ようやく三週目が終了し、すべてのシナリオをコンプした「スーパーロボット大戦UX」。
なので、この作品のシナリオを細かく解説するとともに、感想を書きたいと思います。
前回の記事では14話までのことしか書いてませんでしたから、物語の真相が明らかになるにつれ、事情が変わった事柄もあります。
まずは物語の始まりから真相までをざっとあらすじにして書きたいと思います。
1、集え、始まりのもとに―
『集え、始まりのもとに―』。
この謎の声に導かれて一同に会す戦士たち。
スパロボといえば、何らかの事象により異なる作品のキャラクター及び機体が出会うというのが定石ですが、そのほとんどが偶発的です。
しかし、本作では「何者かの手により意図的に集められた」という珍しい展開に。
舞台となるのは地球連合とプラントとの戦争、ソレスタルビーイングとアロウズの戦いが集結してから数年後の地球。
『ガンダムSEED DESTINY』、『ガンダム00』の世界が一緒になっており、ムーンWILLを倒したダンクーガノヴァも過去の英雄となっている時代。
『ラインバレル』もこの世界に属し、加藤機関による弾圧が続いています。
また、表舞台にでてまいませんが、『ファフナー』の世界観もこの世界に属します。
後のマジンカイザーやヒーローマン、リーンの翼、デモンベインもこの世界でのできごととなります。
2、異世界からの来訪者
『マクロスF』、『SDガンダム三国伝』、『ダンバイン』、『フェイ・イェンHD』『飛影』の面々は、
それぞれの技術系統、歴史、身体の構造や情報の食い違いから、平行世界から転移してきた存在として扱われます。
フェストゥムの出現と同時に活動を開始したUXへこの面々も次々と参加。
3、はじまりは、ひとつだった
なぜか人類を同化するフェストゥム、人類と融合することで意思を読もうとするELS、
仲間を助けようとしていたバジュラ、資源を求めて生きるために地球を襲ったスクラッグ。
宇宙から訪れた異種生命体たちはすれ違いや思い込みで人類と戦争になってしまう。
国連直属の正規遊撃部隊となったUXは、影で暗躍する組織やアーニーの親友、ジンと戦うことになりながらも、地球圏の平和のために戦ってゆく。
人間も、異種生命体も元々はひとつであり、それが『可能性の分岐』のなせる業であることは彼らはまだ知らない。
4、絶望の未来
リチャード少佐やノーヴル博士が見た絶望の未来。それは絶滅した人間になろうと、「痛み」を知るために戦いを繰り返すマキナだけの世界だった。
「現存するすべてのマキナにファクターが現れたとき、ヒトマキナがこの世界を支配する」。
その未来を変えるため、そして恐怖を知らなくなった人類が次々と自殺し訪れる「絶望の未来」を回避するために加藤機関は自らを死の象徴として君臨させようとしていた。
だが、JUDAの社長、石神はすべてのマキナにファクターを与えてしまう。石神に疑念の目を向けるUX。
しかし、石神の目的はヒトマキナへの先制攻撃だった。
「人類を守る」。JUDAとUX、加藤機関の目的は方法こそ違えど同じだったのである。
かつて連合プラント戦線で放たれた忌むべき兵器、レクイエムを月に照射。月内部にあるヒトマキナの拠点を叩くべく、UXと絶望の未来の戦いが始まる。
5、究極の悪と究極の正義
月内部で見た「かつてショウが住んでいた過去の東京」の姿。
エルシャンクの代替燃料、三国志と似た世界の劉備たちが暮らしていた三璃沙、
忍者伝説、オデュサイト、歌。
全く違うようで、「意思が時空を越える」という共通点を持つ事象、
そしてつながっているようでつながっていない別の世界。
その事象をたどっていった先にあったのは、マスターテリオンの影に潜む邪神、
ナイアルラトホテップだった。
ナイアはこの世界を「閉じた輪廻」、つまりループさせ、
マスターテリオンには記憶を引き継がせ、九郎には記憶を持たせないことで「究極の悪」と「究極の正義」を作り出し、両者のトラペゾヘドロンの衝突によりヨグ・ソトースの門から邪神たちを復活させ宇宙を虚無に包もうとしていた。
平行世界から来たと思われていた面々は、実は「過去のループ」からやってきたのだった。
マクロスの破片が地球に落下しマクロス史を歩んだループからやってきたアルトたち、
