久々更新ですの追加クエストもどき。前回のあらすじ、廃墟の村で野営することにしたミミたちは・・・
こうして夜の間は何事も無く過ぎた。夜明けに近い頃、眠っているイザヤールに寄り添うようにして焚き火を見つめていたミミは、薪を足そうとしていた手をふと止めた。ほとんどわからないくらい巧く隠してはいるが、何者かの気配がかすかにある。魔物ではないようだが、こちらの様子を窺っているようだ。
他の旅人が、こちらを敵か味方か判断しかねて窺っているのかもしれないが、そもそもこの廃墟に何の用があるのだろう。
ミミの緊張が伝わったのか、イザヤールが細く目を開けてほとんど音を出さない声で尋ねた。
「ミミ、どうした」
「近くに誰かが、隠れている気がするの・・・」
「ふむ」彼は身動きしないまま辺りの気配に注意を巡らせて、確かに何かが居るのを認めた。「あの自称精霊の使いかもしれないとも思ったが、どうやら違うようだな」
二人は小さく頷き合い、ミミはわざと大きく伸びをしてあくびを堪えるようなふりをしながら辺りにやや通るような声で言った。
「イザヤール様、私、また眠くなっちゃった・・・。朝まで少し休んでもいい?」
「ああ、いいぞ」イザヤールもわざと寝ぼけたような声で応じた。「もう明るいから、ここでならもう何事も起こらないだろう。少し一緒に眠ろう」
そう言ってくるまっていた毛布を開くと、ミミは子猫のようにその中に滑り込んだ。愛しい腕の中に納まりぬくもりに包まれて、このままほんとに眠れたら幸せなんだけどな、と思いつつもそれどころではない状況なので、毛布の中で甘い雰囲気とはかけ離れた言葉を交わした。
「誰なんでしょう?旅人なら、隠れてないで声をかけてくれればいいのに」
「警戒をしているから、という気配でもなさそうだしな」
二人が眠ったふりをしてじっとしていると、その気配は少しずつじりじりと近寄ってきて、粗末なマントとフードに身を包んだ何者かが、大胆にも鎧をしまってある荷物袋に手を伸ばしてきた。そこで二人は、突然毛布をはね除けて飛び起きた。〈続く〉
こうして夜の間は何事も無く過ぎた。夜明けに近い頃、眠っているイザヤールに寄り添うようにして焚き火を見つめていたミミは、薪を足そうとしていた手をふと止めた。ほとんどわからないくらい巧く隠してはいるが、何者かの気配がかすかにある。魔物ではないようだが、こちらの様子を窺っているようだ。
他の旅人が、こちらを敵か味方か判断しかねて窺っているのかもしれないが、そもそもこの廃墟に何の用があるのだろう。
ミミの緊張が伝わったのか、イザヤールが細く目を開けてほとんど音を出さない声で尋ねた。
「ミミ、どうした」
「近くに誰かが、隠れている気がするの・・・」
「ふむ」彼は身動きしないまま辺りの気配に注意を巡らせて、確かに何かが居るのを認めた。「あの自称精霊の使いかもしれないとも思ったが、どうやら違うようだな」
二人は小さく頷き合い、ミミはわざと大きく伸びをしてあくびを堪えるようなふりをしながら辺りにやや通るような声で言った。
「イザヤール様、私、また眠くなっちゃった・・・。朝まで少し休んでもいい?」
「ああ、いいぞ」イザヤールもわざと寝ぼけたような声で応じた。「もう明るいから、ここでならもう何事も起こらないだろう。少し一緒に眠ろう」
そう言ってくるまっていた毛布を開くと、ミミは子猫のようにその中に滑り込んだ。愛しい腕の中に納まりぬくもりに包まれて、このままほんとに眠れたら幸せなんだけどな、と思いつつもそれどころではない状況なので、毛布の中で甘い雰囲気とはかけ離れた言葉を交わした。
「誰なんでしょう?旅人なら、隠れてないで声をかけてくれればいいのに」
「警戒をしているから、という気配でもなさそうだしな」
二人が眠ったふりをしてじっとしていると、その気配は少しずつじりじりと近寄ってきて、粗末なマントとフードに身を包んだ何者かが、大胆にも鎧をしまってある荷物袋に手を伸ばしてきた。そこで二人は、突然毛布をはね除けて飛び起きた。〈続く〉
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