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税理士 田村直樹の 「建設業者の会計・税務・経営のポイント」  個人事業から会社へ、決算、調査、相続に安心で対応

税理士 田村直樹 が、建設業者の会計・税務・経営のポイントをやさしく、わかりやすく解説します。

建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべてその21

2018-06-28 10:24:28 | 建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべて
各相続人等の納税額

1.相続税額の加算

相続又は遺贈により財産を取得した者が、

被相続人の一親等の血族(一親等の血族の代襲相続人を含む。) 

及び配偶者以外の者である場合のその者の相続税額は、

その者の算出税額に20%相当額を加算する。


2.贈与税額控除

相続又は遺贈により財産を取得した者が、

相続開始前3年以内に被相続人から

贈与を受けていた財産の価額は、

その者の相続税の課税価格に加算して

相続税を計算することとされていることから、

税負担の重複を避けるため、

その者の算出税額から

その贈与税額を控除するものである。


3.配偶者に対する相続税額の軽減

この制度は、

①一般に被相続人の死亡時から配偶者の死亡する時までの時間が短いこと、

②被相続人の遺産の形成・維持に対する配偶者の貢献に対する配慮

③長年共同生活を営んできた配偶者の座に対する配慮等の理由から設けられたものである。

すなわち、配偶者が相続等により取得した財産の価額が、

民法に規定する法定相続分相当額又は1億6千万円のいずれか多い金額以内であれば、

配偶者の納付すべき相続税額がゼロとなる軽減措置である。

なお、相続又は遺贈により財産を取得した者が、

隠ぺい仮想行為に基づき相続税の申告をしていた(又はしていなかった)場合には、

その隠ぺい仮想行為による部分については、

この特例は適用されない。


(1)軽減される配偶者の相続税額の算式

相続税の総額(配偶者が隠ぺいし、又は仮装した財産に係るものを除く。)×

次のイ又はロのうちいずれか少ない金額÷課税価格の合計額

イ課税価格の合計額に配偶者の法定相続分を乗じた金額又は1億6千万円の

いずれか多い金額ロ配偶者の課税価格


(2)適用を受けるための手続き

納付すべき税額の有無に関係なく

相続税の申告書を提出することが必要である。

未分割の財産については、適用されない。


4.未成年者控除

相続又は遺贈により財産を取得した者が、

被相続人の法定相続人で、

かつ、未成年者である場合には、

その者の算出税額から満20歳に達するまでの1年につき10万円を乗じた金額を控除する。

(算式) 10万円× (20歳-その未成年者の年齢)=未成年者控除額


5.障害者控除

相続又は遺贈により財産を取得した者が、

被相続人の法定相続人で、かつ、85歳未満の障害者である場合には、

その者の算出税額から満85歳に達するまでの1年につき10万円を乗じた金額を控除する。

特別障害者は20万円

(算式) 障害者の場合 10万円× (85歳-その障害者年齢)=障害者控除額

  特別障害者の場合 20万円× (85歳-その障害者年齢)=特別障害者控除額


6.相次相続控除

相続税は、相続や遺贈により財産を取得した場合に課税されるので、

短期間に続けて相続の開始があった場合は、

同一の財産についてその都度相続税が課され、

長時間にわたり相続の開始がなかった場合に比べ、

著しい税負担の差異が生じる。

このため、10年以内に2回以上相続が開始し、

相続税が課せられる場合には、

前回の相続につき課せられた税額の一定割合相当額を、

後の相続の際に課せられる相続税額から控除し、

その負担の軽減を図ることとしている。


7.在外財産に対する相続税額の控除(外国税額控除)

相続又は遺贈により法施行地外にある財産を取得した場合において、

その財産に対して外国の法令により我が国の相続税に相当する金額は、

その者の算出税額から控除する。

これは、いわゆる国際2重課税の緩和規定である。






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建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべてその20

2018-06-22 17:10:50 | 建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべて
1.各相続人等の相続税額

相続税の総額を

誰がいくら負担すべきか、

この負担割合計算を行うことが必要になる。

各相続人又は受遺者の相続税額は、

相続税の総額を基につぎにより算出する。


(算式) 相続税の総額×(各相続人又は受遺者の課税価格÷課税価格の合計額)

=各相続人又は受遺者の相続税額

2.按分割合

各相続人又は受遺者の課税価格が

課税価格の合計額のうちに占める割合に

小数点2位未満の端数が生じた場合には、

各相続人等の全員が選択した方法により、

その合計値が1になるように端数を調整して

各取得者の算出税額を計算して差し支えないものとされている。


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建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべてその19

