Cool Head,but Warm Heart.

英語のスピーチ活動に本気で取り組む皆さんへ

敗レテ目覚メヨ

2006年10月31日 | スピーチへの応用
沖縄に特攻出撃した戦艦大和の上での臼淵大尉の独白。


 進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目覚メルコトガ最上ノ道ダ 日本ハ進歩トイウコトヲ軽ンジシ過ギタ 私的ナ潔癖ヤ徳義ニコダワッテ、本当ノ進歩ヲ忘レテイタ 敗レテ目覚メル、ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ワレルカ 今目覚メズシテイツ救ワレルカ 俺タチハソノ先導ニナルノダ 日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ジャナイカ

吉田満『戦艦大和ノ最期』より

一歩踏み込んだ議論を

2006年10月12日 | 勝利のために

ほとんどすべてのスピーチで自分が設定した問題に対してSuggestionが繰り出されているわけですが、政策提言型のSuggestionをする人の多くは以下のことが当てはまります。

・現状の分析が甘い、その結果一歩踏み込んだ議論がなされていない

こうすればいい、というSuggestionを出してくるのですが、大学生が考えることくらい官僚の人はすでに考えている、ということに多くの人は気付いていません。別に官僚じゃなくてもその道の専門家(現場の人や学者など)は絶対にスピーチ書いている大学生よりも数百倍の知識を持ってるし、学生が考えることなんてすでに思いついているに決まっているのです。

みなさんが考えるべきことは、なぜ大学生が考える程度のことが世の中で実際に行われていないのか、ということです。

なぜ自分のSuggestionが現在適応されていないのかについて深く考えることこそが現状の分析です。そうすることで一歩深い部分の新たな問題が浮かび上がってきます。それは規制の問題だったり、カネの問題であったり、case by caseだと思いますが、ここまでやって初めて現状の分析です。現状の分析を進めていく過程で自分のSuggestionは実は有効ではない、ということが判明する場合もあるかもしれません。

「海外ではこんないい制度がある。だから日本でもこれを導入すべきだ。」といったように、おそらく本で読んだか学校で習ったことをそのまま自分のSuggestionにしてしまうスピーチが非常に多く見受けられます。でも考えてほしいのは、霞ヶ関の人たちはそんな制度が存在していることなんか絶対に知っているということです。学者を招いて勉強会を開いたり、国から派遣されて現地に調査に行っている官僚の人が、ちょっと本で読んだり学校で習っただけの大学生よりも知識量が少ないわけがありません。だからこそ、どうして自分が最善だと思った解決策が実行されていないのか、について深く考えてほしいのです。そうしてよくよく調べていくことによって、自分がどれほど多くの重要な要素を見落としていたか、また問題は想像以上に複雑で困難だということに気付かされることでしょう。


二面性にいつも注意を払え

2006年10月06日 | 勝利のために

内容を充実させるための方法というか考え方として、いつも二面性に注意してほしいと思います。

多くのスピーチは、いろんな意味において一方的で偏った見方しかできていません。偏った見方だと、評価は低いままです。

いくつか例を挙げると・・・

理想論を言うのはいいけど、ほんとに解決することを目指すのなら現実論も必要です。理想論だけに終始するのは尻切れ蜻蛉で物足りない感じがします。

聴衆に何をしてほしいか示すことは確かに重要ですが、大きい問題だと制度の充実や法律の施行などの公的な部門の役割も必要不可欠。

抽象的な文の後には具体的な文をもってくることは基本中の基本。(ですが、できてない人は結構多い)

このように、

具体⇔抽象

理想⇔現実

政府⇔民間

都会⇔田舎

賛成論⇔反対論

メリット⇔デメリット

国内⇔海外

○○な人⇔○○でない人

導入前⇔導入後

過去⇔現在⇔未来

などのような二面性を意識してリライトとしてみてください。二面性を意識することがコンテンツを充実させる鍵です。