よろず戯言

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HK 変態仮面

2013-05-15 02:04:01 | 映画

※ 当記事、「HK 変態仮面」には、下品な内容を多く含んでいます。

 

  このような記事が苦手な方はお読みにならないようお願いします。

 

 

休日を利用して映画を観に行った。

週刊少年ジャンプで20数年前に連載された、

あんど慶周 原作の伝説のギャグマンガ、“究極!!変態仮面”

それがまさかの実写映画化、“HK 変態仮面”

 

入場の際、スタッフが半券を切りながら言う。

「11時30分上映のエイチケーですね、8番スクリーン、通路奥の右側です。」

“エイチケー”・・・客が恥ずかしくないように、タイトルをそう言うよう指示されているのだろう。

タイトルの“HK”てのはアレだ、それを考慮して設けられたな。

前に観た綾瀬はるか主演の、“おっぱいバレー”のときも、

スタッフはタイトルを“オーピーヴィー”って発していたのを覚えている。

 

Photo

 

色丞狂介(鈴木亮平)は、拳法部に所属するふつうの高校生。

刑事だった父親譲りで、人一倍正義感が強いものの、ケンカはからっきし。

そんな自分を鍛えようと、拳法部に所属した。

 

ある日、狂介のクラスに女の子が転校してきた。

名前は姫野愛子(清水富美加)、ちょっと天然の入ったお嬢様。

愛子が教室に入ってきた瞬間、狂介は一目惚れ。

隣の席になったあげく、拳法部のマネージャーとして入部して来て、

愛子との距離が一気に縮まり、想いがどんどん膨らむ狂介。

 

 

03

 

その日の帰宅途中、銀行強盗の立てこもり事件に遭遇する。

警察と野次馬が銀行のビルを取り囲み騒然とするなか、

犯人に捕まっている人質のなかに、愛子の姿を発見する!

居ても立ってもいられない狂介はビルの非常階段から侵入し、自ら愛子を助けようとする。

 

侵入した部屋は女子行員の更衣室。

たまたま見張りに来た強盗のひとりを倒し、その強盗の服に着替える。

強盗団の仲間になりすまし、愛子を救出しようと考えたのだ。

ところが、強盗の着けていた覆面と、女性のパンツを間違えて被ってしまう。

すぐに被り直そうとしたが・・・パンツが皮膚の一部になったかのように顔面に貼り付き、脱ぐことができない。

それどころか体内で何かが沸き上がり、エクスタシーを感じる。

狂介の中に眠っていた、SM女王をやっている母親譲りの変態の血が覚醒。

変態仮面”誕生の瞬間である。

 

01_2

  

変態仮面となった狂介は、人間離れした身体能力と変態技で、

銀行強盗をあっさりとのし、無事に愛子を救出することに成功する。

 

それから変態仮面が大活躍。

様々な犯罪が発生する都度、パンツを被った変態仮面が現れては、

悪人を懲らしめ、事件を未遂にして解決する。

連日、テレビや新聞紙面を賑わし、学校でも話題に。

すべて狂介が正義の味方として行っていたことだった。

   

そして愛子は、優しくしてくれる狂介に惹かれつつも、

自分を助けてくれた変態仮面にも恋心を抱いていた。

「ヘンタイだけど・・ヘンタイだけど・・・かっこいい?」

自分の正体を隠して、愛子に接近する狂介。

変態仮面に憧れる愛子に自らの正体を言えないジレンマ。

そして自分は変態ではないと拒みつつ、

ついついパンツを被って変身してしまう、認めざるをえない変態の事実。

 

そんな二人が葛藤を抱いた淡い高校生の恋を展開するなか、

舎弟を引き連れた怪しい男・大金玉男(ムロツヨシ)が転校してきた。

転校してその日のうちに空手部を潰して我が者にし、次に標的にしたのが拳法部。

その大金の魔の手が、狂介と愛子、そして変態仮面に迫る――。

 

 

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くだらなかった。

実にくだらなかった。

そして、つまらなかった。

原作ファンだったからまだいい。

正直原作レイプのつまらない脚本だったが、

“変態仮面”の完成度の高さだけは評価できるし、

あの動きを実写で再現してくれて、それだけで観てよかったと思っている。

だが・・原作知らない人だったら、最後まで耐えられないかもしれない。

 

変態仮面は良かった。

あの肉体をよく再現していた。

鈴木亮平という俳優さんは今回初めて知ったが、

なんでもこの役作りのために体重を増やし、さらにそれを絞って、

一年かけて、あのムキムキの肉体美を作り上げたという。

独特の変態チックなポージングも、コミックスを見て研究したのだとか。 

愛子役の清水富実加ちゃんも良かった。

素朴な感じで、愛子のスレていない純粋でおっとりした感じがよく出ていた。

 

永井豪原作のマンガ、“けっこう仮面”の男バージョンのような作品。

ただ露骨にいやらしかった、けっこう仮面に比べ、

変態仮面はマンガではいやらしい部分もあったが、映画ではそれほどでもない。

スカートめくりのシーンで若い女性のパンツが次々に現れるシーンくらいか。

 

納得いかないのが、設定もストーリーも原作からまるっきり変えられていたこと。

まず狂介は、“ケンカが弱い”設定だが、

原作では最初から拳法が強く、一年生ながら部のホープとして活躍している。

原作オリジナルキャラが、狂介以外には愛子と母親しか出てこないこと。

いちおう大金も原作で登場するが、映画ではまったくの別キャラ。

あのムロツヨシとかいう俳優さんも初めてみたが、どうも気に入らなかった。

阿部サダヲと同じ臭い(アドリブがオーバー過ぎる)を感じた。

 

