乳頭温泉郷 妙乃湯・・ブログ版

田沢湖・角館 秋田県仙北市

KinKin 秋田の年越し

2008-01-02 20:45:33 | Weblog
妙乃湯佐藤です。

明けましておめでとうございます。

さて、今日はタイトルの「きんきん」について少し
書きたいと思います。

秋田では「きんきん」、北海道は「キンキ」
全国的には「喜知次」「吉次」「吉事」などと呼び名が
違うようですが
これはオホーツクの深海で採れる真赤なお魚のことです。
秋田ではこれを年越しに食べるのが習わしで
県民ほぼ全員といっていいほどこの魚が好物です。
塩焼きにするのが一般的ですが
メデタイのタイの塩焼きより驚くほど油が乗って美味です。

このお魚、年越しだけでなく、お祝いの席にもよく出されます。
しかし宴席ではほとんどの人が箸をつけません。何故?
秋田に来たての頃は
「なんでこんな美味しい魚を残すのか」と疑問に思いましたが
答えはすぐに解りました。
宴会も終わりに近づくと「きんきん」専用に必ず折箱を用意して
くれます。これに入れて家に持って帰るのが流儀なのです。

家に帰れば「きんきん」が出た豪勢な御膳だったと語り
「かやきっこ」にして家族皆で食べよう!という
ことになります。「かやきっこ」は鍋料理の総称、「きんきんかやき」
は秋田でも高級な鍋ものです。
塩焼きの「きんきん」と白菜、ネギなど・・・出汁が効いておいしいですね。

美味しいものは家族みんなで食べる。いい風習です。
そう言えば、秋田のお母さん達はよく、家庭で作った料理や漬物など
を持ち歩き、行った先々で勧めてくれます。
美味しいものは皆で食べる、秋田らしさでしょうか。

さて、年末年始はこの「きんきん」をお客様に味わって頂こうと
料理メニューを変えています。
「塩焼き」で食べた後に「かやきっこ」で鍋として
The・秋田式です。