厚木市文化会館大ホールで開催された憲法学者の小林節さんの講演会に行ってきました。まず、話の入り口から面白かった。それは、主催者がこの講演会の告知ポスターをお願いした際に、ある大学で断られたという話から始まりました。
よく、政治的な催しに加担できないという話を聞きますが、これは憲法以前の民主主義の話であり、政府の方針に反する言動に対しニュースキャスターやコメンテーターを番組から外す動きも「自由な意見が言えないように検閲が始まっている」と指摘した。しかし、これは反論できない相手側の弱さを証明することに他ならないと切り捨てた。
憲法が生まれたのは「王政のイギリスに反発して独立したアメリカが王政の国になったのでは意味がない」との事から始まったという話も分かりやすかった。人間は全て未完成。その未完成の人間が絶対的な権力を握って王様のように好き勝手なことができないように、権力者を縛るために憲法が生まれた。これが立憲主義というもの。今の政権は、この立憲主義の意味すら理解できない恥ずかしい政権だという小林氏。憲法学者の意見を聞かない政権には退場してもらうしかないと。
最後に、憲法改正論者だった憲法学者として「憲法を軽んじる政権に憲法改正などと言ってほしくない」「憲法を重んじる政権になったら、もっと良い憲法にするために改正案を示しますよ」「今は野党がまとまって選挙に勝つことが先決でしょ」と締めくくりました。
共産党が好きとか嫌いとか、民主党が気に入らないなどと言っている場合ではない。「アベ政治の暴走を止めるのが先でしょ」か。その通りだ。