SYUUの勉強部屋:仏教思想概要

仏教思想概要10:《親鸞》(第4回)

(神代植物公園にて・関山     4月19日)

 

 前回は、「第2章 親鸞の著作」「1.主著『教行信証』をみてみました。
 本日は、「2.『教行信証』以外の親鸞の著作について」を取り上げます。

 

2.『教行信証』以外の親鸞の著作について

 

2.1.『歎異抄』について

 親鸞の著作といえば、一般的にはまず『歎異抄(たんにしょう)』ということになります。『歎異抄』は親鸞の弟子唯円(第三祖覚如という説もある)が親鸞の説法を書きまとめ編集したもので、親鸞の死後起きた様々な異議を正して、親鸞の教団を親鸞の教義そのものに帰そうとする意図をもってつくられています。
 江戸期までは真宗の信者にも知られていなかった著作ですが、明治末期に清沢満之(明治期に活躍した真言宗大谷派の僧侶、哲学者)に取り上げられて以降日本人に知られるようになり、親鸞の著といえば、『歎異抄』となっているようです。
 ただ、本文でも解説の事例として『歎異抄』の親鸞の言葉が随所で紹介されますが、唯円という弟子のプリズムを通しているという点で欠点があり、主著『教行信証』や親鸞の晩年の著作に中心をおくべきとの立場をとっています。

2.2.親鸞の著作一覧(内容の概要)

 親鸞の著作は次の5つに分類できます。(1.文類(もんるい)、2.文意(もんい)、3.和讃(わさん)、4.抄録(しょうろく)、5.書簡)
 それぞれの内容を以下の一覧(表16)に整理してみました。

 親鸞の著作は『教行信証』が関東布教時代に書かれたのを除くと、いずれも京都隠棲後、しかも晩年にかけてまで書かれたものもあります。
 もはや引退のつもりで京都に帰った親鸞でしたが、結果として彼には90年という長い年月が必要だったようです。

 

 短めですが、本日はここまでです。
 次回から「第3章 親鸞の信仰・思想」に入り、「1.煩悩具足の凡夫」「2.信心ということ」を取り上げます。

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