お久しぶりです。
学科で金沢の旅行に行っていたので、久しぶりの更新になってしまいました(汗)
で、美学の旅行らしく美術館に行ってきたので、その記事でも!
前回記事を書いた「ソン・エリュミエール展」とソウル出身の現代アーティストであるス・ドホの展示の二本立てでした。
というわけで、今回はス・ドホについての記事を書きます。
"PERFECT HOME"という展示だったのですが。
作品の特徴は、タイトル通り「家」をモチーフに使っている点。
「現在もロンドン、ニューヨーク、ソウルを拠点にして、作品発表やプロジェクトのために世界各地を移動し続けているス・ドホにとって、「家」について言及することは、自らのアイデンティティに関わる疑問の延長上にあります。」
という美術館の説明通り、彼の作品は常に「家」というオブジェを扱っていました。
例えば、それはストッキングで大きい家を作ったり、デコトラに庭付きの家をくっつけさせてアメリカ大陸を渡るという構想をしたりなど、あからさまな形で現れています。
家のミニチュア模型をぱっくり二つに割ったり、韓国での自分の家をアメリカの家の模型にぶつけたりなど・・・言葉じゃ表現しづらいですが、作品自体はかなり面白いです。
個人的な印象では、彼の作品には大きい作品傾向として「非固定」と「アイデンティティ混在」というものが窺えるように思えました。
「非固定」の傾向は、先述の通り、スーツケースに収まるストッキング製の家や、デコトラで移動する家、そして光州での移動する車ホテル(キャンピングカーの機能をトラックで実現したようなもの)の実践などから窺うことができます。
仕事で各国を飛び回るス・ドホの、根なし草という「住処が移動する状態」が作品に具現化されているような印象です。
そして「アイデンティティ混在」の傾向は、韓国の家とアメリカの家を衝突、或いは融合させている作品に見受けられます。
韓国の家をアメリカの家に衝突させ、その模型を二等分にして内部を見せるという作品だったのですが、その室内の装飾の細かいこと!作品の持つ意味よりもその作業の細やかさに見入ってしまいました。
韓国人アーティストである自身がアメリカで活動をすることの衝撃を表現しているらしいのですが、見た目は完全に文明の衝突を感じさせるようなダイナミックな作品でした笑
融合については、クリアな「アメリカの家の模型」の内部にクリアな「韓国の家の模型」を挿入し模型そのものを四等分するという作品に現れています。
内部に韓国、外部にアメリカを配置している意味が、「自己のアイデンティティの芯が韓国である」ということを意味しているのか、それとも「アメリカに取り込まれてしまった自己」という意味なのかは定かではありませんが、四等分して内部を見せいている辺り自己の芯を強調しているような印象もあります。
しかし、模型そのものをシースルーにした意味がイマイチ見出せない。
そういえばストッキングの家もシースルーでしたが・・・
で、個人的に一番好きだったのが、ストッキングの家ですね。
《アメリカ合衆国ニューヨーク州 10011 ニューヨーク市348西22番通り-アパートA、廊下と階段(金沢バージョン)》というタイトルです(長
先ほど述べた、移動可能性という意味を持ったものとして気になったのではなく、これそのものがインスタレーション的な魅力を持っていた点に惹かれました。
「家」という大きな建造物を考えた時に、ストッキングという質感はあまりにも脆すぎます。
しかし、それが眼前で実現していることの奇怪さ。
(もちろん上から吊るしてあるのではありますが)
その視覚体験から生じる奇妙な感覚がとてもインスタレーションらしく、気持良かったですね~。
そして、前回行って気になっていたインスタレーションの作家はアニッシュ・カプーアというインド出身のアーティストの《L'Origine du monde》という作品でした。
もやもやがすっきり!「ソン・エリュミエール展」の作品ではなく恒久展示でした。
つまり、金沢に行けばいつでも見れるということですな!
相変わらず気持ち良い作品でした。
「気持ち良い」って表現がなんか「気持ち悪い」ですね笑
でも、インスタレーションは「気持ち良い」のです!持論!
