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日記、日々の想い 

しろっ!死んじゃった⁉

 自分のせいだと、思う。しろ、可愛さだけで。間違っていた。しろを、家族として、意識し過ぎていた。社会、地域、他者との共生を、第一に考えなければ、ならなかった。それが出来ない自分は、しろの飼い主、家族として、完全に失格だったのだと思う。
 自分の母親、犬嫌いの母親が、しろが、家族になってから、我が家に来たのは、一度だけだったと思う。「しろちゃん…」とか、言ってはいたが。一応、母は、犬嫌いではあるが、自分や、家族が、実家に帰省する度に、しろ自慢をしていたので、多少、我が家の一員として、意識してくれていたのだと思う。
 ただ、一切、触ろうとしない。撫でようとか、そんな風に思えないらしい。「しろちゃん…」とか、言うのに、まったく近寄ろうとさえしない。兄家族が、一緒に来ていたので、自分の息子たちより年下の兄の息子たちが、いた。かぷっ!あ〜あっ。だめだよ、しろっ!手を出した甥っ子を、噛んでしまった。ぺろぺろでは、なくて。かぷっ!「わ〜んっ‼︎」甥っ子の泣き声。遠目にいる母の冷ややかな目。可愛い内孫なのだ。もう、完全に、嫌われたな。改めて。犬嫌いは、どうしても、犬嫌い。
 しろは、可愛い。犬は、可愛い。それは、しろを家族と思う我々家族の勝手な気持ち。社会的には、犬は、もの扱い。それが、標準。動物愛護法のような法律があって、犬猫もそれなりの社会的な保護を、受けることが出来る。虐待があれば、それなりの処罰を受けるのだろうが?しかし、例えば、犬猫が、殺されたとしても、基本は、刑法上の罪状は、器物損壊。社会の標準、基準は、愛犬家、愛猫家とは、まったく違う。例えば、我が子同様のペットを、殺されたとして、その罪は、恐ろしく軽い。犬公方の綱吉の時代ではないのだ。復讐など、多少でもしようものなら、遥かに重い罪に問われる。結局、愛犬家、愛猫家の思いは、思いとして、社会の仕組みの現実は、受け入れなければ、ならないのだ。社会人としての義務として。
 自分にとっては、しろは、三番目の息子だったが、犬にトラウマを抱えているらしい母が、他の孫たちと同様に、孫のように、思える訳がない。母にとってのしろは、ただの危ないけだものに、過ぎない。母が、しろに、馴染まないことが分かって、残念だな、ではいけなかった。やはり、犬嫌いの人には、それなりの配慮が、必要だった。
 だから、しろを、自由にしてやりたいと言う思いだけで、せっかくの、まあまあ広い庭だったとは言え、ほぼ放し飼いのランニングケーブルは、賢い飼い方ではなかった。しろに対しても、近隣住民に対しても。犬嫌いの人も想定して、人と犬の距離を十分に取れる飼い方を、考えなければならなかった。
 実は、我が家の周辺で、危ない出来事が、起こっていた。斜向かいの家では、朝起きると、庭に、ポルノ雑誌を、開いて置かれているようなことがあった。子どもは、幼い女の子一人だけだ。警察官のお宅だが、逆に、夜に、ご主人がいないこともある。誰かが、深夜に忍びこんで、置いていったとしか思えない。他の近所の家でも、動物の死体を、放り込まれた家があった。同じ犯人かどうかは、分からないが。
 しろを、庭で飼い始めたあとだと思う。まだ、ランニングケーブルにする前だが。駐車場に、烏の首無し死体を、放り込まれてしまった。息子たちは、まだ、小学生だし、そこまで、恨まれる心当たりもない。ただ、しろは、夜のよく分からない時間帯に、吠えることがあった。夜に、犬の散歩している人もいたし、そんなことだと思っていた。
 しかし、不審者も、いるんだな、と思った。ただ、しろのいる、吠える南東の庭ではなく、家の北東の駐車場だ。しろは、そこそこの大型犬だし、防犯には役立つなと思った。本当は、前の飼い主から、我が家と甘やかされ放題の性格の弱い、大概なおぼっちゃま犬だったのだが。その頃は、セントバーナードと迄は、いかなくても、結構、野太い低音で吠えた。不審者には、結構な恐怖を、与える程度には。
 だから、ランニングケーブルにして、しろが生垣から、顔を出してしまって、ちょっとどうかな、とも思ったが、防犯上は、都合が良いと言う思いもあったのだ。それは、間違いだった。休日だったと思う。まだ、昼間の午後だったか。しろが、吠えたか、どうかは、覚えていない。ただ、呻き声のような、それも、気配を感じたのだと思う。家族は、みんな別々のことをしていた筈だ。しかし、虫の知らせ的な感じで、みんなその気配を感じとったのだろう。多分、自分が、最初に飛び出した。庭のまん中。しろっ⁉︎もう、蹲って、呻いてるようだけど。声も、出ないようだ。唖然の家族一同。死んじゃった?白眼になった顔は、芝生に横たわっている。半開きの口から、吐きもの。黄色い胃液混じり。へたり込んだお尻からは、やはり垂れ流している。しろっ!

コメント一覧

takey813
@mamanjyun326you コメント、有難う御座います。小狡い書き方をして、すみません。皆さんに、続きを読んで頂きたくて、思わせぶりに、書きました。もちろん、しろは、こんなことで死ぬほど、殊勝な犬ではありませんでした。今は、自縛、いや、家縛霊となって、その辺を、うろうろしているようです。但し、これは、家族の話で、霊感の無い自分には、感じることが、出来ません。
mamanjyun326you
何が有ったのでしょう。
私の家も20年くらい前まで秋田犬を飼っておりました。
私の仕事上、子供たちが週一度、絵を習いに来ておりましたので
人慣れしたせいか誰が来ても尻尾を振る優しい犬でした。
山にも一緒に登った同志です。
こんな事も有りました。主人が犬を連れての散歩途中、怪我をして歩けなくなった時、私を呼びにきたのです。
その犬も13年で自然死してしまいましたが
犬は庭に葬ると三代守ると昔から言われて来ましたので
今は庭の日当たりの良い場所で眠っております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
暫くはお寂しいでしょうが白ちゃんも感謝していると思います。元気を出して下さいね。
takey813
コメント有難う御座います。しろは、可哀想なのか、そうではないのか、良く分からない犬でした。一応、愛犬なので、最期は、可哀想に書きます。
kaminaribiko2
まあ可哀想!
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