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シドニーの風

シドニー駐在サラリーマンの生活日記です。
心に映るよしなしごとをそこはかとなく書き綴ります…祖国への思いを風に載せて。

映画オーストラリア

2008-12-19 19:56:33 | シドニー生活
 オーストラリア・・・と言っても、同名の映画の話です。
 第二次大戦中のオーストラリアを舞台に、英国貴族出身女性と地元カウボーイ(オーストラリアではドローバーと言うそうです)とのラブ・ロマンスやアボリジニ少年との絆を描く豪・米合作のエピック・アドベンチャー・ロマンス(と公式に呼んでいる)超大作「オーストラリア」が先月(11月26日)封切られました(日本では来年2月公開)。監督は「ロミオ&ジュリエット」「ムーラン・ルージュ」のバズ・ラーマン、出演はニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマンをはじめ、デービッド・ウェンハム、ブライアン・ブラウンなど豪州出身で固めていることに加え、総製作費1億3千万豪ドルと、豪映画史上最高額がつぎ込まれ、随所に北オーストラリアの荒々しくも美しい自然描写が織り込まれ、さながら観光案内となっているところが話題です。実はこの制作費の40%は豪政府が負担し、国際的な観光キャンペーンを繰り広げました。頻繁に流されたテレビCM自体もラーマン監督自身が手がけたものと言われます。
 制作費の一部は、「ムーラン・ルージュ」の実に4倍にあたるとされる2千着近い衣装にもつぎ込まれました。ストーリー展開とともに主人公キッドマンの衣装も変わり、彼女自身の変わりようを映すと言われるところも見どころだそうです。そして、前夫トム・クルーズとの別離の理由のひとつに子供が出来なかったことが伝えられていたキッドマンは、撮影中、ロケ地近くにあった不妊治療に効果があるという言い伝えがある滝つぼで泳いで、ほかのスタッフともども次々に子宝を授かったというオマケつきです。
 もう一方のヒュー・ジャックマンは、米ピープル誌が毎年選ぶ “最もセクシーな男性”に、ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ、「ハイスクール・ミュージカル」のザック・エフロン、オリンピック金メダリストのマイケル・フェルプス、デヴィッド・ベッカムなどとともに選ばれました。極めつけは、2009年のアカデミー賞で司会を務めることに決まったという報道です。アカデミー賞の司会はおよそ米国人コメディアンが務めるのが恒例だったので、オーストラリア出身であり、コメディアンではなく俳優(ミュージカル俳優)だということで、意外性と驚きをもって迎えられました。
 なにかと話題には事欠かない作品ですが、ここまで気合いが入っていると、逆に引いてしまうのが私の性分です。アカデミー賞候補としても前評判が高く、準主役自身の司会で賞を射止めることが出来るかどうか、そっと見守りたいと思います。

Cafe Sydney

2008-12-19 06:30:15 | シドニー生活
 これまで少ないながらも高級レストランっぽいところで食事して来ましたが、ようやくこの場で自信をもってご紹介できるレストランに出会いました。税関ビル5階にあるCafé Sydneyです。早い者勝ちで名付けたような、覚えやすい名前で、得していますね。
 料理のカテゴリーは、ガイド・ブックによるとコンテンポラリーとありますが、シーフードを中心として、イタリアンなど既存のヨーロピアンでもなければアジアンでもない、強いて言えば無国籍料理(あるいはオーストラリア料理!?)で、味自体は、実は十人並み(シドニーですから美味しくないわけではありません)ですが、サーキュラー・キーに面した眺望が素晴らしい。今のこの季節でも心地良い風に吹かれて、暮れなずむハーバーブリッジを眺めながら、オープンなテラス席で、食事や酒はそこそこに、くっちゃべってリラックスしたムードは、まさにオーストラリアを満喫できます。
 場所柄、値段も一流で、メイン一皿35~40豪ドル、デザート・メニューも14~16豪ドル、ワインをボトルで頼んだ日には一人当たり軽く150豪ドルを越える勢いですが、日本からお客さんが来た時のために、とっておきのレストランとして覚えておいて損はありません。こういう店ですから予約をお勧めします。
 ここでは残念ながらオペラハウスは7割方が遮られて見えませんが、眺望で選ぶなら、ロックスにあるPeter Doyle @The Quayも素晴らしい。シドニーでは味に関してはハズレはありませんから、後はロケーションとレストランの雰囲気と値段とのバランスで選ぶことになるのでしょう。まだまだお気に入りレストラン探訪の旅は続きます。

