よろず戯言

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沼津港深海水族館

2017-04-30 23:43:24 | 旅行・まち歩き

静岡旅行 沼津で一泊編のつづき。

 

静岡旅行二日目。

旅館をチェックアウトし、徒歩で海岸沿いを歩き、

駿河湾の景色を楽しみながら沼津港を目指す。

沼津港内にある深海生物主体の水族館、沼津港深海水族館が目的地。

 

 

 

日本で最も深い湾、駿河湾。 

その駿河湾に面した沼津港で、水揚げされる深海生物。

なかには古くから漁の対称魚として、ふつうに食べられてきたものから、

他の獲物に混ざって、水揚げされてしまう生物など、

さまざまな深海生物が、ここ沼津で獲れるのだという。

 

 

 

深海水族館の二階は、シーラカンス・ミュージアム。

3億5千年前から姿が変わっていない古代魚のシーラカンス。

深海魚の代表格ともいえる、この生きた化石。

剥製や冷凍保存された生標本など、計五体ものシーラカンスの実物が展示されている。

とくに冷凍の標本は、世界初の展示となって注目された。

 

 

 

そんな沼津深海水族館,シーラカンス・ミュージアム。

昨年、テレビで紹介されていて、そのときにいつか行きたいと思っていた。

地元で捕獲された深海生物は、漁師から提供を受けて すぐに展示するという。

深海生物はまだまだ謎が多く、名前すら判らない個体であっても、

"名前不明"として、そのまま展示してしまうというユニークな展示方法が紹介されていた。

運が良ければラブカなどが展示されることもあり、貴重なそれを見ることができる。

 

はす向かいのカフェにはシーラカンスのモニュメントが。

 

水族館の入口までの長い列に並び、しばらく待つ。

建物の側面には小さなショーウィンドウがいくつかあり、

シーラカンスやダイオウグソクムシ,リュウグウノツカイなどのマスコットが展示されていて、

スタッフ手作りのディスプレイとともに楽しませてくれる。

小さいながらも、入館待ちをする客を退屈させない工夫に感心する。

 

 

水族館の道路を挟んだ向かいには、

"沼津バーガー"という名のハンバーガーショップがあった。

九州だと、佐賀の唐津バーガー,長崎の佐世保バーガー,大分の九重夢バーガーなど、

ラーメンや焼きそばに次ぐB級グルメとして、にわかに脚光を浴びている ご当地ハンバーガー。

その類かと思っていたら、どうやらこのお店だけらしい。

マグロや深海ザメを使った、フィッシュバーガーが目玉メニューなよう。

水族館待ちをしている客にも、それをアピールするポスターがたくさん貼られていた。

 

激レアなのに価格はそうでもない。

 

それを見て、自分らの後ろに並んでいた若者グループが大声で喋る。

まあ、チーマー(死語かね?)というかなんというか、嫌な雰囲気の若者たちである。

「見て見て!"サメバーガー"だって!」

「マジ!?サメやばくね?てゆうかサメうまいの?」

フカヒレスープとか、フカの湯引きとか知らんのか・・・。

「マグロの方がふつうに良くね?」

それはまあ同意だわ。

「よく見たらさ、"ザメ"バーガーってなってんじゃん!これ騙しじゃね?」

「本当じゃん!"ザメ"って何よ!?ウケる!」

はぁ?

 

 

嫌な感じの若者たちが、これまた嫌なイントネーションで大声の東京弁だよ・・・。

こういう会話聞いてたら、頭悪そうに聞こえちまうな。

そもそも、ザメバーガーって・・・"深海ザメバーガー"って書いてあるのに、

"深海"を抜いて読んでしまったのか?

イイダコ,レンコダイ,シタビラメ,ニシキゴイ,etc・・・。

頭に別名詞が付いたら濁る言葉だってあるだろうがよ。

ホオジロザメ,ノコギリザメ,シュモクザメ,ドチザメ,チョウザメ,etc・・・。

サメだってそうだろう?

