夏の花壇を彩る花のひとつ、ヒャクニチソウ“Zinnia”。
名前の由来は、長期間花を咲かせ続けることから。
実際、晩春から秋まで、ゆうに100日以上の長期に渡って花を咲かせ続けてくれる。
最近はヒャクニチソウとは呼ばず、学名から“ジニア”と呼ばれることも多い。
メキシコ原産で、南米・北米にも広く亜種が分布している。
ヨーロッパに渡って改良がなされ、日本に来たのは江戸時代。
昔は観賞用よりも、仏花(お墓や仏壇に供える花)用としての栽培が盛んで、
春から夏に変わる頃、キンセンンカからこのヒャクニチソウに仏花もバトンタッチされる。
花壇用の改良品種が多く出回っている現代でも、
年配の方は仏花として切り花用の品種を買い求める傾向がある。
夏の盛りでもへたることなく成長し、花を咲かせ続けてくれるが、
水枯れを起こして葉がしおれると、醜くなってしまうので注意が必要。
また、病害虫にもよくやられる。
イモムシやバッタに葉を食い荒らされるし、ナメクジなどに根茎をやられる。
ハモグリバエ(エカキムシ)にやられ、葉の表面に迷路が描かれたりすることも。
一番やっかいなのが、うどんこ病。
“ジニアうどんこ病”と呼ばれる、専用細菌による被害が多く、
花には大して影響ないものの、ハモグリバエの食害同様、葉の見た目が著しく損なわれる。
長期間花を咲かせ続けるとはいえ、株にも開花サイクルがあり、
ひととおり伸びきって花を咲かせ終えると、元気がなくなり、花数が減り衰えだす。
そういうときは、思い切って切り戻しをして、追肥してやることで、
また半月ほどで勢いよく茂った、きれいな草姿を取り戻してくれる。
株の元気を保つためには、終わった花をまめに取り除くのも大事。
ヒャクニチソウは終わった花が醜い(どの花もそうだが)ので、花がら取りはまめにやるべき。
最近は花壇向けに矮性品種(丈が長く伸びない品種)で、
花もポンポン咲きや、ダリア咲きのものなど、色もカラフルでバリエーションが増えている。
仏花のイメージを払拭し、ペチュニアやトレニア,サルビア,イソトマとともに、
花壇の一員として、ヒャクニチソウもいかがだろうか?
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