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拳法部の面々、早乙女主将に、石田副将、

マネージャーの里美ちゃんに、狂介の親友、亀山と猿渡の二人組は欲しかったし、

なによりも、中国からきた、春夏と秋冬の四季姉弟が出ないのが痛い。

狂介をめぐる、愛子と春夏との間で繰り広げられる静かな戦いや、

狂介とパンツ男(変態仮面)との間で揺れ動く春夏、そして秋冬に迫る主将・・・。

まあ四季姉弟を出してしまうと、ストーリーが絞れなくなる恐れもあったろうが。

 

 

あと「フォォォ・・・!」っていう叫び声、 

 

唸るように低い声で叫んでいるのを想像していたが、 

 

レイザーラモンHGのように、高い声で伸ばして叫んでいた。 

 

こういうのひとつとっても原作からのイメージが異なっていて、ちょっとがっかりしたりする。 

 

そして原作ファンとして、もっとも受け容れられなかったのが、ラスト。

原作では最後まで決して誰にも正体を明かすことがなかったのに・・・。

それなのに一番バラしてはいけない人物に・・・、

こともあろうか、その場でそれを要求してしまうし・・・。

 

それにしても脚本がいただけなかった。

何年か前に公開された、柴崎コウ主演の少林少女と同じくらいのお粗末脚本。

最後なんて、なにアレ? CGでロボットて・・・。

で、よくみると、“脚本協力”小栗旬

戦犯はコイツか?

 

原作ファンは、このダメダメ脚本の原作レイプっぷりを観に行くのもアリ。

まあ、個人的に変態仮面だけでも観る価値はあると思う。

お決まりのセリフ、「それは、わたしのおいなりさんだ!」もある。

「WELCOME!」が無かったのが残念。

原作を知らない人には、到底お勧めできない。

 

 

ここから映画ではなく、原作マンガ、“究極!!変態仮面”について語りたい。

 

Photo_2

今でも大切に所有している、コミック全6巻。

映画化に伴い、文庫版全5巻としてリメイクされたものが復刻発売されている。

 

連載された当時、高校生だった自分。

当時からバカなことが大好きだったので、この変態仮面もすぐにお気に入りになった。

周りがドラゴンボールやスラムダンク、幽々白書に熱中するなか、

変態仮面だけのためにジャンプを借りて読んでいた。

 

01

  

放課後、クラスメートの机の上に、

でっかく鉛筆で変態仮面のイラストを描くイタズラをよくやった。 

書くのは決まって、「WELCOME!」のポーズ。

 

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女性のパンツを被る・・・。

この男の変態・究極的な願望を、マンガでいとも簡単にやってのけた作者に脱帽した。

それまで頭にパンツを被るようなマンガはあったが、

顔に、しかも鼻に陰部の部分が来るように被るなんて、誰が想像したろうか。

さらにブリーフを肩まで伸ばし、股間を強調したあのコスチューム、

網タイツにSM用の鞭、アブノーマルな要素もミックスした、まさに“究極”なマンガだった。

 

03_2

 

変態仮面を知らない人でも、2ちゃんなどでAAだけならば見たことがあるだろう。

 

Aa01 Aa02

 

これらAAが使い続けられるのを見ても、

変態仮面がいかにインパクトの強い、伝説的なマンガだったのが判る。

これがまさか20年以上の時を経て、実写映画化されるなんて誰が想像できたろうか・・・。

 

Photo

高校のとき友人から来た年賀状。

九谷君 元気かな?

 

映画を観終わって劇場を出て、グッズ売り場へ向かった。

目的はもちろん、映画パンフレットを購入するため。

だが、ショーウインドウにパンフレットが見当たらない。

店員の若いおネエちゃんに訊いた。

「変態仮面のパンフレットってないんですか?」

「少々お待ち下さい。」

そういってカウンター裏を探すおネエちゃん。

「ちょっと奥を探してきますね。」

そういって、なかなか出てこないおネエちゃん。

しばらくして、別のスタッフが現れた。

「すみません、変態仮面はパンフレット自体、販売されていないようです・・・。」

そうだったのか・・・パンフくらい作りなさいよ!

グッズも色々買いたかったのに、グッズもひとつもありゃしない・・・。

 

仕方がないので地下の食料品売り場にあった、

いなり寿司専門店で、“おいなりさん”を買って帰った。

美味かった。

 

Photo_5

豆狸(まめだ)いなり

美味いんだこれが。

 

 

※ えんどコイチ作:ついでにとんちんかん,御童カズヒコ作:温泉ガッパドンバ など

 

 



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
実写化されたのが以外でした。 原作は強烈なマン... (kawaekita)
2014-03-24 11:37:16
実写化されたのが以外でした。 原作は強烈なマンガですよね。
返信する
kawaekitaさん、初めまして。 ()
2014-03-25 00:37:48
kawaekitaさん、初めまして。
コメントありがとうございます。
 
自分も実写映画化を聞いたとき、「嘘だろ?!」と驚きました。
記事にあるように、内容は残念なものでしたが、
これを実写化したことだけでも評価できると思います。
 
原作は確かにかなり強烈ですよね。
出てくるキャラクター達も強烈な個性を放っていましたし、
それが実写映画には活かされていなかったのも残念でなりません。
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