カープファンも驚いた惜別

多摩爺の「時のつれづれ（霜月の２３）」
カープファンも驚いた惜別　（長野久義選手の後ろ姿に感謝）

一般的にトレードといえば・・・　取引であり、
プロ野球の世界でトレードといえば、人と人の交換、人とお金の交換を意味する。
そう思っていたら、驚いたことに・・・　昨日、カープからジャイアンツへ、
長野選手の無償トレードが発表されたんだから、カープファンの私は動揺が隠せないでいる。

５年前に、ＦＡ（フリーエージェント）宣言を経てジャイアンツに移籍した、
丸選手の人的補償選手として、カープにやって来た長野選手が、
古巣のジャイアンツに、人と人の交換ではなく、人とお金の交換でもなく、
なんの見返りもなく・・・　ジャイアンツに移籍すると発表された。

自由契約かと思いきや・・・　長野選手が戦力外通告を受けてから、
自ら移籍を働きかけたわけではなく、球団幹部が移籍を働きかけだというから、
無償トレードという、理解し難い言い方をしているが、
交換する人もお金も見当たらないので、無償譲渡と言った方が分かり易いかもしれない。

ＦＡ宣言した選手は、所属していた球団内の年俸順で、
Ａ（上位３名）、Ｂ（４～１０位）、Ｃ（１１位以下）にランク付けされており、
宣言した選手が、Ａ及びＢランクの選手であれば、当該選手を取った球団は、
前の球団に対して、当該選手の代わりとなる選手候補を記した、人的補償リストを提示せねばならず、
前の球団は、その中から１名だけ選手を指名することが出来るのである。

もう少し詳しく言えば・・・　各球団が支配下選手として、保有できる選手数は最大で７０名で、
その７０名の中から、１軍登録できる選手は２９名、
１軍の試合に、当日ベンチ入りして、試合への出場が可能な選手は、
２５名というルールを・・・　まず知っておいてほしい。

一方でＦＡ宣言をした選手を取った場合の、人的補償選手については、
支配下選手の７０名から、交換不可の選手として２８名をプロテクトすることができて、
残りの４２名の選手を、人的補償の対象選手としてリスト化し、提示する決まりとなっている。

ここに一つだけだが、抜け道があるとすれば、育成契約の選手はリスト化されないことから、
主力選手でありながら、怪我などでシーズンを棒に振ってしまい、
来期もフルでの活躍が見込めない、プロテクトし難いが、リスト化も悩ましい選手を、
故意に戦力外通告して支配下から外した後、育成選手として再契約する、ずる賢い抜け道もある。

どこの球団とは言わないが、それらしきことを、恥ずかしげもなくやる球団があるので、
こういったことは、しっかりと批判して・・・　正さねばならないだろう。

話を戻すと・・・　５年前に、丸選手の人的補償となった長野選手は、
球団内の年俸順位に関係なく、２８名のプロテクト選手から外れていたので、
カープから指名され、移籍を余儀なくされた選手だったのである。

長野選手といえば・・・　思い出すのは、ジャイアンツ愛の強い選手で、
他球団から、二度のドラフト指名があったにも拘わらず、ジャイアンツ愛を貫き、
ジャイアンツからのドラフト指名を待ち続け、かなり遠回りをして入団した選手であり、
カープが指名しづらいと思ったか、どうかは知る由もないが、
ジャイアンツは、ジャイアンツ愛を貫いた選手を、２８名のプロテクト枠から外していたのである。　

カープからの指名に・・・　光栄であり、選手冥利に尽きると言って、快諾した長野選手は、
ジャイアンツ時代からの人望の厚さを、カープに来ても遺憾なく発揮してくれている。

その役回りは、不動のレギュラーではなく、代打の切り札といった不遇な役回りではあったが、
若返りが進むカープでは、１軍と２軍を行ったり来たりしながらも、
けっして腐ることなく・・・　背中で範を示し、若手や外国人選手を引っ張っていたことを、
カープの球団幹部は、見逃してはいなかった。

また、そもそも長野選手は、既にＦＡ資格を取得しており、
ジャイアンツに戻ろうと思えば、自らの意思ＦＡ宣言して戻れたにも拘わらず、
カープを選び、広島に残ってくれていた選手だったことも・・・　忘れてはならない。

その男気に球団幹部は、今年３８歳という年齢から、ユニフォームを脱ぐ時も近いと察し、
生え抜きの選手ではないにも拘わらず・・・　貢献度の高さに礼を尽くして、
古巣へ復帰できるよう、球団幹部が自ら古巣ジャイアンツに働きかけたとのことだ。

心の狭いカープファンの私としては・・・　正直なところ、残念で堪らないが、
野球ファンの一人としては、大拍手で見送らねばならないと、既に気持ちを切り替えている。

来年になるか、再来年になるか、もっと先になるのか、それは分らないが、
秋晴れのマツダスタジアムで行われる・・・　カープ対ジャイアンツの最終戦が、
長野選手の引退試合となることを、願ってやまない。

ありがとう、長野久義選手
お疲れさま、長野久義選手
あなたがカープにいたことを・・・　忘れない。

そして、礼を尽くしたカープの球団幹部に、
プロ野球ファンの１人として・・・　アッパレと申し上げたい。

閑話休題
この場を借りて書くのも腹立たしいが、
どうしても、記しておきたいことが・・・　一つあるので記すことにした。

カープの若手選手の中に、女性を泣かしたバカ者がいるようである。
悪いことは言わん。
プロ野球選手なら・・・　下半身はグラウンドで使え！