大都会シドニー(後)

2008-12-18 06:46:44 | シドニー生活
 昨日、シドニーの集中度に触れましたが、シティ(Central Business District)では、渋滞緩和や排ガスによる環境問題に配慮してか、自転車専用レーンを設置する計画が進んでおり、一部工事も始まっているようです。
 オーストラリアには所謂ママチャリはありません。商店街で人を避けながら走り抜けるママチャリは、もはや日本の原風景でしょう。オーストラリアで走る自転車は所謂サイクリング車かマウンテンバイクで、ヘルメットを着用して車道を走る取り決めになっています。日本でもどうやら(いつの間にか)自転車は車道を走ることになっているのは、同じ発想でしょう。自転車と老人などの歩行者との事故が絶えないと聞きます。ところがシティでは、歩道を広げて歩行者と共有する案が提出され、それがまた議論になっているようです。市当局は自転車の速度を時速10kmに制限して事故防止に備えると主張しますが、歩行者団体は制限速度遵守に懐疑的です。
 以前、ブルーマウンテンの項で、高速道路に自転車レーンがあった話をしましたが、ところ変われば品変わる、日本ほど自転車が普及していないオーストラリアでは、扱いも違います。多様化を目指す当局の気持ちは分りますが、シティだけに自転車専用レーンを設けても効果があるのか、ちょっと疑問ではあります。

大都会シドニー(前)

2008-12-16 19:51:50 | シドニー生活
 NSW州のドライバー団体(NRMA)は、シドニーの交通渋滞が年々ひどくなり、ビジネスが逃げ出すのではないかと懸念しています。先日、州政府が行った監査によると、4年前と比較して市内を移動するのに要する時間が増え、市内に至る高速道路の平均速度も場所によって時速7~11km落ちており、ビジネスにとっても通勤者にとっても生産性が下がり、社会全体でコスト・アップになっているというわけです。
 確かにシドニーへの集中度は、オーストラリアという国の中で考えると極めて高く、不動産価格や物価も上昇し、以前より(と言っても私は以前を知らないので、予想していたよりということになりますが)住みにくい印象で、やや東京に似ています。
 日本でも首都移転論議がありましたが、いつの間にか消えてしまったかのようです。東京であれだけの集中度を維持し得ているのは、忍耐強くて従順で、「袖振り合うも多生の縁」と言っていられるほど、動物としての個体間距離が近いことを気に留めず、広さにさほどの価値をおかない、むしろ何でも手に入る便利さを優先する国民性と、電車・地下鉄といった公共交通機関の運行の驚異的な精度の高さに支えられていると言っても過言ではありません。
 日本人は与えられた条件の中で工夫して住みなす美徳がありますが、社会全体でコスト・アップになっているにも関わらずそれをギリギリで持ち堪え、多くの人が通勤地獄でストレスを感じているにも関わらずそれをもまたギリギリで持ち堪える社会は、決して健全とは思えません。もしオーストラリア人に平均的な日本の(と言うより東京の)サラリーマンを演じさせれば、三日ともたないどころか、初日の朝、オフィスに到着した時点で一日分の体力を使い果たして、そのまま果ててしまうのではないでしょうか。巷間よく言われるように、日本に違うパラダイムを持ち込むためには、あるいは次なる地平に進むためには、内からの変化の胎動には期待できず、外からの変化の圧力に頼る外にはないのでしょうか。

