帰り着いた実家、家族と…(昔話の、再構成版)

多分、ねえさんと
おまえと
まったく、別な話として
話し始めていた
かも知れない
おまえが、まず
興奮しながら
堰を、切って
ねえさんは、かあさんに
もう、散々
話し尽くした
後だったろう
でも、えっ❓
と、なった
それで、ねえさんの話
おまえも
なんだか、うんっ⁉️
まさか、同じ話⁉️‼️
おまえは、だいたい
犯人が、おとなだと
思い込んでいた

ただ、その時代も
中三の、学校一の不良なんて
たいがい、大人びていた

現代以上にね

しかも、遠目
分かる訳が、ない
ねえさんも、まだ
犯人が、学校を
飛び出した後
どうしているか、とか
それは、知らない
先生たちが、山中を
追跡中だった時は

学校にすら、連絡は

入っていなかったはず

当時は、まだ

携帯電話なんて
影も形もない時代だ

考えてみれば
随分、大昔だった
警察が、追跡を
引き継いでからも

状況は、変わらない

口コミの、噂話すらない
でも、刀、人質
警察じゃない追っ手
これ、どう考えても
おんなじ、話❓
まさかねえっ⁉️
そんな事に、なってるとは❗️
ねえさんは、もちろん
そんな犯人とは
口を、きいたこともない
ねえさんの学年は
１０クラスは、あったかな

相手は、異性で

しかも、札付き
何しろ、開校以来
最悪の不良だと
評判だった
不登校なんて言葉は
なかった時代だけど
彼は、学校には
殆ど来なかったらしい
新興住宅地の学校で
市内の大企業の

大工場の従業員

その子弟が、多かった
農家みたいな
資産持ちじゃないから
親は、教育熱心
当時、学校の
進学実績は、市内一
卒業生からは
各学年ごと
Ｔ大合格者が
数人は、出ていた
この事件に巻き込まれた
相棒だった、友だちも
やがて、現役で
Ｉ橋大に合格した
多少付き合いのあった
友だちの中には
やはり、現役合格で
Ｔ大や、Ｔ工大合格者もいた
まあ、落ちこぼれた
おまえには、関係ないけど
ただ、一方では
故郷の街自体も
海軍火薬廠の街で
その跡地には
関連だった軍需工場が
民需と変わった企業など
古くから発展した
工業地帯の街で
その労働者相手の

歓楽街や、競輪場と

県内では
ガラの悪さで、有名
首都近郊にあって
高級住宅地の多い
海岸リゾート地域では
まったく異質の街
ただ、その街でも
海岸地域は
歓楽街などない
住宅地では、あった
ただ、その多くは

低所得用の公営住宅で

工場群に勤める
全国から寄せ集めの
そんな住民たちだった
そして、そこでは
当然、古くからの
地域のコミュニティは
存在していない
典型的な
新興住宅地だった
そして、その
寒々とした地域環境で
子どもたちの通う
義務教育の公立学校は
酷く、荒れている
そうも、言われていた
例えば、この前年
小五の時の、友だちだ
低所得者住宅住まいで

クラスでは、ガキ大将

二人は、色々
まったく違ったけど
でも、何故か
いつも、二人で遊んだ
ただ、やがて
１８５cmになって
しかも、スポーツ万能
喧嘩上等な彼は
中学では、番長
札付き高校進学後は
Ｓ南地区の総番とも
言われていた
後年、かあさんに
聞いた話では
県拠点の指定大反社

Ｉ川会の幹部になって
その４０代で
交通事故で
死んだのだと聞いた
彼が、不良になってからは
まったく、付き合いは
なくなってしまったけど
仲良くしていた時は
よく家には
遊びに来ていたから
かあさんも
よく知っていた
子どもの頃には
虚弱児とも言われた
おまえが
長生きしていて
体格、体力抜群で
通信簿は
オール１だったけど
地頭は、抜群に良かった
そんな彼が
早死にするとか
人生は、分からない
ただ、彼も
そうだったけど
母校になる中学校には
相当、タチの悪い
番長グループがあって