「10歳の姪を水拷問で殺害」巫女の叔母「悪霊を追い払うために殴った」
(2020.3.8 ハンギョレ新聞)
10歳の姪を激しく暴行し、無理やり浴槽の水に頭をつけるなどの虐待を加えて死亡させた巫女の叔母が「姪が悪霊にとりつかれた」と述べ、その悪霊を追い払うために犯行に及んだことが明らかになった。
水原(スウォン)地検女性児童犯罪調査部(キム・ウォンホ部長)は7日、殺人、児童福祉法上の児童虐待などの容疑で、死亡したAさん(10)の叔母B容疑者(34)とその夫(33)を拘束起訴したと発表した。
B容疑者夫婦は、先月8日午前11時20分ごろから、京畿道龍仁市処仁区古林洞(ヨンインシ・チョイング・コリムドン)の自宅アパートの浴室で、Aさんの手足を洗濯ひもやビニールで縛って動けないようにし、頭を水の入った浴槽に複数回にわたって無理やりつけるなど、30分以上にわたって虐待し、死亡させた疑いが持たれている。
調査の結果、夫婦は昨年12月末からAさんが死亡するまで、計14回にわたって暴行や虐待を行っていたことが分かった。今年1月20日には、Aさんに自分たちが飼っていた犬の排泄物を強制的に舐めさせていたことが分かった。
夫婦のこのような猟奇的な虐待行為は、夫婦が自ら撮影した写真と動画の記録が発見されたことで明らかとなった。B容疑者夫婦が撮影した動画には、B容疑者がAさんに何度も「悪霊にとりつかれているので、追い出さなければならない」などと言っている内容もあったという。
Aさんの死因は、国立科学捜査研究院の解剖検査の結果、二次ショックおよび溺死であることが分かった。二次ショックとは、外傷などの先行原因に続いて発生する組織の酸素不足状態が呼吸困難を招いた状態を言う。Aさんの遺体からは広範囲にわたる皮下出血が発見され、肋骨の一部も骨折していることが確認された。検察は、このような解剖結果をもとに故意の殺人と判断し、殺人罪で起訴した。
検察はまた、AさんがB容疑者夫婦に暴行を受けていることを知りつつ、何の保護措置も取らなかったため、児童福祉法上の放置容疑で送検されたAさんの実母C容疑者についても、捜査を続けている。
「叔母の家の浴槽で死亡した10歳の女の子、水拷問も受けていた」
預けられていた叔母の家の浴槽で意識を失って死亡した10歳の女児は、叔母夫婦から虐待を受けていたことが明らかになった。叔母夫婦は「言うことを聞かない」との理由で女の子の頭を浴槽につけるなど「水拷問」に近い過酷行為まで行っていたことが明らかとなり、社会に衝撃を与えている。
京畿道龍仁(ヨンイン)東部警察署は9日、養育中だった姪を虐待し死亡させた疑い(児童虐待致死)で、死亡した女児の30代の叔母夫婦2人に対する拘束令状を請求した。
叔母夫婦は警察で「昨年11月から姪を引き取って育ててきたが、最近は子どもが言うことを聞かず、小便を漏らすので2日ほど殴った。8日午前には、しつけのため浴槽に水をためて子どもの頭を水につけたり出したりする行為を何回かした」と供述した。過酷行為を行っていたこの夫婦は、女児が息をしておらずぐったりしたため過酷行為を中止し、119番通報した。同日昼12時35分ごろに出動した救急隊員は、心停止状態だった女児に心肺蘇生法を施しつつ病院に搬送したが、女児は死亡が確認された。この過程で病院の医療陣と救急隊員は、死亡した女児の体の複数カ所にあざがあるのを発見し、「児童虐待の疑いあり」として申告した。
警察は初動捜査で叔母夫婦から「子どもを何回か軽く叩いたことはある」との供述を得て、彼らを児童虐待犯罪の処罰などに関する特例法違反の疑いで緊急逮捕した。その後、警察は取り調べで、養育過程で叔母夫婦に過酷行為があったかどうかを問い、夫婦から「姪を養育する過程で、しつけのためプラスチック製の棒などで全身を数回暴行した」との供述を得た。
警察は9日午前に、遺体を解剖した国立科学捜査研究院から「死因は二次ショックとみられる」という第1次口頭所見を得た。
死亡した女児の遺体からは、太ももをはじめとする体のあちこちから、暴行でできた多くのあざが発見された。プラスチックのハエ叩きとプラスチックのホウキで殴られてできたあざや傷も多数発見された。さらに腕には何かに縛られた痕もあることが分かり、夫婦が女児を縛って暴行を加えた可能性もあると警察は見ている。ただし遺体には、溺死した際に主に現われる赤い斑(死後に遺体に現われる斑点)がなく、溺死の可能性は低いという。
警察は「『二次ショックによる死』とは、外傷によって生じた皮下出血が循環する血液を減少させたことによるショックで死亡したという意味」とし「『水拷問』とその前に行われた暴行がショックを呼んだ原因である可能性があると推定される」と発表した。死亡した女児の正確な死因は、詳しい解剖結果が出る2週間ほど後に明らかになる見通しだ。警察は、暴行などの叔母夫婦による虐待がいつから行われていたのかなどについて捜査を続けている。
死亡した女児は、引っ越しや職場などの問題で、親と離れて叔母の家で暮らしていたことが調査で分かった。また、この夫婦には12歳、5歳、2歳の3人の子どもがいるが、このうち2人は別の伯母の家で、末っ子は祖父の家で過ごしているという。警察は、夫婦が実の子も虐待していた可能性もあるとみて、捜査を拡大している。
2012年4月1日に大韓民国京畿道水原市で発生したバラバラ殺人事件。
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