誕生日会@Macquarie Shopping Center

2008-12-14 08:17:03 | シドニー生活
 昨日は上の子が友達の誕生日会に誘われたので、Macquarie Shopping Centerに出掛けました。
 先々週にも友達の誕生日会で、その時は自宅に呼ばれて泊り込み(所謂Sleep-over)で、中学二年の図体のデカい男の子が7~8人も集まったらさぞ大変だろうと、親御さんのご苦労を忍びつつ、三食分の50豪ドルと寝袋を持たせたところでした。このところ誕生日会がちょっとしたブームなのは、一つには学年末の試験が終わって来週で第四学期(一学年)が終わる安心感によるもの(昨日の子の誕生日は実際には9月だったと言います)、もう一つには、中学生にもなると学区が広がり、車がないと動きにくく、普段はなかなか遊ぶ機会がないことに配慮したものと思われます。
 このMacquarie Shopping Centerは、名前からも想像がつくように、シドニーの北西、マッコーリー大学の傍にあり、シドニーでも最大規模の部類に入ります。ファッション、雑貨、ディスカウント店、スーパーマーケットといった通常のショッピング・センター機能が一通り揃った上、映画館と、小さいながらもスケート・リンクがあります。
 子供の誕生日会はこのスケート・リンクでありました。昼食を挟んだ3時間の内、2時間強をスケート場で遊び、昼食は後から聞くとマクドナルドだったようですが、もとより事前には察知できませんから、昼食代込みで30豪ドルを持たせました。
 このショッピング・センターまで自宅から車で30分近くかかりますので、二度往復するのは面倒だと、家内と下の子と、ショッピングセンターで待つことに。Bordersの本やビデオはなかなか充実していますし、レストラン街には似非日本食も何軒かあって、朝からの雨が急に晴れ上がると格好の涼み場所になり、折からのクリスマス・セールと相俟って、大変な人出でしたが、他人事ながら、この景気後退局面で果たしてどれほどの売上があったのか気になります。カフェやクリスマス用の小物売場は大いに賑わっていましたが、大きな荷物をもった人は心なしか少なかったような週末でした。

コーヒー考

2008-12-11 21:48:59 | シドニー生活
 シドニーでも銀行はじめ産業界での人員削減が相次ぎ、小売り売上も低迷する中、景気刺激策の柱の一つ、一時給付金104億豪ドルの支給が8日から始まり、ラッド首相みずから、貯蓄ではなくクリスマスのための消費に回ることに大いなる期待を表明しました。今回の給付対象は、日本と違って低・中所得者(200万世帯、子供一人あたり1000豪ドル)や年金受給者(400万人、一人1400豪ドル)のため、消費に回るのを疑問視する声があがる一方で、そうは言ってもこれに期待する向きも多いようです。
 そうした中、コーヒー豆の売上は堅調だと聞きました。
 コーヒーは、こちらではせいぜい2.5~3豪ドル。週末、カフェでくつろぐ人々を見ていると、この国は金融危機による景気後退に見舞われているのか疑問に思いますが、こうしたささやかなコーヒー文化は生きながらえても、コーヒーに添えられるケーキやトーストの消費は減っているようです。自分のことを振り返ると、こうしたご時世では先ずは車やTVやパソコンや携帯電話などの奢侈品の買い替えを先送りするであろうことは容易に想像できますので、世間でもこうした大型消費を抑制する動きが着実に進行していると見て間違いなさそうです。
 シドニーでは、スタバが入り込む余地がないほど、ごく当り前に美味しいコーヒーが飲めるのは、イタリア系移民のお陰だろうと、以前、述べたことがありましたが、それを踏まえた上で、美味しいコーヒーを提供してくれる機械のお陰でもあろうと思います。いちいち確認していませんが、どこも似たり寄ったりの機械でコーヒーを淹れてくれて、どこも似たり寄ったりの味になっています。
 先日、ある本を読んでいて、日本が太平洋戦争に負けた理由の一つとして、面白い指摘を見つけました。日本は精兵主義で、作戦その他で兵に要求されることは、総て精兵でなければ出来ないような仕事ばかりで、実際には精兵も武器も少なかったのに対し、アメリカは物量に物言わせ、未訓練兵でも出来る作戦を仕掛けて来たというものです。いかにも器用で職人技を尊ぶ日本らしさが良くも悪くも表れていますが(資源が乏しい日本では、人間系でカバーするしかないのか、あるいは徳川期のような安定した社会では人間技も成熟するということか?)、どうやら、この現代社会でも、コーヒーひとつとっても、この命題は成り立ちそうです。日本で美味しいコーヒーと言えば、最近でこそスタバやドトールが隆盛を極めていますが、ちょっと前までは、薄暗い喫茶店で何やらしかつめらしい顔をしたオヤジがドリップ式でコーヒーを淹れてくれたのを思い出します。一方、シドニーでは、あの機械とそこそこ美味しい(と言うことはつまり新しい)コーヒー豆さえあれば誰でも美味しいコーヒーが出来る仕組みです。なるほど、これが日本が戦に負けた理由の一つかと、仕事に取りかかる前の朝のひとときに苦みばしったコーヒーを飲みながら、古いようでなお新しい、それ故に重くのしかかるこの命題に、ふと思いを馳せ、コーヒーの苦さをなお更身にしみて感じる今日この頃です。

