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ちょっとしたメモです。

現場を支える4人衆 ~マネージャーと呼ばれる男達~

2006年07月02日 | その他




大原サッカー場に広がっていく選手達。赤い練習着を身にまとう彼らの側では、黒い練習着のスタッフ達が常にサポートに駆け回っている。練習前後、ピッチに散らばったボールや器具をセッティングし片付ける彼らの存在なくして、練習は始まらない。

主に、彼らはマネージャーと呼ばれる。トップチームとサテライト共に、主務と副務の2人体制がとられているが、特にトップチームの練習では、垣根なく4人が練習のサポートに走り回っている。マネージャーの仕事は、ピッチの中だけに留まらない。俗に言う“マネージャー”のように、チーム(選手達)のスケジュール管理や遠征の宿泊や移動手段の確保など、ピッチ外でも多忙を極める。チームとともに動くため、連戦続きになればロクに休みも取れず、2週間働き詰めなんてことはザラだ。




個性豊かなマネージャー陣

トップチームの担当である水上裕文氏をチーフに、福岡靖人氏、あべ松正人氏(サテライト主務)、関敏浩氏(サテライト副務)と続く4人の中で、それぞれに役割や素晴らしい経歴を持っている。

水上氏は、Jリーグ開幕当初からクラブのスタッフとして、レッズと苦楽を共にしてきた。小野伸二との親交の厚さは有名で、大きな信頼を寄せられている。マネージャーとして、長きに渡ってクラブを支え、2004年と2005年には広報グループに異動しメディア対応も経験した。気さくな人柄で選手達からの信頼も厚く、今年からマネージャー職に復帰し、リーグ戦で快進撃を続けるチームを後方支援している。






福岡氏は、2002年からホペイロ(用具係)としてレッズに加わった。オフト監督初年度から、毎年成長していくチームをつぶさに見守ってきた。マネージャーになった現在でも、選手達のスパイクなどの手入れを行うなど、道具に関する豊富な知識を活かしている。特筆すべきは、審判員資格を持っていること。練習試合などでも実戦さながらのレフェリングを見せ、気が緩みがちな練習試合を上手く引き締めてコントロールしている。もちろん、試合中に選手達から文句を言われることもあるが、仲間に対しても毅然とした態度を貫いている。公式戦の現場では、試合開始前にドリンクボトルをピッチ外周に置いてまわるなど、縁の下の力持ち的な存在となっている。






あべ松氏は2003年から、そして関氏は2004年からチームに合流し、それぞれホペイロからスタートして2004年と2006年からマネージャーの職に就いた。あべ松氏は、両親の仕事の都合で幼少の頃をブラジルで過ごし、ポルトガル語が堪能。多くのブラジル人選手が在籍するレッズにあって、通訳のバリ・アレシャンドレ氏とは違った側面で彼らをバックアップしている。特に、エメルソンと親交があり、現在も頻繁に連絡を取るそうだ。関氏は、大学まで現役でのプレーを続け、レッズにやってきた。豊富なサッカー経験をもとに、現在は若手選手の居残り練習に付き合うなど、本業以外でも兄貴分的な存在として活躍している。
この同い年の2人は、練習中もコーチ陣のアシスタントとして球出しなどに協力することが多い。特に、ハーフコートゲームやGK練習では、揃ってボールの配給係を買って出ている。


左側、ゴール後方で練習をサポートする関氏



キャンプ前になると、慌しく道具を梱包する彼らがクラブハウスを駆け回る姿を見ることができる。もちろん、職業として生活するために仕事をこなすのは当然のことだが、彼らはサッカーを愛しサッカーの側で働くことを楽しんでいる。さらに、浦和レッズというクラブの躍進のために、早朝から深夜まで肉体を酷使する重労働を、汗を流すことをいとわずに続けている。

マネージャーは、決して目立つポジションではない。選手達と身近に接してはいるが、日々の仕事は単純なことも多く、練習後の表情を見ているだけでその過酷さが伝わってくる。それでも、彼らはクラブへの愛、選手達への愛を忘れない。そんな彼らの毎日を報うのは、レッズの勝利をおいて他にない。勝ち点3を手に入れた試合の直後、彼らの笑顔を見るたびに、そう実感する。だからこそ、選手達は90分全力でプレーする義務がある。サポーターに、そして影で支えるスタッフに、最大級の喜びを与えるために―













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