ヒトマキナが完全な人間となり機械の人間が繁栄したループからやってきた劉備ガンダムたち、
別の歴史を歩み浄化が行われたバイストンウェルからやってきたショウたち…。
また、数億回とループした結果、過去のループで融合を繰り返した飛影はジョウの意思が宿り、
過去のループの人々が「ヒーローの誕生」を願った意思が重なりヒーローマンが誕生したのである。
6、さあ、還りましょう終わりのもとに―
見事ナイアを撃破したUXの前にノーヴル博士が現れる。
彼女はUXに対し戦いを挑む。
UXが彼女を打ち破ったとき、すべてが明らかになった。
「可能性の生み出す宇宙の崩壊」、「意志の力」、そして「可能性の集約」。
彼女はこの世界がループした結果の未来を知り、終焉を乗り越えるため、記憶をループごとに持ち越し、そして戦士たちを集めた。
この戦いはUXへの、終焉を乗り越えるための最終テストだったのである。
最後の試練を乗り越えたUXの前に「宇宙の終焉」が訪れる。
宇宙を護る神であり、宇宙を壊す悪魔でもある「カリ・ユガ」。
数億回とループを繰り返した結果、可能性が無数に分岐しこの宇宙が崩壊しかねない状態にある。
その為この宇宙をリセットするために現れたのが彼女、カリ・ユガ。
もちろん、異種生命体と共に平和の道を歩み始めた今、生きとし生ける全てのものを壊そうとしている神を見過ごすUXではない。
待っているのは「破壊」でも「自壊」でも「絶望の未来」でもない。
「すべての可能性が集う」ことで可能性の一本化を成し遂げた今、やることはただ一つ。
UXの最後の戦いが始まる。
ざっとあらすじを書いてみましたが、本作は『デモンベイン』のナイアが起こしている「ループ世界」をうまく本編に取り入れており、
別の世界から来た人達は実は「過去のループ」から可能性の一編として現れていたということなんですね。
スパロボ=平行世界という先入観を逆手にとった、とても面白いシナリオだと感じました。
最後に特にお気に入りの作品から作中の解説を。
・リーンの翼
本作は『ダンバイン』のパラレルという位置づけですが、本作では『ダンバイン』を過去のループとして扱い、二つのバイストンウェルを存在させることで、「似ているけど別の歴史を歩んだ」という部分を強調する、とてもうまいクロスオーバーを実現させています。

・フェイ・イェンHD
実は、フェイだけは本当に別の世界からやってきているという設定になっています。他社ゲームキャラだから仕方がない。
リチャード少佐が対消滅した際、その穴を埋めるかのようにやってきた意思がフェイをこの世界へと導いたというストーリー。
その意思こそが「初音ミク」であり、その歌に導かれやってきたまた別の意思がミクの意思と融合、
具現化したのがフェイHDとして誕生しました。
元はファイユーヴであるためにサイズの調整が自由にできるため、会話時は人間サイズ、
戦闘時は巨大化します。巨大少女?
また、戦闘セリフや掛け合い時にはボカロ楽曲の歌詞をパロディとして使用する場面があり、
会話時には「ハジメテノオト」を彷彿とさせるセリフや、戦闘時には「ワールドイズマイン」の歌詞の一部を引用することも。
39話のフェイHDイベントは必見。ステージタイトルが『ファフナー』の「蒼穹」、
そこで覚えるフェイの武装が「In the blue sky」。良クロスオーバーにもほどがある。しかも39話ですよ3939。

・オリジナル
今回はラスボスである「カリ・ユガ」に焦点を当てます。
ヨグ・ソトースの門のなかにいたことから、神様の一種だと思われます。
機械や兵器ではないスパロボのラスボスというのは非常に珍いですね。
宇宙を守護することが目的であり、そのためなら多少の犠牲も厭いません。
本人もそう述べており、超長期的な目線で見れば仕方のないことなのかもしれません。
実はその可愛らしい見た目と断末魔から人気を集めており、某所では彼女の日常生活を描いたイラストや、人間に転生した姿などが描かれており、その人気がうかがい知れます。
最近のスパロボでは強い部類のラスボスで、HPはなんと45万。

なので、この作品のシナリオを細かく解説するとともに、感想を書きたいと思います。
前回の記事では14話までのことしか書いてませんでしたから、物語の真相が明らかになるにつれ、事情が変わった事柄もあります。