オペラハウス設計者ヨーン・ウツソン氏

2008-12-06 00:51:31 | シドニー生活
 ちょうど一週間前になりますが、オペラハウスの設計者であるデンマークの建築家ヨーン・ウツソン氏が亡くなられました。享年90歳。
 Wikipediaによると、無名だった当時、オペラハウス設計のコンペに彼が提出した設計案は、図面ではなくアイデアを書き留めたドローイング程度に過ぎなかったため、応募基準に合わないと一旦落選したのを、審査委員だった建築家がアイディアを気に入り、最終選考に復活させ強く支持したのだそうです。さらに、勝ち残った彼は1957年からシドニーに移り住んで陣頭指揮を取り始めましたが、独創的なデザインは構造設計が難しかったため、工期と予算が大幅に超過し、州政府の内閣が一新したのを機に折り合いが悪くなり、1966年にはプロジェクトをおりて、完成半ばにしてデンマークに引き上げてしまったようです。その後、別の建築家に引き継がれ、資金集めに宝くじも発売され、竣工したのは1973年のことです。その間の事情は、本にもなっていて、その筋では有名のようです(三上祐三著「シドニーオペラハウスの光と影―天才建築家ウツソンの軌跡」彰国社2001年5月)。
 それでも彼は、その栄誉を讃えられ、シドニー大学から名誉博士号を授与されたほか、オーストラリア勲章も授与されました。来年初めには、追悼ミサも計画されているそうです。
 世界で最も美しいと言われるシドニー湾の青い海に、真っ白なオペラハウスが映えます。貝殻を組み合わせたように見える外観は、ヨットの帆をイメージしたものというのが通説ですが、実は子供がオレンジを剥いているのを見て思いついたデザインだったとも言われています。私も魅せられて、いろいろな角度から写真を撮ってきましたが、何度見ても見飽きない斬新さを、今もって失っていません。ウツソン氏の天才の故でしょう。

オーストラリアの米

2008-12-04 02:04:04 | シドニー生活
 オーストラリアの米は、1905年に日本からはるばるオーストラリアに渡り、治水や築堤の努力を重ねて稲作を成功させた高須賀穣氏がパイオニアだと言われています。そのため、アジアに多いインディカ米(中・長粒)ではなくジャポニカ種(短粒)が栽培されています。ビクトリア州マレー河流域のスワン・ヒルには、彼の功績を讃えた記念碑が建てられているそうで、その後、稲作の中心は東のNSW州に移り、リートンを中心に年間100万トン前後の米が収穫されています。
 正確に言うと、100万トン前後の米が収穫されていたのは過去の話で、昨年までの二年間、干ばつのため収穫量が激減し、豪農業資源経済局による今年(08/09年度)の予想も僅かに4万4千トンです。かんがい用水の割当が激減したため、生産者の多くが稲作から撤退したそうで、100年の歴史をもつオーストラリアの稲作も、干ばつが慢性化する中で窮地に立たされています。包括的な貿易自由化を提唱するオーストラリアでは、米の生産や輸出に国や州の保護や補助金を受けられませんでしたが、今般、気候変動対策費として18万豪ドル強の政府交付金を受けることが決まりました。
 このため、カリフォルニア米への需要が俄かに高まって品薄状態になり、近所の日本食料品店では、代わって台湾産の米が出回るようになりました。カリフォルニア米を愛用してきた我が家にとって、ちょっとした異変です。日本の農業問題に対しては、正直なところ、これまで厳しい目を向けて来ましたが、そうした態度を取って来られたのは、飽くまで美味しい米を食べられるのが当たり前だったからだという事実に気がつき、ちょっと動揺している私です。

