隅田龍馬容疑者（２４）

＜大阪女性刺殺＞別の男性と現れ立腹…容疑者が供述

大阪市中央区高津３のマンション６階の一室で１１日、女性が刺殺された事件で、住人で自称アルバイトの隅田龍馬容疑者（２４）＝殺人未遂容疑で逮捕＝が「女性が知らない男性と急に現れ、別れ話をされたので腹が立った」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かった。

大阪府警南署は１２日、亡くなったのは住所・職業不詳の小島優輝（ゆき）さん（２１）と発表。千葉県内に住む母親が確認した。

　捜査関係者によると、小島さんは最近まで隅田容疑者と同居していたとみられる。事件当日は事前に会う約束をせず、知人男性（２３）とともに隅田容疑者宅を訪ねた。男性には「相手が家にいたら別れ話をしようと思う」と漏らしていた。

　小島さんが合鍵で部屋に入ろうとした際、中から隅田容疑者が姿を見せ、男性に「２人で話がしたい」と説明したとされる。

　隅田容疑者は直後に部屋の鍵を閉め、小島さんを包丁とみられる刃物で襲った疑いがある。１２日の司法解剖の結果、小島さんの死因は頸（けい）動脈の切断による失血死だった。

　南署は１３日午前、容疑を殺人に切り替えて隅田容疑者を大阪地検に送検した。

(毎日新聞 7月13日)


大阪・中央区のマンション刺殺：「別れ話もつれ殺そうと」　容疑者宅、女性訪問で

大阪市中央区高津３のマンション６階の一室で１１日、女性が刺殺された事件で、女性は事件前「交際相手が家にいたら、別れ話をしようと思う」と知人男性に打ち明けていたことが捜査関係者への取材で分かった。現場は殺人未遂容疑で緊急逮捕された男の自宅だった。女性は事前に男と会う約束をせずに、この知人男性とともに男宅を訪ねたという。

　大阪府警南署によると、男は自称・アルバイトの隅田龍馬容疑者（２４）で、死亡した女性は同居していた２０代とみられる。隅田容疑者は「別れ話のもつれで女性を殺そうと思い、セラミック製のナイフで首を切った」と供述。自宅からは凶器とみられる刃物の柄が見つかり、刃自体は女性が運ばれた病院で回収された。

　隅田容疑者は１１日午前１０時５５分ごろ、女性の首付近を刃物で数カ所刺した疑いが持たれている。南署は女性の身元確認を急ぐとともに、１２日に司法解剖して死因を調べる方針。

　女性は午前１０時５０分ごろ、隅田容疑者宅を訪ねた。同行した知人男性（２３）が南署に説明した話では、女性は隅田容疑者に別れ話をした上で荷物を持ち帰ろうとしていた。女性だけが部屋に入ると玄関の鍵がかかり、直後に悲鳴が聞こえた。

　知人男性は、隣人の部屋のベランダから隅田容疑者宅のベランダに移動した。血まみれになった女性が居間でうつぶせに倒れているのを見て、１１９番通報をしたという。

　隅田容疑者は身柄を確保された際、「彼女を殺した」と笑いながら話したとされる。言動に不可解な点があり、南署は刑事責任能力の有無を慎重に調べている。
　

　「キャー、痛い。助けて」。現場マンションに住む女性会社員（１８）は午前１１時前、３０秒以上にわたり女性の悲鳴を聞いた。男のうなり声も耳にした。女性会社員は「尋常ではない悲鳴に怖くなり、部屋から外に出られなかった」と声を震わせた。

　近所のマンションの高層階に住む女性（３７）は数回の鈍い音を聞き、階下を見下ろした。窓ガラスが割れた隅田容疑者宅のベランダに若い男性がおり、男性は携帯電話で助けを求めているようだった。

　南署によると、隅田容疑者は死亡した女性と一緒にいた知人男性に、マンションの自室前で「２人で話をさせてほしい」と懇願。女性だけを招き入れた直後に襲ったとされる。知人男性は隅田容疑者宅のベランダの窓ガラスを割り、女性を救出しようとしたという。

また、長髪を束ねた黒いＴシャツ姿の隅田容疑者が午前１１時過ぎ、「アー」と叫びながら、裸足でマンションを飛び出していくのを複数の近隣住民が目撃している。両手や顔、首筋は血だらけだった。数分後に戻ってきたが、警察官に連行される際、笑いながらスキップしていたという。

（毎日新聞　2015年07月12日）