まずは物語の始まりから真相までをざっとあらすじにして書きたいと思います。
1、集え、始まりのもとに―
『集え、始まりのもとに―』。
この謎の声に導かれて一同に会す戦士たち。
スパロボといえば、何らかの事象により異なる作品のキャラクター及び機体が出会うというのが定石ですが、そのほとんどが偶発的です。
しかし、本作では「何者かの手により意図的に集められた」という珍しい展開に。
舞台となるのは地球連合とプラントとの戦争、ソレスタルビーイングとアロウズの戦いが集結してから数年後の地球。
『ガンダムSEED DESTINY』、『ガンダム00』の世界が一緒になっており、ムーンWILLを倒したダンクーガノヴァも過去の英雄となっている時代。
『ラインバレル』もこの世界に属し、加藤機関による弾圧が続いています。
また、表舞台にでてまいませんが、『ファフナー』の世界観もこの世界に属します。
後のマジンカイザーやヒーローマン、リーンの翼、デモンベインもこの世界でのできごととなります。
2、異世界からの来訪者
『マクロスF』、『SDガンダム三国伝』、『ダンバイン』、『フェイ・イェンHD』『飛影』の面々は、
それぞれの技術系統、歴史、身体の構造や情報の食い違いから、平行世界から転移してきた存在として扱われます。
フェストゥムの出現と同時に活動を開始したUXへこの面々も次々と参加。
3、はじまりは、ひとつだった
なぜか人類を同化するフェストゥム、人類と融合することで意思を読もうとするELS、
仲間を助けようとしていたバジュラ、資源を求めて生きるために地球を襲ったスクラッグ。
宇宙から訪れた異種生命体たちはすれ違いや思い込みで人類と戦争になってしまう。
国連直属の正規遊撃部隊となったUXは、影で暗躍する組織やアーニーの親友、ジンと戦うことになりながらも、地球圏の平和のために戦ってゆく。
人間も、異種生命体も元々はひとつであり、それが『可能性の分岐』のなせる業であることは彼らはまだ知らない。
4、絶望の未来
リチャード少佐やノーヴル博士が見た絶望の未来。それは絶滅した人間になろうと、「痛み」を知るために戦いを繰り返すマキナだけの世界だった。
「現存するすべてのマキナにファクターが現れたとき、ヒトマキナがこの世界を支配する」。
その未来を変えるため、そして恐怖を知らなくなった人類が次々と自殺し訪れる「絶望の未来」を回避するために加藤機関は自らを死の象徴として君臨させようとしていた。
だが、JUDAの社長、石神はすべてのマキナにファクターを与えてしまう。石神に疑念の目を向けるUX。
しかし、石神の目的はヒトマキナへの先制攻撃だった。
「人類を守る」。JUDAとUX、加藤機関の目的は方法こそ違えど同じだったのである。
かつて連合プラント戦線で放たれた忌むべき兵器、レクイエムを月に照射。月内部にあるヒトマキナの拠点を叩くべく、UXと絶望の未来の戦いが始まる。
5、究極の悪と究極の正義
月内部で見た「かつてショウが住んでいた過去の東京」の姿。
エルシャンクの代替燃料、三国志と似た世界の劉備たちが暮らしていた三璃沙、
忍者伝説、オデュサイト、歌。
全く違うようで、「意思が時空を越える」という共通点を持つ事象、
そしてつながっているようでつながっていない別の世界。
その事象をたどっていった先にあったのは、マスターテリオンの影に潜む邪神、
ナイアルラトホテップだった。
ナイアはこの世界を「閉じた輪廻」、つまりループさせ、
マスターテリオンには記憶を引き継がせ、九郎には記憶を持たせないことで「究極の悪」と「究極の正義」を作り出し、両者のトラペゾヘドロンの衝突によりヨグ・ソトースの門から邪神たちを復活させ宇宙を虚無に包もうとしていた。
平行世界から来たと思われていた面々は、実は「過去のループ」からやってきたのだった。
マクロスの破片が地球に落下しマクロス史を歩んだループからやってきたアルトたち、
ヒトマキナが完全な人間となり機械の人間が繁栄したループからやってきた劉備ガンダムたち、
別の歴史を歩み浄化が行われたバイストンウェルからやってきたショウたち…。
また、数億回とループした結果、過去のループで融合を繰り返した飛影はジョウの意思が宿り、
過去のループの人々が「ヒーローの誕生」を願った意思が重なりヒーローマンが誕生したのである。
