かつて天文少年だった私は、ハレー彗星と金環日食だけは生きてる間に見ておきたいと思っていた。宇宙の暦に対し余りに人の命は短い。今回は173年ぶりで、次回は300年後と言われても生きていない。ハレー彗星が駄目だっただけに金環日食にかける思いは大きかった。しかも住んでいるところで見れるなんて。
雲の切れ間からダイヤモンドの指輪のように輝く日食に暫し見とれていた……次は今日開業した天空スカイツリーの天望回廊からみる地上の景色か。これは実現しそうだ。
最近読んだ本から
「ビブリア古書堂の事件手帖」 三上 延著 メディアワークス文庫
北鎌倉駅近くの一軒の古本屋。店長の栞子さんとの古書にまつわる事件の発生。新しいジャンルの推理小説に思わず引き込まれていく。夏目漱石や太宰治も絡んでいて文学青年であったらなお楽しく読めたのにと思う。文庫初の本屋大賞候補として話題になった。
「悩む力」 姜尚中著 集英社新書
4年程前のベストセラー。まもなく続編が出るとか。夏目漱石とウェーバーをヒントに今を生きる悩み解決の手法が…。何の為に働くのか、変わらぬ愛はあるのか、なぜ死んではいけないのか。現代人は情報の多さに比べ考える時間が少なくかつ悩み多く忙しい。振り返る時間があるかどうかが解決のポイントと私は思うがその時間をどう作るか…。悩みは尽きない。
「陽だまりの彼女」 越谷オサム著 新潮文庫
表紙の絵に腰が引けたが、読んでみた。読後、なんと言ってよいかよく分からない。書評が難しい。でもいい本だ。
5月4日のゴールデンウィーク中に上野の東京国立博物館で開催中の「ボストン美術館~日本美術の至宝展」に行ってきました。連休中ということもあり、入館制限で30分も待たされるというアクシデントもありましたが、内容は満足できるものでした。
日本の美術品が海外にあるというのも違和感はあるが、つい最近もムンクの「叫び」がオークションに出されたばかり、美術品に国境はない。外国に出たので助かった例も考えると良き運命なのか。
展示品で一番はやはり屏風画の数々。中でも修復を終え日本初公開の曽我蕭白(しょうはく)の「雲龍図」はその大きさだけでなく見事な構図の迫力に圧倒される。剥がされて倉庫に眠っていたのも信じられない素晴らしさだ。これだけでも来た甲斐がある。
長谷川等伯、尾形光琳らの屏風画、中世の山水画など時間がいくら有っても足りない。6月10日まで。