セントシュタイン三丁目

DQ9の二次創作(主にイザ女主小説)の、全くの個人的趣味なブログです。攻略の役には立ちません。悪しからずご了承ください。

星を眺めて永遠を問う

2020年02月12日 23時59分22秒 | クエスト163以降
短いですが、イザヤール様おかえりなさい記念久々に単体短い話です。

 キメラのつばさを空に放り投げようとして、イザヤールはその手をふと止めた。掲げた手の先に広がるのは、黄昏の名残の幽かな色を残しつつも星をちりばめ始めた、夕暮れでもまだ夜でもない空だった。ほんの数秒の間に、星の数と、陽光の名残は、反比例して増減していく。
 彼がかつて天使だった頃、星が役目を終えた天使たちだという言い伝えは聞いてはいたが、その真偽を確かめる術も無く、半ば迷信のようなものだと思っていた。
 空には無数に星がある。一万年はゆうに越える寿命を持つ天使が役目を終え星になり、これほど空を埋め尽くすには、いったいどれほどの時が流れたのか。そんな永劫に近い時の流れに思いを馳せることもほとんど無く、ただひたすら天使としての務めに邁進することを目指して生きてきた・・・師エルギオスに出会うまでは。
 世界の秘密に、神の絶対性に、そして天使という存在そのものにさえ疑問を投げかけた彼の師は、イザヤールを度々戸惑わせたものだが、それでも彼の中に、ただ盲目的に絶対者に従うだけではない何かを残した。イザヤール自身には、その自覚は無かったが。その師を喪ってから度々、彼は星を眺めては、師のことだけでなく、永遠についても思いを馳せた。
 人間の身となった今では、少なくとも、彼の友や仲間たちは星として輝いていることを、イザヤールは知っている。今宵ももしかしたら、からかいの言葉を載せた瞬きを送ってくるかもしれない。傍らにミミが居て、共に見上げていればほぼ間違いなく必ず。
 彼は微笑み、ミミの所へ一刻も早く帰るべく、キメラのつばさを放り投げた。共に儚い命の人間となってしまったのに、彼女と一緒なら、永遠を信じられる。この体も、姿も、記憶すら失っても、きっと・・・。
 セントシュタインの城下町のリッカの宿に到着すると、星の光を湛えた濃い紫の瞳の乙女が彼を出迎え、花開くような笑顔を浮かべて囁いた。
「おかえりなさい、イザヤール様」〈了〉
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2 コメント

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Unknown (津久井大海)
2020-02-17 13:10:28
reiya様

いらっしゃいませこんにちは☆おお、某SNSでそんな熱いことになっているんですね!配信10周年目にしてイザヤール様のカッコよさがようやく・・・よかったよかったです。

ライバルズでそんなステキな編成ができるんですね、うっとり。竜騎士装備可能ククールさん、ほんと何者なんでしょか。血筋がアレな8主人公の加護、とか?いや、たぶんそれは関係ないか・・・。

当サイトでは勝手に、100年イコール天使の一歳分感覚設定でお送りしております。なんか一番しっくり来るんですよね。そして天使たちは、1万年どころか、億単位で星のオーラ集めしていたかもしれません・・・とにかく気の遠くなる年月っぽい印象です。

そちらのパーティの皆様、今年もステキな?!バレンタインで楽しそうでいいですね~♪重いと言いながらちゃんと食べている師匠ステキです。そして巨大サイズでもきちんとおいしく作る女主さん、もっとステキです。彼氏さんは天罰てきめん、殿方は手作りチョコはおいしく頂く以外の選択肢無し!
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Unknown (reiya)
2020-02-16 00:19:29
イザヤール師匠復活クエスト配信10周年、おめでとうございます〜。はっ!ライバルズで師匠が実装されたのってこの為⁉︎あるいは某SNSで師匠大好き軍団が暴れたからなのか。最近、某SNSではDQ9のオリジナル設定を交換し合う等、DQ9ブームが来ておりますw今、時代はDQ9です!
何にせよ、師匠が報われて良かったw公式のあまりの扱いの故、ネタキャラにされてましたが『師匠ってこんなにかっこよかったのか!』『残念じゃない!』と驚く人もちらほら。

師匠は全職共通なので、どこの職業のデッキにも入れられますが!僧侶に入れてラヴィエル、サンディ、グレイナルと竜戦士の装具を装着したリーダーのククールでDQ9気分が味わえます!
(自分のDQ9のptにククールを入れていたけど公式でこうなるとは思ってもいなかったよ!ククール、なんて男なんだ!)

そういえば天使の寿命ってどれぐらいでしょうね。作中で100歳ほどに見える長老オムイが1万年生きていると言われていることやエルギオスが失踪から見つかって浄化されるまでの300年にあまり容姿の変化がなかったので100年で1歳と思っています。(子供なら背が伸びたり一年の変化は大きいですが、大人ならそこまで変わりませんし)
作中で神が最初に作った天使達は既に存在しないと言われている事から代替わりしながら1万年以上も星のオーラを集めていたのか…あるいは実はオムイ長老だけは残っていたのか…それにしては色々知らなすぎなんですよね、長老やら天使界の皆さん。

マイパのおかしいバレンタイン
ククール「良かったな。ライバルズ出演決まって」
イザやん「本当に呼ばれないかと…何の音?」
台車>ガラガラガラガラ…
リリン「師匠ーっ!復活記念日とバレンタイン、DQR実装おめでとうございま〜す♪」
イザやん「ギャーッ!?リリン!う…うわぁあー!
巨大な物体>ズシーン!
リリ「美少女愛弟子、リリンちゃんお手製の超特大生チョコでーす」
イザやん「自分で美少女って…お…重いぃ」
リリ「はい、こっちはククールの分ね。」
クク「サンキュー、リリン」
イザやん「私にも普通のチョコを普通にくれ…」
リリ「どういうチョコをどう渡せと?」
イザやん「そういうチョコをそういう風にくれって言ってるんだ!」
リリ「こっちはククールの為に作ったのよ」
クク「愛されてるな」
イザやん「こんな歪んだ愛なんているかぁあ!」
 
シェルルは『手作りチョコなんて単にチョコを溶かして固めただけ』と発言してしまい、チ◯ルになりましたw師匠にあげたチョコとククールにあげたチョコは同じ物ですが師匠の分はサイズが布団並とおかしいのです。
イザやん「美味い、重い、美味い、重い、美味い…苦し…」
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