京都・女子大生タリウム殺人
「舞妓ビジネス」で成功の容疑者、父は“謎の死”を遂げていた
舞妓(まいこ)ビジネスを手がけていた宮本一希容疑者(37)が知人の女子大生・浜野日菜子さん(21)=当時=を殺害したとされる事件。昨年10月、京都市内の浜野さん宅で酒を飲んでいたところ、何らかの方法でタリウムを摂取させて殺害したというのが彼にかけられた容疑である。さらに、宮本容疑者の父は数年前に“謎の死”を遂げていたということが「週刊新潮」の取材で分かった。
わずかな量でも人を死に至らしめる劇薬のタリウム――。そんな“猛毒”によって引き起こされた事件が3月3日に発覚した。 大阪府警はこの日、立命館大学に通う浜野さんを殺害したとして宮本容疑者を逮捕。府警によれば、昨年10月12日午前、京都市内の浜野さん宅で酒を飲んでいたところ、何らかの方法でタリウムを彼女に摂取させたという。 「宮本容疑者は逮捕前の任意聴取で、“浜野さんが急に咳き込み始め、症状が良くならないので、彼女の母親に連絡した”と話していた。浜野さんは病院に搬送され、その後に死亡しました。タリウム中毒による急性呼吸窮迫症候群が死因と考えられ、府警はタリウムの入手先などを慎重に捜査しています」(府警担当記者) 京都市で生まれ育った宮本容疑者の実家は、修学院離宮から徒歩圏内の約250坪もの土地に建つ三つの一軒家。市内には、彼の父親や伯母を含む親族名義の不動産が複数確認できる。 大学卒業後、関西での就職を経て転職で上京した宮本容疑者が京都に戻ったのは5、6年ほど前のこと。そこで頼ったのが“伯母”だった。彼の知人によれば、 「伯母さんはお茶屋ビジネスを始めようとしていたんです。2015年に親族の会社が宮川町にある3階建ての木造家屋の物件を購入しました。京都に戻って仕事をどうしようかと悩んでいた一希くんに伯母は“それならあなたがやりなさい”とそのビジネスを任せたのです。屋号は『弘庵』。名付け親は伯母でした」
「宮本容疑者の会社にアルバイトとして入ってきたのが被害者の浜野さんだった。舞妓がホテルに派遣される際に付き添ったり、会場で司会や音響を担当することもあったようだ。宮本容疑者は既婚者でありながら、夜な夜な美貌の彼女と市内の会員制バーなどで親しく飲み歩く姿が確認されている」(捜査関係者) そして、20年ごろから宮本容疑者の生活は大きく変化する。「そのあたりから急に羽振りが良くなったように聞いています」とは容疑者を知る別の人物である。 「単価が2、3万円するような高級店に通うようになったんです。京都の高級中華や完全予約制の和食屋、日帰りで北海道にすしを食べに行くこともあった」 時期を同じくして、彼の実家にも“異変”が起きていた。事情を知る関係者が声を潜める。 「実は、彼のお父さんは数年前に“謎の死”を遂げているんです。さらに、3年ほど前から伯母が仕事に就けない状態になっていたと聞いてます」 宮本容疑者は伯母が経営する会社の実権を握ると、驚くべき行動に出ていた――。3月9日発売の「週刊新潮」では、殺人事件の背景に加え、親族を巻き込んだ宮本容疑者の不可解な動きについて詳報する。
(「週刊新潮」2022年3月16日号 掲載)
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