路上サービス

2008-12-02 19:39:32 | シドニー生活
 交差点で止まった車の窓を、僅か信号待ちしている間に洗浄して小遣い銭を稼ぐ人がいます。見ているとなかなか手際が良い。しかし、よくよく見ると、私のようないかついオヤジは断れば済みますが、女性ドライバーの場合には、有無を言わさず清掃を始め、女性ドライバーの方では嫌がらせを恐れてか諦めて1ドルなり場合によっては5ドル支払うこともあるようです。余り品が良いものではありません。しかも、汚れた車の場合は、ガラス部分だけキレイになっても、車としては余計に汚れてしまうところもまた傍迷惑な話です。
 路上サービスと言えば、アメリカでも、サンフランシスコの郊外などで、信号待ちの車に花や新聞を売り歩く姿をよく見かけました。交差点がマーケットになるのがいかにも車社会らしいアメリカ(もっと言うと、移民社会らしい何でもありの世界)、車が走り始めるのをうまく避けながら、でも職場としては空気が悪そうだなあと、当時ぼんやり思ったものでした。また、学校が休みに入ると、子供たちが何人か集まって道路沿いの空き地を利用して洗車するアルバイトによく出会いました。子供の手洗いで大丈夫かと、こちらは車を心配してしまいますが、アメリカ人は気にせず結構利用していて、これまたアメリカらしいのんびりした光景です。
 こちらシドニーの交差点でのガラス拭きには、罰金53ドルが科せられることが決まった模様です。皆さん、迷惑に感じていたようです。単なる押し売りではないモノ売りであれば、それほど取り締まりを強化されることもなかったでしょうに・・・

健康志向

2008-11-28 21:21:28 | シドニー生活
 昨日は、オーストラリアにおけるスポーツ好きは、肥満が社会問題化していることと関係があるのではないかと書きました。今日はデータで追ってみたいと思います。
 タイトルは控えめ目ですが、そのものズバリの世界・肥満度ランキングというものがあります。ちょっと古いですが、WHOのデータをベースに、BMI(Body Mass Index=体重÷身長÷身長)が25以上の大人(15歳以上)の比率が高い国順に並べたものが、昨年3月頃のフォーブスに掲載されました(BMIは一般に20~24が標準、日本肥満学界では、22を平均的体格、25以上を太り気味としています)。
  1.ナウル共和国 94.5
  2.ミクロネシア諸島 91.1
  3.クック諸島 90.9
  4.トンガ 90.8
    ・・・・・・
  9.アメリカ 74.1
    ・・・・・・
 17.ニュージーランド 68.4
 21.オーストラリア 67.4
 28.イギリス 63.8
 43.ドイツ 60.1
    ・・・・・・
123.韓国 42.0
128.フランス 40.1
148.中国 28.9
163.日本 22.6
176.インド 16.0
191.ベトナム 6.4
192.バングラディッシュ 6.1
  ・・・・・・
 一読して納得できるのではないかと思いますが、おさらいすると、トップ10には南太平洋の国々が名を連ね、9位に先進国の先頭を切ってアメリカがランクインしています。そしてニュージーランド(17位)とオーストラリア(21位)やその他の西洋諸国が続き、下って100位以下にアジア諸国が登場します。お隣の韓国(123位)、中国(148位)、日本(163位)と、健康大国の面目躍如と言ったところでしょう。余り下りすぎると、貧しい国が登場するので、このあたりで止めておきます。
 オーストラリアは先進国で三番目という不名誉な結果で、数字を単純に比べても一目瞭然、肥満度25以上の比率が日本のほぼ三倍もあります(高齢化が進んでいる日本は、データ上、中年太りが多いであろうことを考えると、相対的によく頑張っているかも)。オーストラリアで外食すると、量が多いこと(これはアメリカと同じ)と、味付けが濃いこと(塩分、脂肪分、コレステロールが多そう)が気になります。
 OECDに加盟する30カ国を対象に行われた、別の成人肥満率調査(2007年11月)では、米国(32.2%)、メキシコ(30.2%)、イギリス(23%)、ギリシャ(21.9%)に続いてオーストラリア(21.7%)は5位に入っています。特に肥満人口増加率は、米国が過去20年間に2倍になったのに対し、オーストラリアはほぼ3倍と急増しているようです。
 オーストラリアのベーカー心臓研究所が今年6月に発表した内容によると、BMIが25以上の割合は、45~65歳の男性で7割、女性でも6割に達し、肥満度においては米国を凌ぐと警告しました。将来的に、糖尿病や心疾患を惹き起こす原因となり、国の医療保険制度に大きな負担となる可能性があると指摘しています。
 先進国の十分な豊かさを享受する中で、車社会による運動不足、豊かな食生活、緊張感が乏しいお気楽な性格と、三拍子揃っているオーストラリアにとっては、ある意味で当然の結果かもしれません。他人事ではありません、自戒しないと。