2018-06-21 17:25:09 | 建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべて
相続税の総額

1.遺産に係る基礎控除

(1)遺産に係る基礎控除

各相続人等の課税価格の合計額から控除する金額で、

いわば相続税の課税最低限である。

課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であれば

相続税は課税されない。


(2)遺産に係る基礎控除額の計算

遺産に係る基礎控除額は、

次の算式により計算した金額である。

(算式)
遺産に係る基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
2.相続税の総額の計算

相続税の総額は、

「課税価格の合計額」から「遺産に係る基礎控除額」を控除した金額を、

法定相続人(相続税法第15条第2項に規定する相続人)の数に応じた

相続人が民法の規定による相続分及び代襲相続分に応じて取得したものとした場合の各取得金額に、

相続税の超過累進税率を適用して算出した金額を合計して求める。


相続税の総額は、次により算出する。

①各相続人又は受遺者の取得財産の価額-(債務の金額+葬儀費用の金額)
 +3年以内の贈与財産の価格=課税価格

②各相続人の課税価格の合計=課税価格の合計額

③課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額=課税遺産総額

④課税遺産総額×各法定相続人の法定相続分×税率=各法定相続人の税額

⑤各法定相続人の税額の合計額=相続税の総額

 



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建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべてその18

2018-06-20 09:45:46 | 建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべて

相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた者の課税価格

(1)課税価格に加算する理由

個人からの贈与財産については、

贈与税が課されるのであるが、

特に相続開始

直前における被相続人の贈与財産は、

むしろ相続財産の一部として税負担を清算した方が合理的であるという考え方に基づき、

相続開始前3年以内の贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算することとしたものである。

(2) 規定の内容

①相続又は遺贈により財産を取得した者が、

相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けていた財産(特定贈与財産を除く。) に限り、

その贈与財産の価額が加算される。

②相続開始の年に被相続人から贈与により取得した財産で、

相続税の課税価格に加算されるものは、

贈与税の課税価格に算入しない。

③加算される財産の価額は、

贈与により取得した時の評価額となる。

④加算された贈与財産に課税された贈与税は、

算出した相続税額から控除して二重課税を排除している。

⑤加算される贈与財産は、

被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した者に限られるので、

相続又は遺贈により財産を取得しなかった者(みなし相続財産を取得した者を除く。) が、

贈与により取得した財産は、加算しない。

⑥相続税の課税価格に加算した財産の価額から債務控除はできない。




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建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべてその17

2018-06-12 09:25:02 | 建設業者の身近な人が亡くなったときの相続税のすべて

債務控除です。

(1) 債務

相続税の課税価格の計算上、相続人又は包括受遺者が負担した債務の金額は、取
得財産の価額から控除される。

イ債務控除の対象となる債務とは

 ①相続人又は包括受遺者が承継した債務であること。
②相続開始の際、現に存するものであること。
③確実と認められるものであること。

ロ債務控除の対象とならない債務

被相続人が生前に購入した墓碑の未払代金は、債務控除の対象とはならない。

(2)葬式費用

葬式費用は、本来、遺族の負担すべきものであり控除できないようにみられるが、

相続税の課税価格の計算上、相続人又は包括受遺者が負担した葬式費用は控除する

こととされている。

 葬式費用は、

 (1)の債務とは本質的に異なるので、

  いわば、特例的性格をもつものと解されている。

  このため、葬式費用の範囲を相当厳密にして

 「葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うと認められるものに限る。」を

  原則としている。

 イ債務控除の対象となる葬式費用とは

  相続税法では明確な範囲を規定していないが、

  一般的には、次のようなものが葬式費用として控除できる。

①葬式若しくは葬送に際し、

 又はこれらの前において、

 理葬、火葬、納骨又は遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費用

 (仮葬式と本葬式とを行うものにあっては、その両者の費用)

②葬式に際し、施与した金品で、

 被相続人の職業、財産その他の事情に照らして

 相当程度と認められるものに要した費用

③①又は②に掲げるもののほか、

 葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの

④死体の捜索又は死体若しくは

 遺骨の運搬に要した費用



ロ葬式費用には該当しないもの

①香典返れい費用

②墓碑、墓地の購入費及び墓地借入料

③初七日、その他法要のための費用

④医学上、裁判上など特別の処置に要した費用




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