星空と永遠と

短いですがＤＱ９発売日昨日話で〜す。

　平原を歩いているうちに夜になり、星空となった。立ち止まって空を見上げると、星たちはミミとイザヤールに瞬いて輝いてくれた。
「大平原で、星空の下に立つと、自分がすごくちっぽけな存在な気がして、なんだかとても寂しくなる、って言っていた人が居たけれど・・・」ミミが呟いた。「私たちにとっては、とても賑やかな場所、ですよね」
　何せ星たちは、ミミとイザヤールの同胞たちなのだから。直接の声ではないけれど、たくさんたくさん語りかけてくれる。時には、たくさんすぎるくらいに。
「ああ、そうだな。今も・・・いや、やめておこう」
　イザヤールは同意し、かすかに苦笑した。星の一つが、「遠慮せず、ロマンチックな星空の下で愛を語り合いたまえ」という意味の瞬きをしたからだ。
　でも、ミミは思った。星空の下が寂しい場所ではなくなったのは、ぬしさまがくれた女神の果実を食べて天使の力をいくらか取り戻したのと、こうしてイザヤール様と一緒に見上げているからなのだと。あの星の一つだったイザヤール様は、こうして傍らに帰ってきてくれた。その奇跡も、遠く決してミミが行くことの無い星空を、近しいものにしてくれた・・・。
「星空を見て寂しくなるのと、永遠のことを思って寂しくなる感覚って何か似ているの。・・・でも、私は大丈夫、永遠を信じられるから」
　ミミの言葉に、イザヤールは微笑んで頷く。自らもまた、永遠を信じている者の笑みで。〈了〉