テニス

2008-11-28 08:40:20 | シドニー生活
 身近なスポーツということで、しつこくもうひとつ、テニスについて。
 オーストラリアでは、テニスの4大タイトルの1つ、全豪オープンがメルボルンで開催されるだけあって、テニスも広く親しまれています。スポーツ好きのオーストラリアでは当然のことではありますが、統計によるとテニス人口は100万人を越え、2000万人の国としてはかなり多い方ではないかと思います。これはスポーツ人口の7.4%にあたり、三種類のラグビー、クリケット(室内含む)、サッカー、ゴルフ、マリンスポーツなどが目白押しのオーストラリアにあって、よく健闘しているのではないでしょうか。先日、訪れたムーアパークのゴルフ場にも、テニスコートが併設されており、値段は確認しませんでしたが、ゴルフと同様、料金も安く、誰でも手軽に楽しむことができるそうです。最近でこそぱっとしませんが、過去には全豪のみならず全米・全仏・ウィンブルドンで活躍した選手も多く輩出しました。テニスの国別対抗戦(デビス・カップ及びフェド・カップ)でも、オーストラリアは数多くの優勝を飾っています。
 ペナンに滞在していた頃、会社が契約しているハイヤーの運転手の中国人に、ボディービルをやっているのかと(多分、ジムでのワークアウトのことだと思われますが)何度も聞かれてショックを受けた私ですが、これでもかつて中学生の頃はテニスを、高校生の時は陸上をやっていたアスリートでした。最近は寄る年波に勝てず、筋肉が落ちる以上に脂肪がついて、いわゆる「清原」化現象(と勝手に名づけていますが、清原さんごめんなさい)で、ごつくなって、およそテニスが似合わない体型になってしまいました。しかし、なんと言っても日本人にとってテニスと言えば、天皇陛下と美智子妃殿下が軽井沢でテニスを通して仲睦まじくなられたお姿が原体験としてあります。我々の時代には、既に各大学に公式・非公式を問わず乱立した軟弱サークルの代表スポーツですが(軟弱というのは言い過ぎですが、テニス同好会と銘打って、テニスなどやったことがなく、飲んでばかりいた知人が周囲に何人もいます)、やはり肥満にテニスは似合いません(どのスポーツでもそうですが)。そういう意味で、肥満が社会問題化していることもまたオーストラリアの一面であることを考えると、オーストラリアにおけるスポーツ好きは、神経質なほどにスリム化を目指すスポーツ・フェチと肥満とに二極化しつつあるアメリカとも、どこか重なって来ます。

ゴルフ練習

2008-11-27 07:06:33 | シドニー生活
 スポーツ・ネタが続いたせいではありませんが、昨晩、会社帰りに、ドライビング・レンジに寄ってみました。ゴルフ・クラブを握るのは、かれこれ7ヶ月振り。ペナンからシドニーに輸送するのに、検疫がうるさいからと、一所懸命、砂を洗い落としていたのが、つい昨日のことのように思い出されます。
 場所はムーアパーク・ゴルフ場に併設されているドライビング・レンジで、見たところ日本やペナンと変わるところはない普通の練習場です。クラブハウスで球数を指定して金を払うと、レシートに番号が打ち込まれているので、あとは練習場に置かれた機械にその番号を入力して球をバケツで拾います。85球15ドル(1000円位)、135球20ドル、220球31ドルと、決して安くはありませんが、普段の日だというのに、三階建ての構造で60ヶ所ほどの7~8割方は埋まっている印象です。体育会系の国オーストラリアらしい。夜10時まで営業しているので、会社帰りのちょっとしたエクササイズ(ウサ晴らし)に良さそうです。
 グーグルで調べると、およそオーストラリアはゴルフ天国とあります。至る所にゴルフ場があり、日本に比べて格段に安く、誰でも気軽に出来るからだそうで、アメリカと似ています。近年では女性や若者も多いとか。是非、近々、コースに出てみたいものです。

