「ユダヤ人は死ね」 米銃乱射の容疑者、憎悪発言繰り返す
米ペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で27日に起きた銃乱射事件で、信者らを銃撃したロバート・バウアーズ容疑者(46)が反ユダヤ的な発言を繰り返し、調べに対してユダヤ人全員が死ぬことを望んでいると供述していることが、供述調書などから明らかになった。
この事件では信者11人が死亡し、警官や特殊部隊の4人を含む6人が負傷。ユダヤ人が狙われた事件としては、米国史上、最も多くの犠牲者を出した。ユダヤ人団体などは、反ユダヤ人感情が高まりつつある中で、見過ごされている憎悪の危険性が浮き彫りになったと指摘している。
捜査当局によると、バウアーズ容疑者はインターネットでも犯行の当日も反ユダヤ的な発言を繰り返していた。現在は治療を受けながら取り調べに応じており、「私はただユダヤ人を殺したかった」と話しているという。銃撃は単独で行ったと見られている。
同容疑者は殺人など少なくとも29件の罪で訴追され、29日午後に裁判所に出廷する。
イスラエルの離散ユダヤ人問題担当相は28日、追悼集会に参列するためピッツバーグに到着。「反ユダヤ教は過去の出来事ではなく、歴史の中の一節でもない。これはまさに真の脅威だ」と訴えた。
ユダヤ系の住民が多数を占める地区では、雨が降りしきる中、大勢の人が集まってろうそくをともし、犠牲者を悼んだ。
バウアーズ容疑者は以前から、「表現の自由を守る」とうたったソーシャルメディアの「Gab」で反ユダヤ的な発言を繰り返しており、事件の4時間前にはトランプ大統領について投稿。数分前には「自分の人々が虐殺されるのをじっと見ていることはできない」と書き込んでいた。
Gabは同容疑者のアカウントを停止し、米連邦捜査局(FBI)に通報したことを明らかにした。
(2018.10.27.CNN)
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