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きもの雑記帳

大好きなきものについて、日々想うことを綴ります

「きものの仕立て方・頼み方」監修 一衣舎 木村幸夫

2006-04-01 22:07:21 | きもの本
一衣舎の木村幸夫さんは、洗える絹素材の開発や、
仕立ての技術の素晴らしさで有名な仕立て屋さんです。

この本はきものサロンで連載していた「仕立屋さんに教わる仕立てのいろは」とうい記事を再編集したものですが、
特に参考になったのは、正しい採寸方法と寸法の割り出しかたです。
着付け教室や和裁教室でも、「自分の適性寸法」というものをきっちりと教えてはくれません。
(少なくとも私の場合はちゃんと教えてもらった記憶があまりないのです。)
私は連載時から、メジャーと電卓を手に何度も繰り返し記事を読んでいました。
おかげで、自分の着物の寸法の何処が合っていないのか、似たような寸法のはずなのに、着易い着物とそうでないものがあるのか、
かなり理解が出来ました。

数字だけで見た標準寸法だけでなく、どういう場所で、どんなふうに着るのかで、
少しづつ寸法を変えたり、それだけをとっても和裁というものが、いかに奥深いものかわかります。
確かに着物は少し寸法が合わないものでも着付けの技術でそれなりに見せることは出来ます。
また、それが着物の良さでもあるのですが、一方では着る人のライフスタイルに合わせた「フルオーダーメード」が出来ることも魅力の一つだと思います。 

この本は「フルオーダーメード」の魅力と、「仕立て」というものの大切さを教えてくれます。

世界文化社 1,600円+税

「昔のきものに教えられたこと」石川あき

2006-03-30 23:17:23 | きもの本
石川あきさんの名前を知ったのは、大橋歩さんの著書「きものは楽しい」の中でした。
昔買い求めた石川あきさんの帯の話が載っていて、どんな方なのかちょっと気になっていました。
著作を読むと解りますが、奈良のいいとこのお嬢様で、子供の頃から最高の着物を身につけてきた方です。

ふらりと立ち寄った道明で帯締め5、6本買った話や、六代目菊五郎の鏡獅子を刺繍した留袖をつくった話など、
溜息ものの逸話が盛りだくさんです。
ただ、そんな贅沢な逸話ばかりではなく、ハギレや洋服地を利用した帯をつくったり、
普段用の長襦袢は八掛地のものを愛用するなど、参考になる話も載っています。

そういえば、銀座松屋のきもの市で、千円で買った八掛地(6反も買った)、替え袖と裾除けでもつくろうかな。

草思社 1800円+税

家庭画報特選 「きものサロン」 06春号

2006-02-21 22:02:53 | きもの本
皺一つ無いぴっちり着付け、躍動感の無いポージング、時々思いついたように記載された現実離れしたお値段等、普段着物を目指す方々には何かと不評の「きものサロン」と「美しいキモノ」。
でも、私はそんなに嫌いじゃありません。
アンティークテイストやアバンギャルドな物も好きですが、
「きものサロン」のキレイ系のコーディネートもいいなぁと、いつも思って見ています。
それに、定期的に出版されているきもの雑誌で、あれだけの量のきものが載っているものは他に見当たらないし。

さて、今回の「きものサロン」ですが、
特集は「柔らか友禅で華やぐ」いかにも~という感じのゴージャスな明るい色の訪問着や小紋が勢ぞろいです。
地味な紬を見慣れた目には眩しい限りです。
よく行く古着屋さんも言ってましたが、正月明けから春先は比較的、柔らか物がよく売れるそうです。
前半は、いつもどおりほとんどカタログ化していますが、後半は仕立てや着付けの工夫などの実用記事が掲載されています。
今回特に興味深かったのは、127ページの「単衣から作る簡単春コート」。
作り方も載っていて、実際に編集部の人が縫ったものが写真に使われています。
家に祖母のウール着物が何枚かあるので、是非作ってみたいなと思いました。

そういえば、洋服を買いまくってた時も、GINZA、シュプール、フラウ、25ans、ドマーニと、節操なく何でも見てました。
おまけにみんな嫌いじゃなかったんだよね。

世界文化社 1,950円

「七緒」vol.5

2006-02-19 22:42:46 | きもの本
今回の特集は「お手入れ」解決隊。

最近、きもの本に「着物のたたみ方」が載っていると、ついつい見入ってしまいます。
なぜならば、本によって畳み方が微妙に違うのです。(どれがベストとは言い難いです。)
以前からリサイクルやアンティークの着物を買うとそれぞれ微妙に異なった畳みグゼがついているのが気になっていました。
最近は、畳み方についても和裁教室の先生にシツコク質問しています。
先生は「どのような理由があってそのような畳み方をするのか」までを丁寧に教えてくださるので、「なるほど!」と納得できます。
畳み方は着付け教室で習ったつもりでいましたが、勘違いをしていた部分が随分ありました。
着物って本当に奥が深いです。

話は脱線しましたが、今回の「七緒」で一番興味深かったのは、「和裁所の毎日」でした。
自分が習っている「おけいこ和裁」とは全くちがう「職人としての和裁」の厳しい修行、本当に頭が下がります。
私の着物ライフをあいった方たちが支えてくれているんだな。と改めて実感しました。
また、取りあげられていた和裁所で、修行をされている方たちが20台から30台前半の若い女性だったので、まだまだ着物も大丈夫だなと、安心もしました。

