ちをグ リューエルの登場によるオモシロさ倍増で鷲掴みされて、放映を終わってから原作を読もうなんて、のんびり気分はぶっ飛んでしまい、続きが(放映まで)待ち きれない気持ちも重なり当時急いで(図書館で借りて※1)読んだのが黄金の幽霊船。
 このエピソードに限らず、原作もアニメもどっちもいいんだ、これが。以来、時々、アニメも原作もお気に入り箇所だけ楽しむなんてことをしていたのです が、この度、シリーズ第2巻をゆっくり読み直した次第。※2(※1_正確には当然の如く順番待ちだったので第9、10話辺りで借りることできたということ です。※2_電子書籍化されたので購入しました。)

 で、先が分かっていても、筋立てが非常にしっかりしていてストーリを噛み締められるから、楽しめる・泣ける。
 個人的に最も泣けちゃうのがザッと全体の62%位進んだ箇所の
「ただねえ、あれだけ思慮深い女の子があそこまで思い詰めてるってことは、これはもう相当ろくでもないことを考えてるんじゃないかとおもうんだけど」でした。

 とても不幸な出来事に遭遇する確率・頻度など、現在の私たち(の科学力で)は分からないと思いますので確率・頻度から著しくかけ離れて生じるのは、如何にフィクションといえでも個人的にはご遠慮願いたい。それは幸運の頻度についても同様である。グ リューエルは一族の位置づけについて多いに悩んでいた。自分のことを後回しにする点に関しては加藤茉莉香と同類である。

 己れより優秀な人物が抱え込むと決め込んでいる。茉莉香は非凡なグ リューエルの悩みへの対応は一通りで済まない可能性がある中、できるだけ本人の意志を尊重するための協力を惜しみたくないことをメンバーに告げる。相手が優れている場合、こちらのできる範囲を事前に納得してもらうことは相手にとっても悪いことではない。だから、茉莉香はグリューエルに制限のあるようなことをほのめかせている。しかし、本音では目一杯サポートしたい意を同じ側である仕事仲間に素直な言葉で伝えるこのシーンに涙が誘われてしまうのです。

 筋立てが非常にしっかりしていてストーリを噛み締められるから楽しめる方を列挙。
 姫様一人の密航から始まる物語には初めっから度肝を抜かれているが22%辺りからの追加情報を貰いにいく箇所は見事に笑わせながら王室の視点を読者になじませている。グリューエルが非公式単身で依頼していることから普通でないことは明らかであるが追加の情報を持ってくる船(戦艦)が同じ軍の一段に追われている状況を作り出しているなんて、どれだけスリリング何だって話。これなら、星系軍の訳あり的な弁天丸への偵察依頼も至極当然であるし、グリューエルというかセレニティの微妙な状況もイッペンに説明しちゃっている。
 そこでもってのトランスポンダーの発信で、
「目撃者がいるって教えてあげなさい!」
 何て、かっこいいだ、この新人船長は。原作ではグリューエル自ら一喝することを提言しているわけね。相も変わらず、原作もアニメもそれぞれgoodです。で、ミーサにより高度な政治的判断によるデリケートな扱いを実施する修正もニクイ演出。しかも、ヨートフさんとキャサリンさんの形容が戦争をはじめるのも止めるのも自由自在な位強いとか、
「あなた方二人が来てくれた、ということは……」
 ヨートフとキャサリンが現れた事実に対して何か尋ねようとする姫に何事もなく平穏無事と被せるように告げる枢密院侍従長は渋すぎる。「一番役立たずの二人が」なんて、しびれちゃいます。さらに、第七皇女海賊姿についてコメントしたりなど緊張とユーモアのブレンドが絶妙なシーンです。で、その後黒いドレスとクラッチバッグ。本当に絶妙、一連の描写素敵過ぎ。ハリウッドのスペオペ映画みたい。

 とりあえず、黄金の幽霊船の再編集で劇場公開でよかったのではないかと本気で考えたくなる内容。テレビ放映前(2011.12)の新宿の劇場における1-5話上映ということもあったので、テレビ放映終了1年以内にグリューエル目線で焼き直し。8巻他のエピソードと混ぜながら、ゴンザエモンと知り合う切っ掛けなども入れちゃったら立派な新作映画。で亜空の深淵は劇場版第2弾。そのような想像をさせてくれるのが本巻の出来です。いつもの如く、何のレビューやって感じになっておりますが。

(もう少し列挙するつもり)


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