6、さあ、還りましょう終わりのもとに―
見事ナイアを撃破したUXの前にノーヴル博士が現れる。
彼女はUXに対し戦いを挑む。
UXが彼女を打ち破ったとき、すべてが明らかになった。
「可能性の生み出す宇宙の崩壊」、「意志の力」、そして「可能性の集約」。
彼女はこの世界がループした結果の未来を知り、終焉を乗り越えるため、記憶をループごとに持ち越し、そして戦士たちを集めた。
この戦いはUXへの、終焉を乗り越えるための最終テストだったのである。
最後の試練を乗り越えたUXの前に「宇宙の終焉」が訪れる。
宇宙を護る神であり、宇宙を壊す悪魔でもある「カリ・ユガ」。
数億回とループを繰り返した結果、可能性が無数に分岐しこの宇宙が崩壊しかねない状態にある。
その為この宇宙をリセットするために現れたのが彼女、カリ・ユガ。
もちろん、異種生命体と共に平和の道を歩み始めた今、生きとし生ける全てのものを壊そうとしている神を見過ごすUXではない。
待っているのは「破壊」でも「自壊」でも「絶望の未来」でもない。
「すべての可能性が集う」ことで可能性の一本化を成し遂げた今、やることはただ一つ。
UXの最後の戦いが始まる。
ざっとあらすじを書いてみましたが、本作は『デモンベイン』のナイアが起こしている「ループ世界」をうまく本編に取り入れており、
別の世界から来た人達は実は「過去のループ」から可能性の一編として現れていたということなんですね。
スパロボ=平行世界という先入観を逆手にとった、とても面白いシナリオだと感じました。
最後に特にお気に入りの作品から作中の解説を。
・リーンの翼
本作は『ダンバイン』のパラレルという位置づけですが、本作では『ダンバイン』を過去のループとして扱い、二つのバイストンウェルを存在させることで、「似ているけど別の歴史を歩んだ」という部分を強調する、とてもうまいクロスオーバーを実現させています。

・フェイ・イェンHD
実は、フェイだけは本当に別の世界からやってきているという設定になっています。他社ゲームキャラだから仕方がない。
リチャード少佐が対消滅した際、その穴を埋めるかのようにやってきた意思がフェイをこの世界へと導いたというストーリー。
その意思こそが「初音ミク」であり、その歌に導かれやってきたまた別の意思がミクの意思と融合、
具現化したのがフェイHDとして誕生しました。
元はファイユーヴであるためにサイズの調整が自由にできるため、会話時は人間サイズ、
戦闘時は巨大化します。巨大少女?
また、戦闘セリフや掛け合い時にはボカロ楽曲の歌詞をパロディとして使用する場面があり、
会話時には「ハジメテノオト」を彷彿とさせるセリフや、戦闘時には「ワールドイズマイン」の歌詞の一部を引用することも。
39話のフェイHDイベントは必見。ステージタイトルが『ファフナー』の「蒼穹」、
そこで覚えるフェイの武装が「In the blue sky」。良クロスオーバーにもほどがある。しかも39話ですよ3939。

・オリジナル
今回はラスボスである「カリ・ユガ」に焦点を当てます。
ヨグ・ソトースの門のなかにいたことから、神様の一種だと思われます。
機械や兵器ではないスパロボのラスボスというのは非常に珍いですね。
宇宙を守護することが目的であり、そのためなら多少の犠牲も厭いません。
本人もそう述べており、超長期的な目線で見れば仕方のないことなのかもしれません。
実はその可愛らしい見た目と断末魔から人気を集めており、某所では彼女の日常生活を描いたイラストや、人間に転生した姿などが描かれており、その人気がうかがい知れます。
最近のスパロボでは強い部類のラスボスで、HPはなんと45万。

フェイという名前での参戦だったのでとくにボカロ関連のものはあまりないと思っていましたが、ここまで多いとは。
>戦闘時には「ワールドイズマイン」の歌詞の一部を引用することも
これ超かわいいじゃないですか!!
バンダイ・ナムコさんもここまでやってくれるとは嬉しいですね。
ちなみにフェイ・イェンHDの「HD」はどういう意味なんですか?
というか中の人が藤田咲さんの時点で7割がミクでしたが。
小ネタに関してもほとんどがボカロ関連でした。
HDは「ハート オブ ディーヴァ」の略で、projectDIVAからきています。