ではでは、本日はこの辺で。
hona-☆
学科で金沢の旅行に行っていたので、久しぶりの更新になってしまいました(汗)
で、美学の旅行らしく美術館に行ってきたので、その記事でも!
前回記事を書いた「ソン・エリュミエール展」とソウル出身の現代アーティストであるス・ドホの展示の二本立てでした。
というわけで、今回はス・ドホについての記事を書きます。
"PERFECT HOME"という展示だったのですが。
作品の特徴は、タイトル通り「家」をモチーフに使っている点。
「現在もロンドン、ニューヨーク、ソウルを拠点にして、作品発表やプロジェクトのために世界各地を移動し続けているス・ドホにとって、「家」について言及することは、自らのアイデンティティに関わる疑問の延長上にあります。」
という美術館の説明通り、彼の作品は常に「家」というオブジェを扱っていました。
例えば、それはストッキングで大きい家を作ったり、デコトラに庭付きの家をくっつけさせてアメリカ大陸を渡るという構想をしたりなど、あからさまな形で現れています。
家のミニチュア模型をぱっくり二つに割ったり、韓国での自分の家をアメリカの家の模型にぶつけたりなど・・・言葉じゃ表現しづらいですが、作品自体はかなり面白いです。
個人的な印象では、彼の作品には大きい作品傾向として「非固定」と「アイデンティティ混在」というものが窺えるように思えました。
「非固定」の傾向は、先述の通り、スーツケースに収まるストッキング製の家や、デコトラで移動する家、そして光州での移動する車ホテル(キャンピングカーの機能をトラックで実現したようなもの)の実践などから窺うことができます。
仕事で各国を飛び回るス・ドホの、根なし草という「住処が移動する状態」が作品に具現化されているような印象です。
そして「アイデンティティ混在」の傾向は、韓国の家とアメリカの家を衝突、或いは融合させている作品に見受けられます。
韓国の家をアメリカの家に衝突させ、その模型を二等分にして内部を見せるという作品だったのですが、その室内の装飾の細かいこと!作品の持つ意味よりもその作業の細やかさに見入ってしまいました。
韓国人アーティストである自身がアメリカで活動をすることの衝撃を表現しているらしいのですが、見た目は完全に文明の衝突を感じさせるようなダイナミックな作品でした笑
融合については、クリアな「アメリカの家の模型」の内部にクリアな「韓国の家の模型」を挿入し模型そのものを四等分するという作品に現れています。
内部に韓国、外部にアメリカを配置している意味が、「自己のアイデンティティの芯が韓国である」ということを意味しているのか、それとも「アメリカに取り込まれてしまった自己」という意味なのかは定かではありませんが、四等分して内部を見せいている辺り自己の芯を強調しているような印象もあります。
しかし、模型そのものをシースルーにした意味がイマイチ見出せない。
そういえばストッキングの家もシースルーでしたが・・・
で、個人的に一番好きだったのが、ストッキングの家ですね。
《アメリカ合衆国ニューヨーク州 10011 ニューヨーク市348西22番通り-アパートA、廊下と階段(金沢バージョン)》というタイトルです(長
先ほど述べた、移動可能性という意味を持ったものとして気になったのではなく、これそのものがインスタレーション的な魅力を持っていた点に惹かれました。
「家」という大きな建造物を考えた時に、ストッキングという質感はあまりにも脆すぎます。
しかし、それが眼前で実現していることの奇怪さ。
(もちろん上から吊るしてあるのではありますが)
その視覚体験から生じる奇妙な感覚がとてもインスタレーションらしく、気持良かったですね~。
そして、前回行って気になっていたインスタレーションの作家はアニッシュ・カプーアというインド出身のアーティストの《L'Origine du monde》という作品でした。
もやもやがすっきり!「ソン・エリュミエール展」の作品ではなく恒久展示でした。
つまり、金沢に行けばいつでも見れるということですな!
相変わらず気持ち良い作品でした。
「気持ち良い」って表現がなんか「気持ち悪い」ですね笑
でも、インスタレーションは「気持ち良い」のです!持論!
ではでは、本日はこの辺で。
hona-☆
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