時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

時は戻せない。

2020年12月16日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の6)」
時は戻せない。(GoToトラベル事業を中断)

年末年始の休暇が、2週間後に迫った14日の夕刻、激震ともいえるニュースが飛び込んできた。
総理が肝いりの「GoToトラベル事業」を、
12月28日から1月11日まで、全国一律で中断すると発表された。

学者が云うには・・・ 感染症の拡大防止は、人の往来を止めることが必須だと云うから、
突然ではあったが、今回の方針転換は、新規感染者が全国で3,000名を超えたことに加えて、
GoToトラベルに問題ありと考える声が、日に日に大きくなってきたことが、
判断基準になったのは間違いないだろう。

それにつけても、突然の方針転換に、翌日は朝からワイドショーがこの話題を取り上げ、
お祭り状態になっていた。
まぁ、なんと言うか・・・ 「ああ言えば、こう言う。こう言えば、ああ言う。」の繰り返し、
自分たちが、前日まで望んでた方向になったんだから、
これから先のことについて、前向きな議論をすれば良いのに、
この際だからか、どうかは分からないが、調子に乗って厭味をぶちまけるのは如何なもんだろう?

医療業界を含む、多くの国民からは、決断が遅いといった、批判めいた声が大半を占め、
観光業界や、飲食業界からは「もっと早く言ってほしかったといった。」と、
悲鳴とも取れる声が多数上がった。

気持ちは分かるが・・・ 春先の非常事態宣言で、
政策はダメでも、国民は賢明だったとメディアが持ちあげたもんだから、
政府が「勝負の三週間」を掲げて、もう一度「柳の下の泥鰌(どじょう)」に期待するのは、
真っ当な考え方であり、当然ではなかろうか?

また、もっと早く言ってほしかったと云われても、
泥鰌が居なかったこと(勝負の三週間)を見極め、その直後の方針転換だから、
これ以上早くしろというのは、申し訳ないが無理というものだ。

それにしても・・・ 一夜にして攻め口(論点を)を真逆に変えるんだから、
この国のメディアは、いったいなにがしたいんだろうか?

半年前、これでもかと云うぐらい、国民の民度の高さを訴えていたのは、
いったい、だれなんだろう?
メディア各局のMCや、多くのコメンテーターが、
ゴールデンウィーク明けに言い放った捨て台詞が、半年後に国民の思い上がり(緩み)と、
思い違いを・・・ 作り出したことを、都合よく忘れている。

メディアの役割は、政治を監視することであって・・・ 批判することではない。
「勝負の三週間」に対して、政府の訴求力が弱かったことは、確かに間違いないが、
メディアはサポートすることなく、
揶揄し、茶化し、足を引っ張った責任を痛感すべきではなかろうか?

今年の「新語・流行語大賞」にノミネートされた、
人気お笑い芸人「ぺこぱ」の決め台詞「時を戻そう。」が可能なら、
そういった声の多くに、応えることは可能だが、残念ながら・・・ 時は戻せない。
関係者する方々の思いは、痛いほど分かるが、これから先のことしか、変えることはできないのだ。

こんな時でも政局にこじ付け、批判しかできない野党も
同様のコメントを発したがもはや聞くに値しない。

方針転換をしなければ、観光業や飲食業などは潰れても、仕方がないぐらいの勢いで文句タラタラ
方針転換をしたらしたで、なぜ変えると嫌味タラタラだから、
いったいどうなることを望んでいるのだろうか?
批判するのは自由だが、批判からはなにも生まれないし、ましてや、時を戻すことはできない。

文句タラタラ、嫌味タラタラの行きつく先は、
おそらく全ての業界への補償ということになるんだろうが、
このために政府が使うお金(補正予算)は、財務省の金庫や通帳にある現金や預金ではなく、
国債を発行して金融機関に買ってもらった、借金だということを忘れてはならない。

私のような年寄りは、借金の返済(増税)は・・・ あと20年ぐらいの苦痛で済むが、
あえて元凶とまでは言わないが、
今まさに感染拡大の半数以上を占めている20代や、30代の若い人たちは、
可哀そうに・・・ これから半世紀以上も、借金を返済し続けなければならない。

今年度の国債発行額は112兆を超えており、
歳入の64%が、国債頼みになっていることを忘れてはならない。
少子高齢化が進むなか、この借金を、いったいどうやって返すんだろうか?
可哀そうだと思うが・・・ 若者たちが背負うしかないのである。

そんなことも知らず、メディアのインタビューに対し、
酒を飲みながら・・・ 能天気な応答をする若者を見てると、
「あなたは、今から50年以上もかけて、借金を返済するんだよ。」と教えてやりたくなってくる。
そのことが分かってる若者は・・・ いったい、どれぐらい居るのだろうか?

あの時、あそこで、自分が大きな声で騒いでなければ、家族や仲間を感染させることはなかったのに、
そんな後悔の人生を送らないでほしいと願うが・・・ おそらく無理だろう。

我々の年代は、一つのミスが命取りになり兼ねない。
だから、自分の身は自分で守る。
怖いのは貰い事故だが、自分に課せられたことだけは、けっして怠らない。

もはや、今どきの若者に、感染拡大の片棒を担ぐなとは云わない。(言っても無駄だから)
お願いしたいのは・・・ 健康で、しっかり長生きして、借金の返済を全うしてほしい。

もし、どこかで過去を振り返り、反省するようなことがあったら、
自分の子供や孫に・・・ こう伝えてほしい。
「若かった頃に、とんでもないバカなことをやってしまった。」と自戒を込めて伝えてほしい。

時は戻せない。
上から目線みたいで、申し訳ないが・・・ 文句や嫌味を言う暇があったら、
借金返済のことだけは、肝に銘じておいた方が良いだろう。

追伸
けっして全ての若者を対象にして、言ってるのではないが、気分を害された方がいらっしゃたなら、
申し訳ないと思うが・・・ 年寄りの戯言(たわごと
)として、ご容赦願いたい。


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