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日本とポーランド

2019-05-08 09:26:48 | 意見
先月ポーランドに行きました。添乗員さんの話でポーランド人は、日本が大好きという話を聞きました。ここでは、その話をしてみたいと思います。

 ポーランド人が日本を好きな理由、その1。
日露戦争での大日本帝国の勝利が分割に苦しむポーランド人を勇気づける。
日ロ戦争は1904年(明治37年)2月8日から1905年(明治38年)9月5日にかけて行われた戦争であるが、それ以前、ポーランドは隣国であるロシア、プロイセン及びオーストリアにより3分割され、世界地図から姿を消すという屈辱の歴史があり、ポーランド人はロシアを心底憎んでいた経緯があった。そんな中、アジアの東の端の小国がロシアに勝利したということは、いずれロシアから独立するという熱い希望をポーランド人に与えるものとなった。

 ポーランド人が日本を好きな理由、その2。
シベリア抑留に苦しむポーランド人孤児を日赤などが救出
 1920年代初頭、ロシア革命直後の混乱の中で親を失ったポーランド人孤
児達(政治犯等で流刑となっていたポーランド人の子弟)は、シベリアに抑留された親と共に飢餓と疫病の中で悲惨な状態にあった。これら765名のシベリア孤児(1~16歳)を1920年と1922年の2度にわたり日本政府・日本赤十字が受け入れ、その後祖国ポーランドに移送した。
 この歴史もあって、2002年の天皇皇后両陛下のポーランドご訪問時に、天皇皇后両陛下は存命するシベリア孤児と会見されるということがあり、日本の暖かい行動は、ポーランド人の心に深く刻まれた。

 ポーランド人が日本を好きな理由、その3。
 杉原千畝領事代理による「命のビザ」発給
 第2次世界大戦中の1940年、リトアニアの首都カウナス(当時)で日本領事館の領事
代理であった杉原千畝氏(1900年~1986年)が、多くのユダヤ系ポーランド人等に日本
通過査証を発給。その結果、ナチスの迫害に遭った多くのユダヤ人が日本経由でアメリカ
等第三国に脱出することができた。救われたポーランド人を含むユダヤ人は6000人以上に上る。
 ポーランド政府は、杉原氏の人道的功績を称え、1996年に「功労勲章勲爵士十字章
」を授与した。また2007年には、カチンスキ大統領は、第二次世界大戦時のナチス占領
下のポーランドにて勇敢にユダヤ人を救ったポーランド人及び外国人計53名に叙勲を授
与。その際、杉原氏に1996年の勲章より上位の「ポーランド再生勲章勲爵士星付十字章
」を授与した。


 ポーランド人が日本人に好感を持つ理由はもっと沢山ありますが、上はその代表的なものです。
このような歴史により、ポーランドでは日本研究・日本語教育が極めて盛んです。
(1)ポーランドでは19世紀末から20世紀初頭にかけて、西欧経由で紹介された日本文化
が文学界や美術界において流行し、日露戦争等上のような歴史も相まってポーランド人の日本への関心
が高まった。1919年にはワルシャワ大学に日本語講座が開設された。1926年より第二
次世界大戦前までワルシャワ大学で教鞭を取っていた梅田良忠氏は、ポーランドにおいて
、最初の日本語講師として知られている。
(2)1956年、ワルシャワ大学中国学科に日本学科が併設された。1987年にはポズナン
のアダム・ミツキェヴィチ大学とクラクフのヤギエウォ大学に日本学科が設立された。200
8年には新たにトルンのコペルニクス大学に日本学科が設立され、現在4つの国立大学に
日本学科が存在しているほか、私立大学でも多くの日本学科が設立され、大学での日本
語教育は高い人気を誇っている。その一例として、2006年のワルシャワ大学日本学科の
倍率は30.25倍となり、これは全ての大学の学科における最高倍率だったことが挙げら
れる。
(3)1989年の体制転換以降は、大学だけでなく、青年海外協力隊員の日本語教師、民
間レベルでの日本語教師派遣、日本美術技術博物館(マンガ・センター)での日本語の授
業などを通じ日本語を学習する機会が増えている。2008年の時点において、ポーランド
では63の日本語教育機関において、約3000人が日本語を学習している。さらに2009
年1月から、日本文化発信プログラムにより6名のボランティアがポーランド各地に派遣さ
れ、日本語普及等の活動が行われている。また、インターネットを通じた日本研究・日本語
学習も人気を集めており、日本に関する掲示板等が着実に増え、意見交換・教育の場を
提供している
(4)2004年より、日本語能力試験がワルシャワで実施されるようになり、受験者総数が2
004年の83名から2008年の348名へと4倍以上増加していることからも日本語教育に
対する関心の高さが窺われる。

 以上、日本・ポーランド関係話題集 平成23年10月在ポーランド日本国大使館 
  https://www.pl.emb-japan.go.jp/relations/j_epizody.pdf
をご参照ください。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ポーランド (船橋)
2019-05-11 10:51:38
今まで、ブログのアドレスは知らなかったです。毎日アップしている方が知人にいます。facebookにも、リンクをかけています。
今後 読みますね.
返信する
映画で知ったポーランド (阿智胡地亭)
2019-05-15 10:26:23
アンジェイ・ワイダ監督の「灰とダイヤモンド」が最初のポーランドとの出会いでした。
近年も「カティンの森」 や「ワレサ 連帯の男」を見ました。ポーランドの歴史はヨーロッパの歴史の象徴のようなところがあると感じます。またアメリカの小説に出てくるポーランド移民がアメリカで「ポラック」と、日本人の蔑称「ジャップ」と同じように言われていることも、それだけ多くのポーランド人が国を出てアメリカへ移民した歴史があるんだと思いました。現在のポーランド人の日本観の一端は夫がポーランド人のポーランドに住む日本人主婦のブログに出ていますね。https://razdwatrzy-pl.com/polishreality/
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