 

「イェ~イ!お待たぁ~!」

真っ赤なキャップをヘンな角度にかぶった、

金髪ピアスの若者が、手にいくつかハンバーガーを持って、

後ろのでかい東京弁のバカっぽい若者の列に加わる。

「こっちマグロぉ~、こっちがアジフラ~イ!」

「あざっす!**先輩、気が効くっすね!!」

水族館の列を離れ、ハンバーガーを買いに行ってた模様。

けっきょくサメは食わんのかい。

 

 

 

耳障りなでかくて頭の悪そうな東京弁を聞かされつつも、ようやっと列が入口まで進んだ。

中に入ると、目に入ってきたのは、岩肌に深海生物たちが彫刻されたかのような壁面。

深海らしく、極力照明が抑えられた暗いブルーの入口。

吹き抜けになっている天井を見上げれば、

美しく七色に光るリュウグウノツカイのオブジェが吊るされている。

ほどなくして、受付に。

入館料を支払って、いざ沼津港深海水族館へ――。

 

 

まず入館したはいいが、人がごった返していて展示水槽を見ながら進めない。

前日から開催された、"ニューカレドニア展"なるブースが大人気だった。

そこを無視してとりあえず先に進む。

実際、スタッフもそう促していた。

中ほどまで進めば、ある程度ゆとりができて、ゆっくり鑑賞できるようになった。

暗い水槽をゆったりと泳ぐ深海魚が目に入る。

大きなタカアシガニも存在感を放っていた。

タカアシガニといえば、宮沢りえ主演の映画、湯を沸かすほどの熱い愛で、

うまそうに食べるシーンがあり、たしかあれ静岡だったはず。

もしや、沼津だったとか?

 

 

 

 

 

生体展示ばかりではなく、標本としてたくさんの展示物があり、

なかには触れることができる展示スペースもあって、なかなか面白い。

この独特の趣ひとつとっても、普通の水族館とは一線を隔す。

そして奥へと進むと、目玉の生物のひとつ、メンダコが展示されていた。

名前のとおり、タコの仲間ではあるが、

通常アタマとして見ている腹部が小高く盛り上がっているだけで、目の部分がいちばん高いくらい。

脚は広い膜でそれぞれが繋がっており、まるで円盤のような形状。

その脚は短くて太く、吸盤も一筋ずつしかない。

見ようによっては、タコの足だけのようないきもの。

息子もメンダコを楽しみにしており、しばらく見入っていた。

(メンダコブースは撮影禁止だったため写真はナシ)

 

 

 

深海生物は奇妙でユニークな姿をしたものが多く、

それに伴って、これまたヘンテコな名前を付けられているものが多い。

そんなわけで、名前でどの水槽のいきものなのかを当てるという、

ちょっとしたクイズ形式の展示ブースもあった。

息子とふたり、真剣にそれを当てにいく。

・・・が、意外と難しいものもあり、全問正解とはいかない。

 

 

右:ウミホオズキチョウチン

左:フジヤマカシパン(奥)と、名前チェックし忘れたカニ(手前)

 

深海生物のなかには、発光器官を持つものも居る。

水深1,000mも過ぎれば、太陽の光が届かない漆黒の闇となる。

真っ暗ななかで、仲間同士コミュニケーションをとるため発光器を用いるといわれている。

そんな習性を利用し、深海と同じ真っ暗なブースを作り、

発光器を光らせて、それを鑑賞できるようになっている水槽も。

本当に真っ暗で、点滅する光しか見れなくて魚自体は見えない・・・。

きれいなんだけどね。

 

 

ウミグモの生体と、チョウチンアンコウの標本。

 

一階から二階へと進む。

二階はシーラカンス・ミュージアム。

デフォルメされたシーラカンスの人形が動いて喋る。

マスコットでナビゲーターの、シーラ爺が出迎えてくれる。

そしていきなり、剥製の大きなシーラカンス二体が目に入る。

脇には、捕獲の際に実際に現地で使用されたカヌーや、

生きて泳ぐシーラカンスの貴重な映像も流れていた。

 

 

シーラ爺と、剥製のシーラカンス。

シーラ爺はセンサー内蔵で、前に客が来ると喋りだす。

 

二階の中央には、冷凍保存されたシーラカンス。

ガラス張りの冷凍庫で生のシーラカンスを360°観察できる。

周りには、様々な展示物もある。

魚類に関わらず、生物の進化の過程を展示したもの、

淡水魚なども含め、特異な進化をした生物、

透明な骨格標本のブースは、まるで宝石のショーウィンドウみたくきれいだった。

 

 

捕獲の際に実際に使用されたカヌーと、シーラカンスの魚拓。

 

 

冷凍シーラカンス。

 

 

透明骨格標本。

塗料が流し込まれていて判りやすく色づけされていて美しかった。

 

