ほんとにちまちま進行だなの追加クエストもどき。前回のあらすじ、町のある子供たちが、なんとゴーレムの護符を持っていた!その理由とは・・・
子供たちが町の出入りを止めたかったのは何故なのか。ミミが優しく訴えかけるような濃い紫の瞳で子供たちを見つめると、子供たちはもじもじしながらか細い声で呟いた。
「・・・言っても怒らない?」
「うん、怒らないよ」
「そっちのおにいちゃんも怒らない?・・・もう怖い顔してるけど・・・」
「元々こういう顔だが、これでもめったに怒らない方だぞ」
イザヤールは苦笑してそれで一気に親しみやすい様子になったので、子供たちは安心したのかぽつりぽつりとまた答え始めた。
「あのね、ボクたちのうちは、お菓子屋さんなの」
そう言われてミミたちが改めて家の中を見回すと、なるほど作りやたたずまいがパン屋や菓子店風だった。ただ、商品が一つも無いのでこれまで気付かなかったのだ。菓子が全く無いのは、出入り口をゴーレムに塞がれて材料の入手が難しくなり菓子どころではなくなったのだろう。
「うちのお菓子は大人気で、よその町からもたくさん買いに来たの。それで、いっつも売り切れで、余らなくて・・・。ボクたち、お父さんお母さんの作るお菓子が大好きなんだけど、遠くから来るお客さんを空っぽの荷物袋で返すわけにはいかないからって、お父さんはいっつもあるだけ売っちゃうから、ボクたちずっとお父さんお母さんのお菓子が食べられなかったの。それで、つい、町によその人が入って来なければ、お菓子が余るかな、って思って・・・」
子供たちはしくしくと泣き出した。
「ほんの一日二日のつもりで、護符はまた元に戻すつもりだったの。でも、そしたらゴーレムは町の人の言うことも聞かなくなっちゃって、町から人が出ても暴れるから、ボクたち、護符が返せなくなっちゃって。たいへんなことしちゃったから、誰にも言えなくて、怖くて、怖くて・・・」
ここで子供たちは堪えかねたのか、えーんえーんと大声で泣き出した。
「泣かないで。護符さえあれば、ゴーレムは私たちが直せるから」ミミは言った。
そこへ、子供たちの泣き声を聞き付けたのか、護符探しに出ていた彼らの親が戻ってきた。〈続く〉
子供たちが町の出入りを止めたかったのは何故なのか。ミミが優しく訴えかけるような濃い紫の瞳で子供たちを見つめると、子供たちはもじもじしながらか細い声で呟いた。
「・・・言っても怒らない?」
「うん、怒らないよ」
「そっちのおにいちゃんも怒らない?・・・もう怖い顔してるけど・・・」
「元々こういう顔だが、これでもめったに怒らない方だぞ」
イザヤールは苦笑してそれで一気に親しみやすい様子になったので、子供たちは安心したのかぽつりぽつりとまた答え始めた。
「あのね、ボクたちのうちは、お菓子屋さんなの」
そう言われてミミたちが改めて家の中を見回すと、なるほど作りやたたずまいがパン屋や菓子店風だった。ただ、商品が一つも無いのでこれまで気付かなかったのだ。菓子が全く無いのは、出入り口をゴーレムに塞がれて材料の入手が難しくなり菓子どころではなくなったのだろう。
「うちのお菓子は大人気で、よその町からもたくさん買いに来たの。それで、いっつも売り切れで、余らなくて・・・。ボクたち、お父さんお母さんの作るお菓子が大好きなんだけど、遠くから来るお客さんを空っぽの荷物袋で返すわけにはいかないからって、お父さんはいっつもあるだけ売っちゃうから、ボクたちずっとお父さんお母さんのお菓子が食べられなかったの。それで、つい、町によその人が入って来なければ、お菓子が余るかな、って思って・・・」
子供たちはしくしくと泣き出した。
「ほんの一日二日のつもりで、護符はまた元に戻すつもりだったの。でも、そしたらゴーレムは町の人の言うことも聞かなくなっちゃって、町から人が出ても暴れるから、ボクたち、護符が返せなくなっちゃって。たいへんなことしちゃったから、誰にも言えなくて、怖くて、怖くて・・・」
ここで子供たちは堪えかねたのか、えーんえーんと大声で泣き出した。
「泣かないで。護符さえあれば、ゴーレムは私たちが直せるから」ミミは言った。
そこへ、子供たちの泣き声を聞き付けたのか、護符探しに出ていた彼らの親が戻ってきた。〈続く〉
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