もう一つの人気スポーツ・クリケット

2008-11-25 22:14:31 | シドニー生活
 ラグビーのことを語ったついでに、オーストラリアのもうひとつのメジャーなスポーツであるクリケットについても触れておきます。中学生の頃、英語の教科書に時々登場し、野球に似たスポーツであろうことは想像していましたが、イギリス発祥で、英連邦諸国100ヶ国で広くプレイされ、サッカーに次いで世界第二位の競技人口を誇るほどメジャーなものだというところまでは気が付きませんでした。
 ペナンにいた頃、子供が学校(イギリス系インターナショナル・スクール)の体育の授業でクリケットをやっていると聞いて、私としては大英帝国圏のスポーツとして感慨もひとしおでしたが、マレーシア自体はバドミントンやサッカー人気が高く、テレビ中継もそれらが中心でしたので、クリケットに注目する機会は全くありませんでした。ところがシドニーでは、テレビで延々中継をやっていて、他に面白い番組がないことも手伝って、注目せざるを得ません。オージーの冬のスポーツはラグビーであり、夏のスポーツはクリケットなのです。
 クリケットは野球のルーツと言われ、ボールを投げて打つという基本線は確かに同じですが、ルールは随分異なります。とにかく試合が長く、最長5日間もかけるのだそうです。3アウトではなく10アウト制の、たった2イニングの表・裏の攻防なのに、フェアやファウルの区別なく360度に打ちまくり、打っても走る義務はないので、ゴロを打ち続けていればアウトになることなく試合は延々続き、1人で50点取ることを「ハーフ・センチュリー」、100点取ることを「センチュリー」と呼んで大変な名誉とされるほどです(最近は投球制限制を取り入れ、8球以内に得点を挙げられない場合にはアウトにするルールになって、スピーディになりました)。いや、これは紳士淑女の社交の場であり、お互いに称え合いながら、優雅に時間をかけて、様々な戦略を楽しむものなのでしょう。フェアプレー精神が基本なのは、「公平じゃないよ!」と言う意味で「It's not Cricket!」と言われることからも判ります。
 クリケットと野球は、攻撃と防御が画然と分かれているという意味では、基本的な構造として攻守が変幻自在のサッカーやラグビーと一線を画しますが、クリケットでは、先ず自分の陣地(ウィケット、三柱門と言います)を守り、隙を見て反撃するという点で、むしろサッカーやラグビーの範疇に近い面もあります。もう一方の野球は、突き詰めて言えばピッチャーとバッターの駆け引きを軸とする、いわばカウボーイの対決であり、ピッチャーは基本的にはストライク・ゾーンの中に投げ込むことで勝負が始まり、バッターはその球をフェア・ゾーンに打ち返さなければ勝負がつきません。スポーツには、国柄や歴史が表れるものかも?

もう一つのラグビー・W杯

2008-11-24 22:56:50 | シドニー生活
 ラグビーW杯と言えば、日本をはじめ世界130ヶ国で親しまれるラグビー・ユニオンのW杯で、Wikipediaによると、昨年、フランスで開催された大会収益は216億円を超え、スポーツ・イベントとしてはFIFAワールドカップ、夏季オリンピックに次ぐ世界で3番目に大きな大会となっています。ところが、世界有数のラグビー大国オーストラリアでは、三種類あるラグビーの中で、このラグビー・ユニオンの人気はいまひとつなのだそうです。
 この週末には、もう一つのラグビーである、ラグビー・リーグのW杯決勝が行なわれ、6連覇中で優勝候補筆頭だったオーストラリアがNZに破れる波乱がありました。NZは初優勝・・・と言っても、日本が出場したわけでもないので、日本では殆ど話題にならなかったことでしょう。
 オーストラリアの男の子は、誰でも小さい頃からラグビーに親しみます。勿論、子供の内はタックルといった危険なマネはせず、タッチ・フットボールと言って、タックルの代わりに、5回タッチされるまでにゴールを目指しますが、それ以外のルールはほとんど普通のラグビーと同じです。この5回というルールがラグビー・リーグと同じなのです(大人がやる場合にはタッチではなくタックルになるわけですが)。高校の7割を占める公立高校の体育で普通に行なわれるのはラグビー・リーグです(残りの3割の私立高校で行なわれるのはラグビー・ユニオンで、どうしてもお上品なスポーツと見られがちなのだそうです)。
 ラグビー・リーグ(NRL)では、ボールを奪い合うために揉み合ったりスクラムを組むことは少なく、5回でゴール出来なければ攻撃権は相手側に移ることから、スピーディーな試合運びが特徴です。
 そしてオーストラリアで最も人気が高いのが、三番目のラグビー、オージー・ルールズ(AFL)です。前の二つのラグビーがフット・ボールから発展したのに対して、オージー・ルールズは、クリケットのオフ・シーズンの体作りとして始められ、クリケット人気と共に発展しました。従い競技場もラグビー場でなく、クリケットの競技場を使います。キックがゲームの基礎でどんどんゴールに向かうので、ラグビー・リーグ以上にスピーディに展開して行くのを感じます。またタックルやラフ・プレイが多く、日本人の私の目にはスポーツと言うよりも格闘技に見えてしまうところが、オージーには愛されているのかもしれません。

