THE POEMS OF ARSHAD ULLAH IN BENGALI

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地下から山へ

2016-09-01 15:29:28 | Weblog
地下から山へ

アルシャド ウッラ
日本語訳 加藤博美


地下から山へ 夢の梯子を使い 独りで
 上ったり 下りたりしている私
  心には この地上の世界が広がっている


此処 地上には 過去の記憶が 永遠に停止している

古代都市 バビロンの 空中庭園 その磨かれた壁面には
 何千年か前に 誰か 一人の詩人が 刻んだ言葉が残る

命の詩 短い歌の断片
その中には 彼の心が 今も生きている

今も 詩人の命は 此処にある
 命の詩 書かれた言葉の中に

一体 誰が この命を 残したのか
 複数の壁 刻まれた歌の中に
  詩人は 確かに 生きている

詩人の魂は 彼自身の中ではなく 詩の中に 生きている


私は 地上に 何千年の間 生きて 旅をして来た

万里の長城を通り メソポタミアの遺跡 バビロンの都を抜けて
 ピラミッドの聳え立つ エジプトの街へ


過去は 一切 この辺りでは 過去ではない

彼らは 現在の地球上に立って 今も 会話を し続けているのだ

サイクロン

2016-09-01 15:20:52 | Weblog
サイクロン            

アルシャド ウッラ
日本語訳 加藤博美

お前は まるで負け犬のようだ
また バングラに来た この秋の後に
まさか これ程 酷い殺戮を お前がするとは…

お前はどこかに押し入ろうとして逆襲されたのか
その腹いせに これほど意味のない殺戮をしたのか

地球の汗から生まれたお前は
海から大地に押し寄せ 理不尽な怒りに任せて
罪なく 助けもない男女や子供たちを 情け容赦なく
死に追いやった

お前は 自分のしくじりに腹を立て 八つ当たりのために
これ程の大量の殺戮をしたのか

お前は ただのバカ野郎だ
何が不満なのか

死んだ人たちは 今はもう 遠いところに行ってしまった

けれど 彼らは きっと また 帰って来る

満月の夜毎に 北斗七星から降りて来る
蛍や鳥 あるいは人間の子供となって

彼らは 海岸で お前と戦って 命を投げ出したが
彼らの魂は まだ 死んではいない

彼らは生きている
地球の屋根 天空の星の国にいる

そして 彼らは いつか また きっと
彼らの家に 帰って来る
この バングラの 海の岸辺に

彼らのメッセージが聞こえる
いつ 彼らが帰って来たのか
その足音が聞こえる

彼らが 帰って来たのが 分かる
春 青い空に 飛んでいる 雲雀の声で
あるいは 春の祭りの日の
たくさんの集まった人々の間に
あるいは 村のどこかのバンヤンの樹の上に
竹林の中に 鳥たちが巣を掛ける季節 正月の日に

鳥たちと共に 多分 彼らは来る
ロンシャンの断食の後の 井戸祭りの日に
あるいは ドゥルガ祭りの日に あるいは秋の始まりの季節に
野生の鴨 ムクドリ あるいは 一番の鶴となって
バングラデシュの国の鳥 ドゥエルや鳩と一緒に

マンゴーの林 それとも カンブランガ ジャックフルーツの樹の枝の上に
彼らは 座る
収穫期の田んぼ たわわに稔った棚田 色鮮やかな田園
バングラデシュに 彼らは きっと 帰って来る

多分 蜜蜂として 彼らは 花に止まる

もしかしたら 彼らの一部は もう 既に 帰ってきてしまっているのかも知れない 

この空の上 鶴となって 遠く シベリアから ヒマラヤの峰を越えて
バングラの平野 大きな河の港 それとも 小さな川原の土手に

けれど もしも まだ 彼らの一部が帰って来ていないのだとしても
彼らが もうすぐ 帰って来る 兆しがある  

いつか 彼らが帰って来るときには 彼らのメッセージは 私たちが感じる 

例えば 10代の無邪気な少女の草色を帯びた爽やかな顔を見るとき
あるいは 彼女の結婚式の準備のための沐浴の日
彼女が 黄色いサリーを着て ヘンナの葉で手のひらを赤く染めた手で
淑やかに 座っているときに その傍らに

あるいは 彼女の周りに集まって 彼女を祝福している 優しい少女たちの中に

それとも 私たちは 「母国語の日」― 祖国の独立記念日に 彼らを見るかも知れない
その日には 清清しい少女たちが 早朝 一斉に それぞれに花束を抱いて
独立のために戦って死んだ学生たちの墓に向かって その墓前に慰めの花を手向けようと
恭しく 歩いていく    その一群の中に…

あるいは 同じ日 熱く燃える思いで 記念碑に向かって
町を歩く 若い男たちの学生たちの行列の中に…

サイクロン お前は 遠い雷鳴 災いの兆し
お前は 醜い片足の悪魔 堕落した隕石
悪魔の中の悪魔 サタン

この国の人々は お前と戦って 死んだとしても
決して お前に跪き お前に向かって 頭を下げることはない