追記
最近、仕立てやお直しをお願いしている和裁士さんも上記の和裁所出身と知りました。
(左下ブックマーク参照)

プレジデントムック  1,400円

「女郎蜘蛛-伊集院大介と幻の友禅」 栗本 薫

2006-01-25 22:14:31 | きもの本
名探偵「伊集院大介」シリーズの最新刊です。
銀座の街角に突然現れた着物姿の美女に、「幻の友禅」の探索を依頼された伊集院大介。
高級呉服展示会の最中での殺人事件、謎を解く過程で出会う、古着商、着物コレクター、気鋭の着物作家、そして舞台は京都へ・・・・。
きものの世界の裏側でまことしやかに囁かれる「幻の友禅」の正体とは?

作中には著者の分身でもある「松之原カオル」も着物好きの女流作家として登場します。
おそらく栗本薫さん自身も相当着物に嵌っていらっしゃるのでは?と思わせる作品です。
「伊集院大介」のシリーズは著者自身が興味を持っていること、夢中になっている物をテーマに作品を作られることが多く、何故、他の人から見ればどうでもいいように見える事に夢中になったり、あるいは人生を捧げる人までいるのは何故なのかを考えさせられます。

着物好き、ミステリー好きには絶対楽しめます。

講談社 定価1900円(税別)

ファッション誌のきもの特集

2005-12-09 17:41:33 | きもの本
お正月が近づいてくると、いくつかのファッション雑誌では、必ず着物の特集をします。
昨日、書店で雑誌のチェックをしてみたら、「InRed」と「フィガロジャポン」が着物の特集を組んでいました。
InRedは、とじこみで「InRedお着物倶楽部」という冊子がついています。「フィガロジャポン」は「私たちのきもの事始」というタイトルで10数ページにわたって着物関係の記事が掲載されています。
基本的にファッション雑誌の着物に対するスタンスは、
「普段はお洋服だけど、たまには着物も新鮮よね。お正月とかのイベントには、着物でも着て友達や彼氏をびっくりさせたいな。」
ではないかと思います。
最近出版されているきもの本は「いかに日常生活に着物を取り入れるか」というテーマのものが多くなりました。そういった本を見慣れていると、若干物足りない部分はありますが、さすがにファッション雑誌だけあって、写真やスタイリングは綺麗でオシャレです。

「はじめてさんの着物塾」 市田ひろみ

2005-11-29 17:21:16 | きもの本
NHK教育テレビで、12月7日から約2ヶ月間に渡り毎週水曜午後10時から、市田ひろみさんの「はじめてさんの着物塾」がOAされます。
そのテキスト本が出ていたので買ってみました。
アンティーク着物の買い方やたんす着物の活用法など、着物を始めたばかりの人にはとても参考になると思います。
テキストの中には、市田ひろみさんの着物に対する思いや、右前、左前の話、成人式の着付けをしたときのエピソードなどが掲載されていて、読み物としても楽しめました。
テレビのOAも楽しみです。

日本放送出版協会 1,050円(税込)

「きものであそぼ4」 遠藤櫻子

2005-11-23 20:59:55 | きもの本
「きものであそぼ」も久しぶりに出ましたね。
Vol4になり、より遠藤さんカラーが色濃く出でいます。
アンティーク着物ブームが終わった今、この本のコーディネートのように、自分というフィルターを通すことによって生まれるアンティークや現代物という枠を超えた、その人「らしさ」こそ、次のムーブメントかもしれません。

祥伝社 1,890円

KIMONO姫 ⑥キモノ春夏秋冬編

2005-11-18 23:03:57 | きもの本
久しぶりにKIMONO姫が出版されました。
前回のナツアサタビ編から1年以上たっていたので、もうヘタッたのかと思っていました。

正直言って巻を重ねる毎に内容が希薄になっているような気がしていたのですが、今回は◎です!全体のグレードを落として年に何回も出版するより、1年以上時間があいても内容が充実したものを作っていったほうが、読者も納得するのではないでしょうか。
今回はアンティーク着物ブームの火付け役たる「KIMONO姫」の面目躍如といったところ。
樹木希林さんの着物姿は流石です。他に登場する方たちの着物姿も本当に素敵で、写真を見ているだけで、幸せな気分になれました。
祥伝社 1,200円(税別)

「和」をつくる美  節子クロソフスカ ド ローラ著

2005-11-10 12:44:57 | きもの本
今は亡きバルテュスの婦人、節子さんの手芸本です。
スイスのグランシャレという歴史ある建物で、今も着物で暮らしています。
本の最初の方で節子さんの手芸部屋の写真が載っています。
壁に人形の着物が飾ってあったり、節子さんの手作りと思しき小物たちが
さりげなく置かれていて、まさに「夢の手芸部屋」です。

本に掲載されている作品はどれも作り方が出ていて、作りやすそうなものばかりです。ところどころに載っている節子さんの着物姿も本当に素敵です。
緑色の紬の着物にオレンジ色の半襟をあわせていたり、色あわせのセンスはさすが絵描きさんです。

祥伝社 1,575円(税込)