エステティシャンの皆様へ

連載シナリオ『黒電話』

６５　食堂２階
正樹「・・どう、見直したかよ？」
　　正樹、自慢気な表情で好子をみる。
正樹「ナンパして遊んでたら、１年チョット
　でアノ波には乗れねーな」
　　正樹、独りで納得
好子「うん、格好良かった」
　　好子、惚れ直したという様な笑顔。
好子「もう、上手く成ったから、明日一緒に
　帰ればいいじゃん」
　　好子、唇を尖らせる。
正樹「ダメだよ、今月いっぱいは、バイトの
　約束だし、まだ上手くなってないよ」
好子「みんな帰るのに」
正樹「ヒロはまだ居るよ」
好子「泰子さんが帰るから、一緒に帰るよ」
正樹「ウソだろ！あいつＤＪのバイトどうす
　るんだよ？」
好子「しらない、だから一緒に帰ろ」
正樹「無理」
好子「ヤダ」
　　好子、反対を向く。
　　正樹、好子を背後から抱きしめ、
正樹「大丈夫、ナンパなんかしないから」
好子「だって、ナンパしなくても、女性は
　近くにイッパイ居るもん」
正樹「だから、美紀は元彼女で、
　関係ないってお前も分かっただろ」
好子「ちがう、お店にだって女性は居るし」
正樹「この店、婆ちゃんしか居ないじゃん」
好子「春江さんだって居るし」
正樹「おばちゃん！おばちゃん子持ちだぜ！」
好子「春江さん、まだ二十代よ」
正樹「２０代って言っても・・・」
好子「それ、春江さんに失礼、春江さん、
　眼鏡外して、化粧したら、たぶん綺麗よ」
　　　×　×　×
(イメージ)祭りの時の化粧した春江
　　　×　×　×
　　正樹、少しニヤケて
正樹「そうか？」
好子「何、ニヤケてんのよ」
　　正樹、慌てて素顔に戻り。
　　正樹、好子の髪を撫で
正樹「なあ、久しぶりにしようぜ」
　　好子、正樹を見詰め
好子「うん」
　　二人、キスをしようと顔を近づける。
順「おにいちゃん！」
　　ドアが突然開く。
　　　×　×　×
　　三人、動きが止まる。
　　　×　×　×
順「お兄ちゃん、キスしようとしてる」
　　正樹、好子の体を突き放す
順「お兄ちゃん達、エッチ！・・・エッチ！」
　　順、飛び跳ねる
　　　×　×　×
春江「これ！何やっとる順」
　　春江、顔を出し
春江「ゴメンね、お兄ちゃん達、ご飯
　出来たから、先にご飯食べたら？」
順「何が先？」
春江「コレ！」
　　春江、順の頭を少し叩く。
　　春江、正樹達を見る。
　　正樹と好子、顔を真赤にしている。