ブルー・マウンテンズ

2008-11-19 00:51:35 | シドニー生活
 件の知人を連れて、シドニー郊外のブルー・マウンテンズに行って来ました。生憎の曇天でしたが、シティからほんの一時間半のドライブで、これほど深い自然に達するとは思いもよらず、2000年に世界自然遺産に指定されただけあって、オーストラリアらしい豊かな自然に感動しました。
 シティからは、電車のアクセスもありますが、私たちは高速4号をひたすら西に進みました。標高1000m近いと言われますが、それほど高度をあげた気にならないのは、ダラダラの上りのせいでしょう。高速道路にも関わらず自転車道が併設されているのは驚きでしたが、自転車には相当きつそうです。
 Katoombaの町に辿り着くと、Echo Pointまではすぐ。ここでは魔法で岩に変えられた美しい三姉妹の伝説で知られるThe three Sistersを含む雄大なパノラマを楽しむことが出来ます。更に、車で5分のScenic Worldに行けば、トロッコやケーブル・カーで、ユーカリの樹海に足を踏み入れることが出来ます。
 私たちは時間に余裕がなかったので、Valley Returnという最短コース(19豪ドル)を選びました。炭坑用の線路を利用した世界最大傾斜52度はギネス・ブックにも登録されている「レイル・ウェイ」と呼ばれるトロッコで200mの断崖を一気に谷底まで駆け下りるのは、なかなか迫力があります。谷底ではユーカリが自生する遊歩道を15分ほど歩いて、帰りは「ケーブル・ウェイ」と呼ばれるケーブル・カーで駆け上ります。もっと時間があれば、「スカイ・ウェイ」と呼ばれるロープ・ウェイで滝が見える渓谷をEcho Pointまで往復したり、「ジャイアント・ステアウェイ」と呼ばれる階段でThe Three Sistersまで歩いたり、更には数時間の初心者コースから数日かかる上級者コースまであるブッシュ・ウォーキングやロック・クライミングなど、他にもいろいろ楽しむことが出来ます。
 ブルー・マウンテンズはご覧の通りの丘陵地帯で、ユーカリの木が多く自生します。ユーカリはオーストラリアが原産で、和名のユーカリは学名ユーカリプタスを省略した言い方です。500種類を越えるそうですが(変種も含めると1000種類とか)、その中でコアラが主食とするのは数十種類程度で、しかも若木の葉には毒性があるため、十分に生育したユーカリの葉を食べるのだそうです。ユーカリの葉から取れる精油は、殺菌・解毒・鎮痛作用があり、アボリジニは傷を癒すのに利用しますし、アロマテラピーや健康茶にも利用されています。夏に起こるブッシュ・ファイアーもこの揮発性の高い油分が原因だと言われます。そして気温が上昇するとこの油分が気化し青い光を反射して周囲が青みがかって見えることから、ブルー・マウンテンズと呼ばれるようになったと言われています。
 マレーシアで見たジャングルとはまた一味違った雄大な自然には目も眩むほど。一度ならず、もっとじっくり訪ねてみたいところです。