【ロケーション＋】人間サイズの不都合

写真撮影の背景として、1/1スケールを採っている当『アストロミゼット』企画の商品は現実の風景がそのまま背景となり、その素材には事欠きません…ということは以前から事あるごとに述べてきたことですが、だからと言って全てがそのままで使えるとは限りません。
例えば、恰好の背景素材を見つけたとしても、そこにフィギュアを配置して狙い通りの画が撮れるとは必ずしも言えない場合があるのです。

理由は普段私達が生活している場は多くの場合人間のためのサイズでデザイン・製作された空間であり、私達も無意識でその視野の中でしか観察していない傾向があるためです。
頭の中ではピッタリなイメージを持っていても、実際にそこにフィギュアを配置してみると以外に背景が間延びした大味なものになってしまっていることに幻滅する場合も決して少なくは無いでしょう。
私達にとっての快適な情報密度は、身長11㎝ばかりのミゼットのサイズにとってはかなり大雑把なものなのです。

ですので撮影のロケハンを行う場合、それを見越して普段よりも情報密度の込み入った素材を探すか、背景と被写体を丁度良いバランスになるまで距離をとって、望遠での撮影によって双方にフォーカスを合わせて撮影する必要がそこにはあるのです(第3の選択として画像加工ソフトで撮影後にサイズを修正する…という方法もあります)。

そんなわけですので私自身も、結構空振りの経験が多々ございます。
例えばこちら↓

公園の遊具をロケハンで撮影してきたものですが、後日フィギュアを立たせて撮影…と思ったら背景のレイアウトに比べてフィギュアが小さすぎて様にならず、またフィギュア合わせで撮影すると今度は背景に満足いく情報が画枠に入らなかったり…ということで結局断念してしまった例です。

最近ではすっかり低くミニマムな視線を意識し、「常につま先に眼を…」の精神を心がけるようになってしまいました。












…怪しくて人ごみの中を歩けません