深海生物のCG映像のコーナーや、

オウムガイやダイオウグソクムシなんかも展示されていた。

ダイオウグソクムシは大人気で、人だかりが凄かった。

変わったところで、深海生物グルメみたいなコーナーがあり、

沼津港にある飲食店とコラボして、その料理の紹介などもあった。

なかには、明らかにフザけたような創作料理なんかもあり、

マジでやってんのか冗談なのかよく判らないものも。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

出口付近には、ミュージアムショップ、グッズ売り場だ。

水族館来たら、買っちゃうんだよなあ。

だが今回は電車の旅。

これからおみやげのお菓子なんかも買わなきゃならない。

手荷物をかさ張らせるわけにはいかない。

ここでもグッと我慢して、買うものを絞り込む。

シーラカンスのタオルとフィギュアを購入。

息子はメンダコのリアルフィギュアの入った、フレグランスの置物を。

娘へのおみやげに、デフォルメされたかわいいメンダコのマスコット。

元嫁へのおみやげを買い忘れるという・・・。

 

 

オウムガイとダイオウグゾクムシ。

 

 

左のミツクリザメ(ゴブリンシャーク)は自分がいちばん好きな深海魚。

右のラブカは、映画シン・ゴジラで第一形態のゴジラのモデルとなった深海魚。

 

 

名前をチェックし忘れたアンコウの仲間と、シーラカンスの剥製。

 

水族館を出て、沼津港の飲食店街が立ち並ぶメインストリートに出る。

さあ、これからお待ちかね、食事タイムだ!

あれこれ食べたいものばかり!

これから歩いて見て回り、駿河グルメを満喫するのだ。

そう意気込んでいたものの、息子の様子がおかしい。

朝食後、長距離を歩いたせいか、気分がすぐれず食欲もまったくないと言う・・・。

おいおい勘弁してくれよ、人が何を楽しみに来たと・・・。

 

つづく。

 

購入したシーラカンスのタオルとフィギュア。

 

 

今回購入したシーラカンスのフィギュア(大きい方)と、

前に行った長崎ペンギン水族館のガシャポンでゲットしたシーラカンスのフィギュア(ちっちゃい方)。

 

息子が買ったメンダコのフレグランス(キャンドルではなかったはず)と、

娘へのおみやげに買ったメンダコのマスコット。

 

グッズの袋にはドット絵で描かれた深海生物たちが。

なかなかグッドなデザイン。

 

前にプライズマシンでゲットした、シーラカンスのマスコット。

 

ドラクエⅩで釣り上げたシーラカンス。

赤色の依頼でも絶対に釣り老師には譲らない。

 

出口にあった大きなメンダコのぬいぐるみ。

 



2 コメント

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Unknown (れいな)
2017-05-01 07:42:40
おはようございます。
水族館とか好きなのでここは面白そう。
こんなの食べたくない!
の作り物がなかなかイカしてますね。
ミツクリザメを見ると、フォーエバーブルー2のゲームを思い出します。
あれほどワクワクしたゲームは有りませんでした。
RPGで言うところのラストダンジョンみたいな終盤になっていよいよ登場するボスの様な威厳で深き海に君臨していました。
「とうとう見つけたー!」と興奮したのを覚えています。
もうプレイされましたかな?
Wiiソフトなのでもはや稀少かもしれませんが。
静岡方面に行く時に立ち寄るスポットとして記憶しておこうと思います。
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アクアノートの休日 ()
2017-05-01 19:19:04
れいなさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
 
水族館好きならば行って損はないと思いますが、
いかんせん“深海”という、テーマがテーマだけに、
華やかさに欠けますし展示生体も少なめです。
そのぶん入館料は安めですし、
よりディープでマニアックな展示物もあるので、
充分に楽しめると思います。
 
写真は載せていませんが、「こんなの食べたくない!」のコーナー、
パネルにも載っている、ヌタウナギを丸ごとサンドした、
ホットドッグとか生春巻きとか、
まだまだフザけたのがたくさんありました。
ふだん食用にしない深海生物を、
スタッフが実際に食べたレポートも面白かったです。
ウミグモなんか、「鉄を焦がしたような味」なんて書かれてましたが、
そんなもん食ったことあるのかよと。
 
そのゲーム、確かずっと昔にれいなさんのブログでコメントしたような・・・。
Wiiでも初期の頃のゲームでしたよね。
あの後、探したのですが見つからず、とうとうプレイできずじまいでした。
ヤフオクや中古ショップをめぐるとかしないと見つからないでしょうね。
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