VWが、ポルシェに買収を提案したと、独誌シュピーゲル(電子版)が報じたそうです。VWがポルシェ株の49%を最大40億ユーロ(約5300億円)で取得することを提案し、最終的にポルシェと合併する計画だそうです。更に、ポルシェが持つ5割超のVW株の一部を、カタールの政府系ファンドであるカタール投資庁が取得する。この結果、合併新会社の持ち株比率はポルシェの創業者一族が40%、VWの地元のニーダーザクセン州が20%、カタールが15%になるそうです。
VWの方が、ポルシェに保有されている筈なのに、VWの方から色々と救済策を提案している様な奇妙な動きです。ドライなマネーの動きというより、ポルシェ家、ピエヒ家の意向の元にVW社が善後策を講じているみたいに見えます。結局、小さなスペシャリストメーカーの枠に収まりきれなくなったポルシェには、VWと一体化する道しかないと見えます。
肝は、ドレスデン工場に思えます。VWはフェートンを生産中止に出来る。VWポルシェ社の高級車は、パナメーラを位置づける。パナメーラをドレスデン工場で生産する。両社にとっての頭痛の種を同時に解決する。どんなもんでしょうか?
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さて、ポルシェがVWと一体になる方向は、ほぼ決まりの様です。しかし、こうなると浮いてしまうのがブガッティです。本来ロールスロイスの買収に失敗したVWが、対抗馬として買収したのがブガッティだと思っていたのですが。買収したきっかけは、スーパカーのEB111でなく、EB112の出来栄えだと言われてました。ジウジアーロの傑作と言って良いと思います。この買収劇によってVWグループは
ブガッティ == VW == セアト
ベントレー == アウディ == シュコダ
ランボルギー二
のラインナップだと思っていました。いずれはEB112を市販化すると思っていました。ところが、スーパーカーのヴェイロンの開発に手間取り、その間にEB112のデザインをポルシェに「やって」しまった。これでブガッティは、スーパーカーのみになってしまった。ランボルギーニ、ブガッティと二つも持てるのかな。バルブがはじけ、ヴェイロンのみではやっていけないでしょう。早目にEB112を発売していれば、ベントレーと同様に大成功を収めていたでしょう。パナメーラを発売した以上、EB112をそのまま発売する訳にはいかない。ブガッティのラインナップをもう一度考えなければいけない。パナメーラの双子車だけは、出さないで欲しいですね。
Bugatti EB112
Bugatti EB118
Porsche Panamera
ところで、高級車のキャラクターの接近には、もう一つ取り上げたいことがあります。それは又、場を変えて。
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「ポルシェは29日、日本経済新聞に対し、子会社の独フォルクスワーゲン(VW)による買収提案を拒否したことを明らかにした。提案通りに自動車部門の49%の株式をVWに売却した場合、3月に銀行団から受けた107億5千万ユーロ(約1兆4500億円)の融資を返済しなければならず、『売却は事実上不可能』(ポルシェ広報担当者)と説明している。 独メディアによるとVWはポルシェが買収提案を受け入れなければ、3月にVWが融資した7億ユーロを9月に返済するよう求めている。」
と報道されています。文面だとポルシェが追い込まれた事になります。尤も、ポルシェ、VWがらみの場合、当事者の氏名も併せて報道されないと判断しにくいところがあります。9月の返済期日には猶予期間が考えられるのかも、それで違ってきます。ドライなマネーの動きだとすると、ポルシェは、中東へかなりの株を売却する破目になるのでしょうか。そこまで来ると、かなりの抵抗感を感じますが。次の報道を待つしかないのか。こんな話ばかりだと嫌になりますね。
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