私が経営している会社では、賃貸物件の管理を行っていますが、新規契約時に入居者さんには、強制的に火災保険(総合保険)に加入してもらっています。
ほとんどの保険契約は、2年となっていますが、保険更改(更新)の際に保険料を支払わなかったりで残念ながら未加入となってしまっている方もいらっしゃいます。
基本的には、うちの会社では自動更新、未払いの方には督促をしていますが、それでも未加入の方はゼロとはいきません。
なぜ、このような話しをするのかと言うと、2月に会社で保険を使うという出来事があったからです。
どれほど、保険が人生において重要なものであるのかを目の当たりにしました。
2月13日の朝、いつも通り会社へ出勤していると、電車に乗っている時に社員から電話が鳴りました。
もちろん、電車の中なので出れず。
また、寝坊でもしたので、寝坊の報告電話かな?と思っていました。
そうこうしているうちに会社のある駅に到着。
駅より歩いて1分ほどの会社前に歩いて行くと、なんだかいつもより人が多く賑やか。
着いてみると、そこにいたのは警察、消防隊員、そして立ちすくむ社員。
何が起きたのか理解するのに数秒。
これからどうするか判断するのに数秒。
沈黙が続きました。

そうです。
火事が起きたのです。
私と社員の会社は、灰となりました。
無残にも看板はかろうじて残っていますね。
店内はこのようなありさま。

全ての物が焼き焦げ、消火のための水で濡れ、その水圧で吹き飛ばされています。
大切な書類も見ての通り。
天井は、骨組みのみになっています。
これが昨日まで普通に働いていた場所なのか分からない程です。
1階には、お寿司屋さんが入っていましたが、こちらもダメですね。

表向きの見た目は大丈夫そうなのですが、裏は丸焦げで営業はできないと。
これから、どう復興するか。
とても難しい判断が必要でしたが、10分後には、新しい事務所を借りるために動き出していました。
たまたま、焼けた事務所のすぐ近くに事務所が空いていたので、5分で即決。
ありがたいことに事情を説明すると、不動産会社の方も協力してくれ、次の日から使用可能にしてくれました。
その日の内に、事務所として稼働するのに最低限必要な机イス、パソコンなどを揃え、火事の次の日には完成。
ただ、通信設備は当然に燃えてしまっていたので、NTTの工事が来るまで携帯での対応、FAXなどは受けられず、メールでの対応、インターネットは、iPhoneのデザリングを使ってつなげていました。

これ、80万円した複合機。
無残です。
基本的に私は月々の支払いが多いのは嫌いなので、全てリースではなく買取で揃えていました。
盗難、空き巣、火災などは他人事と思っていた私が甘い考えだったということが痛いほど理解させられました。
今回の火事は、もらい火によるものですが、自分たちだけが気を付けていても防げない事故もあるということです。
会社で火災保険の加入を推進していたこともあり、自分たちでも店舗総合保険に加入していたため什器備品は、保険でカバーすることができたというのが、せめてもの救いですね。
火事が起きてから数日で百万単位でお金を使いましたが、保険会社の素早い対応により、数日後には保険が満額振り込まれましたので助かりました。
今回の事務所火事により学んだことは、ある意味知識の財産となるので、記しておきます。
一番大きいのが、自分の身は自分で守ること。
木造建造物が多い日本には、失火法により火元に重過失がない限り損害を賠償する責任はない。
リース物件は、保険でカバーされない。
事業所の火事の場合は、一般住宅のような救済処置はない。
あまり罹災証明も意味をなさないですね。
行政より見舞金がもらえる場合もある。
うちがある目黒区は、全焼で3万円でした。
だったら、火災ゴミの処理費用を免除したらどうですか?と言いたいですね。
ちなみに目黒区の場合は、一般住宅の方は火災ゴミ処理費用の免除制度があります。
確か90%か95%です。
うちも先日火災ゴミの処理をしました。
トラック2台分です。

焼けた物の処分は、想像以上に高額でしたね。
現在は、通常の仕事をしながら、事務所移転に関わる登記や宅建業の手続きを依頼したり、焼けた書類の整理をしています。
焼け跡から見つかったパソコンは、業者にお願いしてデータの抜き出しを行い、5台中3台はデータが取り出せました。

外付けハードでバックアップは取ってはいたのですが、まさか事務所ごとなくなってしまうとは思っていなかったので、社外でのバックアップは取っていませんでした。
クラウドでのバックアップも必要だということも学んだことのひとつですね。
なにはともあれ、この火事で学んだことの中で最も重要なことは、保険に加入しておくということです。
火事の影響で精神的なダメージは、少なからずありましたが、金銭的なダメージと、それに伴う精神的なダメージは、保険金が下りるという安心感から、あまりありませんでした。
こうしてブログを書けているのは、火事の後処理もほぼ終わり、気持ちも落ち着き始めてきたからです。
もし、保険に入っていなかったとしたら、保険が切れてしまっていたとしたら、と考えると何とも言い難い恐怖を感じます。
保険に入っていたからといって、全てが元通りになるわけではありませんが、最低限は補償されるので、安心感を得、精神的なダメージを最小限に抑えることはできますね。
人生における保険の大切さを身を以て感じる出来事でした。
火事後にお見舞い金をいただいたり、あたたかいお言葉をいただいた方々には、感謝しております。